草野さんといえば、2006年、未成年飲酒疑惑が週刊誌で報じられ、芸能活動を自粛した。今回は本人を直撃し、“その後”の活動に迫る。(記事は全2回の2回目)
週刊誌報道で「終わった」という言葉しか出てこなくて…
“未成年飲酒疑惑”が週刊誌に報じられてしまったのだ。草野さんは呆然とした。
「当時の心境を言語化することが今も難しいくらい、もう『終わった』という言葉しか出てこなかったです。事務所からは事前に週刊誌に出てしまうことは告げられていました。
どういう経緯で、誰が売ったとかもわかりませんが、『何のことだろう?』程度にしか思っていなかったです。ただ、少し前に他のメンバーも同じ理由で謹慎処分になっていたので、僕も1発で謹慎です。グループにも迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ないと猛省しました」
大学の友人や家族の言葉に救われた
「逃げ出したって思われたくないし、自分の巻いたタネだから向き合うしかない。だから普通に大学で勉強していました。大学に行くことで、現在も仲の良い友達ができて、当時はかなり彼らに助けてもらいましたね。
また、家族の支えも大きかったという。
「親から見たら僕はアイドルでもなんでもなく、ただの息子なんですよ。それまではずっと忙しくて、中学・高校って家族旅行も行けなくて、家族の思い出が全然なかった。
もちろん、謹慎はいいことではなかったけど、それを家族は責めることなく、『一緒に過ごせるいい時間になったね』と言ってくれて、すごく救われました」
舞台復帰するも20歳で事務所を退所
「2007年、少年隊さんの舞台を僕の禊の場として用意してくれたんです。表に出るのが久しぶりで不安でしたが、今の自分にできる精一杯のことをやろうと思いました」
舞台が無事に終わり、事務所のスタッフからは「今後どうしていきたい?」と問われた。
そこで草野さんが出した答えは、“退所”することだった。
「僕の中で、大学での2年間って、すっごく大切な時間になっていて。そこで考えることがたくさんありました。20歳を迎えて、もう自分は成人なのかって。
早くからアイドルとしてたくさんの良い経験をさせてもらって、でも、もっと視野を広げて、色々なことを経験したいなって思ったんです。20歳で退所を決めました」
単身ニューヨークに留学
「留学先のパンフレットを集めるところから全て1人でやりました。学校を選んで、寮を選んで。
あ、ニューヨークに着いた初日、タイムズスクエアに撮影中のウィル・スミスがいました(笑)。僕の通っていた学校がタイムズスクエアの近くだったんですけど、授業中に学校の目の前の道路にいきなり黒塗りの車が8台とかきて、一区間封鎖されたんですよ。“何事?”って思ったら、オバマさんが出てきて、学校のハンバーガー屋に行ってたなんてこともありました(笑)」
音楽活動や役者として舞台にも挑戦
「学生生活のあとは、特に芸能活動はやるつもりがなかったので、もともとお客さんとして通っていたバーでバイトをしたり、自由に過ごしていました。友人経由で『音楽やらないの?』と聞かれて、23歳か24歳の頃に音楽活動を再開させました。ソロとしてもやっていたけど、人の繋がりでバンドも始めたり、僕はやっぱり音楽が好きなんですよね」
草野さんは音楽活動を続けながら、役者としても様々な舞台に挑戦している。
「もともと音楽は好きだったけど、芝居は苦手だったんですよ……」
そう語る草野さんだが、「バンドでやっている楽曲を舞台で使いたい」というオファーがあり、そこから「ゲストとして出てみませんか?」と声がかかったんだとか。
「ODACという座組の『おおばかもの』という舞台なのですが、最初の感想は、また芝居か……ですね(笑)。当初あまり乗り気ではなかったけど、周りが『やってみたら?』と言ってくれたので、客観的な意見は聞くべきかなと思ってOKしたんですよ。そしたら“芝居って面白いな!”って意識が変わって。
今度は、その続編で『主演で舞台に立ちませんか?』というオファーをいただきまして。
「僕の活動が誰かの希望になれば…」
「まず個人として思うのが、日本って超いい国! 海外旅行が大好きでよく行きますが、そのたびに日本って治安が良くて、住みやすくて恵まれた国だなって思います。なので、日本に住んでいることを幸せに思ったほうがいいですね。
その前提のうえで、人生いろいろあるけれど、生きていればいいことが絶対にあるし、生きていれば助けてくれる人がいる。コロナ禍以降は、みずから命を落としてしまう人が目立つのですが、命は大切にしてほしい、どんな小さなことでも良いから希望を捨てないでほしい。たとえば、今日の帰りにスタバ行こうとか、寝る前にラーメン食べちゃおうとか。あとは僕の主演舞台を観に行くまで頑張るとかね!(笑)。
僕も10代で本当に色々あって、今は37歳で、一般的にはいい歳じゃないですか。同年代は結婚して子供がうまれたり、仕事では出世、あるいは最後の転職の時期だとか。そういうなかで、夜中にふと負の感情で頭がいっぱいになることもありますよ。
失敗も後悔もあるけど、今こうして生きていて好きなことをやっているので、そんな僕の姿が誰かの希望になれば嬉しいですね」
——挫折も経験し、それでも笑って前に進む草野さん。その姿に救われる人は、今後もきっと増えていくはずだ。
<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/長谷英史>
―[草野博紀]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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