嵐は「出場辞退」報道、起死回生の一手は残されているか?
紅組に比べて1組少ないことから、白組でのサプライズがウワサされています。サザン、矢沢永吉らの名前が取り沙汰される中、嵐が出演しないと報道されました。
大晦日まであとわずか。NHKに起死回生の一手は残されているのでしょうか?
近年は取っておきのアーティストを最後まで隠しておく演出が恒例になりました。去年のB’zも記憶に新しいところです。
こうしたサプライズが常態化したために、視聴者は「またか」と飽き、先に出場が決まっているアーティストの価値が低くなるのではないかと懸念する声があるのも事実です。
アーティストにもグレードがあることは否定できないので、扱いに差が出るのは仕方ないところなのですが。
しかし、大物をあえて特別扱いすることで盛り上げる手法にも限界が来ています。
“後出し”サプライズ演出に限界が来ている理由
ひとつには、一通り大御所が出尽くしてしまったこと。誰もが知っているミリオンアーティストは、みんな出演済みになってしまいました。“あの○○が!!”と、驚いてくれなくなったのです。それでも大物にこだわるなら、何人かで持ち歌をシャッフルするとかすれば、多少は盛り上がるかもしれません。
そしてもうひとつは、新しい世代で「大物」的な雰囲気を持つアーティストが極めて少ないことです。
確かにみなレベル、クオリティ共に高い音楽なのだけど、ステージに出て、その場が収まるという説得力は、桑田佳祐や矢沢永吉には遠く及びません。
これは昨今の音楽シーンが、憧れや偉大さよりも、親しみやすさと共感を重視することと関係しています。
ファンやリスナーの理解できる範囲での魅力こそが、人気獲得への近道だからです。
共感重視が奪った「特別感」
音楽番組の演出もそれを物語っています。たとえば、画面右上に「恋や仕事に頑張る人たちの背中を押す歌詞に注目」みたいなテロップが出る状況では、“大物”など生まれるはずもないのです。
アーティストとファンの距離が近すぎることは、音楽から特別なオーラを失わせます。
行きすぎたカスタマーファーストによって、音楽シーンは人材難に陥っているわけです。
紅白が直面する“行き詰まり”
古い世代は使いきり、新しい世代はそもそもそのように育てられていない。これが、いまの紅白が見舞われている困難の正体です。
以上の観点から、近年の紅白が頼りにしてきた大物のサプライズ出演は、限界に達したと言えるでしょう。
インフラ崩壊は、こういう形でも露呈するのです。
文/石黒隆之
【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。
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