大谷翔平「出場決定」で注目度も急上昇!
前回大会と同じ20の国と地域が出場する1次ラウンドは、4つのプールに分かれて来年3月上旬にアメリカ、日本、プエルトリコの3か所で開催される。各プールの上位2チームが勝ち上がり、準々決勝ラウンド、準決勝ラウンド、そして決勝戦へと続く。最終決戦は3月17日の予定だ。連覇の懸かる侍ジャパンの指揮を執るのは、巧打の内野手として中日などで活躍した井端弘和監督。これまでプロ野球での監督経験はないが、2022年と23年に侍ジャパンU-12の代表監督を務めていた。
井端監督がトップチーム兼U-15代表の監督に就任したのは、2023年の11月。監督としての手腕を巡って賛否あったが、満を持して3か月後に“答え合わせ”の時を迎える。
井端監督にとって最大の懸案事項だったのが、大谷翔平(ドジャース)の出場可否。ほんの数か月前まで宙に浮いていたこの問題だが、本人の希望もあって、すんなりと出場が決定。他の日本人メジャーリーガーも大谷に追随することが予想され、注目度は日増しに高まっていくことになるだろう。
ロバーツ監督が語る「大谷翔平の起用法」
一方で、井端監督を筆頭とした侍ジャパンの首脳陣を大いに悩ますことになるのが、大谷の起用法だ。大谷は今季途中に投手として復帰を果たしたばかりで、多方面から大谷の起用法に関して意見が飛び交っている。特に耳を傾けなければいけないのが所属するドジャースの意見だろう。
「指名打者(DH)のみでの出場なら問題ありません」
ロバーツ監督はWBCでの投手・大谷の起用を巡って慎重な姿勢を見せており、改めてそれを強調した形。やはりドジャースとしては、チームの管轄外での予期せぬアクシデントは避けたいというのが本音だろう。
ロバーツ監督は「翔平は日本代表の期間中、ブルペンで投げることになる」とも話しており、実戦では投げないことをほのめかしている。あくまでも投手としての調整はドジャースの管理下で行うことを示唆した形だ。
2度目のトミー・ジョン手術明けから1年もたっていない状況を鑑みれば、来春のWBCに関してはDHに専念するのが最も望ましい形といえる。ただし、レギュラーシーズン開幕から二刀流としてフル回転してもらいたいなら話は違ってくる。
試合日程から考える「メジャー開幕への影響」
先に述べた通り、WBCの開幕は来年3月上旬。侍ジャパンは3月6日の台湾戦を皮切りに、韓国、オーストラリア、チェコと5日間で4試合を行う。2位以内で1次ラウンドを突破することが大前提だが、その後はアメリカに渡り、13日か14日に準々決勝、15日か16日に準決勝、そして17日に決勝と、アメリカ本土では最大3試合を戦う。
もしロバーツ監督の望み通り、大谷がDHに専念することになれば、代表チームに帯同中は大谷が実戦マウンドに上がることはなくなり、ブルペンで肩をつくるしかない。
そうなると、ドジャースが開幕を迎える3月26日頃は、まだ投手として肩が出来上がっていない状態になる。つまり大谷がWBCで実戦登板をしない場合は、投手・大谷のメジャー登板も最大で数週間遅れることを意味する。
ただ、ドジャースとしては、“二刀流”完全復活の可能性も捨てきれないはず。侍ジャパンの首脳陣らと綿密に連携を取りながら、投手・大谷の起用法に関して実質的に“介入”してきてもおかしくないだろう。
開幕ローテを睨んだ「理想的なシナリオ」
来春のメジャーのオープン戦は2月23日頃から3月24日にかけての約1か月間。もし大谷が3月下旬の開幕シリーズに万全の状態で先発登板を果たすとすれば、逆算してWBC直後の3月20日のパドレス戦か、21日のアスレチックス戦にオープン戦のラスト登板が最も理想的なシナリオだ。そうなると、さらに逆算して13日か14日に行われる準々決勝での先発登板が濃厚。実は2023年の前回大会でも大谷は準々決勝のイタリア戦に先発し、5回途中2失点、71球を投げていた。
決勝で投げる可能性はゼロ?
2023年はアメリカとの決勝で大谷が最終回のマウンドに上がり、当時のチームメート、マイク・トラウトを空振り三振に仕留めた。あの名シーンが生まれた背景には、ちょっとした日程のアヤもあった。3年前は準々決勝が東京ドームで開催された関係で、決勝との間には実質5日間の登板間隔があった。
ところが、来年のWBCは準々決勝をアメリカで行うため、決勝は中2日もしくは中3日という短い間隔で行われることになる。ドジャースは、たとえ1イニング限定であっても、大谷を決勝で投げさせるという選択肢を侍ジャパンに与えないのではないか。
ドジャースとしては、安全策を採るならロバーツ監督が示唆した通り、大谷の打者一本がベスト。もしWBCを投手としての調整の場として許容するなら、1次ラウンドと準々決勝の2度、球数を制限したうえで登板させるのが現実的だろう。
いずれにしても、投手・大谷の起用法を巡って、井端監督は難しい舵取りを強いられることになりそうだ。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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