元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。
女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。

セクシー女優ファン「6パターン」を分析

元セクシー女優が暴露する「現場に現れる“危険なファン”の特徴...の画像はこちら >>
「推し活が好きなファン」といっても、様々なタイプがいる。系統や傾向は界隈によって異なり、お金を積めば積むほど……という場所には過激なファンが集まりやすい。一方で、ある一定の金額で楽しめるところは穏やかなファンが多いものの、たまに変わった人が紛れるせいで、お金を積む以外のトラブルが起きやすい。要するに、推し活を頑張るオタクはみんな個性的なのである。

 これはセクシー女優の界隈にも同じことが言えて、彼らのタイプを大きく分けると以下の6つ。

・熱心にセクシー女優だけを応援するファン
・グラドルやセクシー女優専門のファン
・アイドル、グラドル、女優、声優など推し活大好きファン
・DD(誰でも大好き)なイベント好きファン
・現場に来ず、遠くから見守るファン
SNS上だけで応援する自称・ファン


 こちらの世界は多額のお金を落とす必要があまりないため、ファン同士が「いくら遣ったかマウント」を取ることはほぼない。しかし、距離感バグを起こしていたり、悪い意味で推し活慣れしていると演者に迷惑をかけてしまうことも……。

 そこで今回は、セクシー女優界隈にいがちなファンタイプを細かく分析していこう。

「セクシー女優だけを応援するファン」が最もありがたい理由

 セクシー女優だけを応援し、最推し・二推し・三推しが決まっており、イベント参加や作品購入に積極的な人は想像以上に多い。男性はもちろんのこと、最近は女性も熱心なオタクが増え、可愛い女の子に会いたい人が女優たちを応援する。

 基本的に熱量が高く定期的に顔を見せてくれるので、演者からするとホッとする存在。推し活にも慣れており、平均して“良い人”が多い傾向にある。「女優推し=オトナ向けビデオをたくさん観ている人」というのは確実だが、不思議なことにこの手のタイプからは下心をあまり感じない。
良い意味でカラッとしていると言えようか。

 セクシー女優をメインに推し活を楽しむため、彼らは界隈のニュースに敏感。「○○さんが引退する」とか、「最近デビューした○○ちゃんが人気」など、下手すると我々より情報を掴んでいる。

 女優として努力を重ねる限り応援し続けるタイプなので、いわゆる“ファンの鑑”系だ。

やはり水着の女性は魅力的?

 グラビアアイドル(以下:グラドル)と、セクシー女優をメインに推し活をする人も結構多い。この2つを推す時点で、露出面積が広い女性が好きなことは確かだが、イベント開催が頻繁で距離が近い、演者側に認知されるのが早い……という、“接触回数の多さ”に魅力を感じて応援する例も実際にある。やはり、男性にとって距離が近い水着の女性は“女神のような存在”なのだ。

 またDVDや写真集などの収集癖を持つタイプもいる。イベントに行きまくればそのぶん手元には様々なグッズが増えるけれども、そこに楽しさを見出せばグラドルやセクシー女優の推し活を楽しく感じるだろう。

 ちなみに撮影会に参加する“カメラ好き”が多いのもこのタイプ。悪い意味で推し活慣れしていると、無駄に図々しく、馴れ馴れしいケースもなくはないが、お金は落とすので運営からすると有難いファンではある。演者からすると何とも、だけど……。

アイドルが命な「推し活大好きファン」

元セクシー女優が暴露する「現場に現れる“危険なファン”の特徴」。距離感がおかしいファンの実態
元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 アイドルそのものが大好きな、推し活が趣味のファンもセクシー界隈に現れる。もともと大手アイドルグループが好きで女優に推し変する人、地下アイドル×女優イベントを並行中の人などは根っからのオタク。
彼らは色々な現場へ足を運ぶため毎日忙しく、趣味のために働いているといっても過言ではない。

 女優目線で言うと、最推しとして選ばれない限りしょっちゅう姿を現さないものの、要所要所で顔を見せてくれるのが嬉しいところ。彼らはカワイイ女の子が大好きなので、身体が空けばどこかに行ってしまうレベルにフットワークが軽い。現場から現場へハシゴなど、体力(と、お金)があり過ぎて、色々な意味で尊敬してしまう。

 ただアイドル(特に地下)推しだと「お金を積めば積むほど」の精神が身につくせいで、“火力の高いオタク”に大変身する危険性を持つのが厄介なところ。

 まんべんなく推し活をする人なら驚異的な存在にはならないため、性質が個人によって大幅に異なるタイプといえようか。

どこでも登場する「イベント好きファン」

「DD(誰でも大好き)」は昔から存在する“あるあるファン”の一種で、最推しも二推しも関係なくどこの現場にも現れる。演者1人に対する熱量は高くなく、イベント参加そのものが好きというタイプだ。

 先ほど説明した“収集癖”が強く「有名なあの子と2ショットを撮れた」などで欲を満たす傾向にある。本人に対する愛よりも、○○ができたという部分に焦点が当たっていることが多いのだろう。

 DDはイベントに来てくれるとありがたいけれども、あちこちへ行くので言い方は悪いが“アテになるファン”ではない。会うのが一度きりでおしまいだったり、かなり時間を空けて再登場→「覚えてる!?」と困ったコンボをキメる話も珍しくはないという。

 また、「とりあえず新人がデビューしたから顔を見に行く」なんてのも、よくある行動の一つ。
もしかするとDDは演者のことよりも、推し活をする自分自身が一番好きなのかもしれない。

作品は買うけど…「遠くから見守るファン」

元セクシー女優が暴露する「現場に現れる“危険なファン”の特徴」。距離感がおかしいファンの実態
たかなし亜妖さん
「好きだけれど、推しに近寄ることには興味がない」みたいなファンも一定数いる。現場に足を運ぶ人からするとあり得ないかもしれないが、年齢が高い人やイベント参加に慣れていない人、遠くから見守りたいと思えばひっそりと応援する形となる。

 この場合、作品を購入する・ファンクラブに入る・SNSをマメにチェックするなど熱量はそこそこ高い。“接触”に興味がないか苦手意識を持つだけで、良識なファンであることに間違いはないだろう。

 遠くから温かい目で見守るタイプは、現場にきて図々しい行動を取るなどの迷惑を絶対にかけない。演者からすると認識はできないけれど、縁の下の力持ち的存在。あまりにコソッとしているため、こっちとしては「たまにはアピールしてもいいんだよ」とつい言いたくなってしまうのだ。

SNS上だけで応援する「自称・ファン」も

 作品も買わない、イベントも来ない。でもSNSでリプやDMだけは飛ばす……。本人としてはネットを通じて応援しているつもりだが、正直なところ演者にとって最も迷惑な相手である。

 ただSNSをフォローしてくれているだけならいいが、お金も遣わずして「応援しています」はなんか違う。こういうタイプに限って存在感アピールが凄まじく、現場に来ないのに諸々のリアクションを求めるという、非常に嫌われるタイプだ。


 申し訳ないが、これはただの「自称・ファン」で「他称・その他大勢(ただのフォロワー)」でしかない。行動をしないけれど認知がほしい彼らのXのリプ欄は、高確率で地獄。毎日何人ものセクシー女優に対する声掛けや「おはよう!今日も一日頑張ろう♡」という意味のない挨拶を大量リプ。承認欲求も変な方向へ走るとモンスターと化す、というのがよく分かる例だ。

「最も当てはまってはならないタイプ」なので、応援するなら少額でもお金を落とすか、多少なりとも行動へ移すべきである。

 深掘りするともっと細かいタイプに分けられるけれど、一応大まかに分析するとこんな感じだ。当てはまっていいもの・悪いものとハッキリ分類できるため、推し活をする予定の人、沼にハマりかけの人ほど、この記事を熟読してほしい。

 ファンの心理は単純なようで複雑……。声援のぶんだけ演者は応えるべきだし、ファンもファンで気をつけなければならない部分がある。実は不安定なバランスの中で需要と供給を成り立たせるからこそ「推し活文化は面白い」と私なんかは思ってしまうのだ。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。
ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
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