1880年のイギリスでの吸血鬼との戦いからはじまり、現代のハワイで富豪になる夢を抱く少年までーー長いジョースター家の歴史を描いた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。その中でも『イクサガミ』の原作者・今村翔吾も同作を執筆する際に参考にしたと語る第7部「スティール・ボール・ラン」のアニメが2026年にNetflixで配信される。
第7部「スティール・ボール・ラン」あらすじは…
19世紀末のアメリカ。蒸気機関車が大陸を横断した時代に、大富豪スティーブン・スティールたちが大陸横断レースを開催する。天才騎手だったが、下半身不随になって引退を余儀なくされた主人公のジョニィ・ジョースターは、“鉄球の回転エネルギー”を操るジャイロ・ツェペリと出会い、生きる希望を見出してレースに参加することを決める。様々なバックボーンを抱える騎手たちが参加し、レースが盛り上がりを見せる中、その裏では大きな陰謀が動いていた……。これまでの『ジョジョの奇妙な冒険』とは一味違う新しい物語
第1部「ファントムブラッド」から第6部「ストーン・オーシャン」までの物語は、主人公たちジョースター家と宿敵のDIOの因縁を描いてきた。しかし、第6部「ストーン・オーシャン」で敵のスタンドであるメイド・イン・ヘブンの能力で時間が加速してしまい、宇宙は一度終わり、新しく生まれ変わる。それにより、世界は一巡し、第6部「ストーン・オーシャン」までの設定とは異なった新しい『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズがはじまった。これまでの『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズでは、勧善懲悪の要素が強かったが、第7部「スティール・ボール・ラン」ではそれぞれのキャラクターが正義や目的を持ち、ときにはエゴがぶつかり合う人間ドラマが描かれる。それは主人公のジョニィ・ジョースターも例外ではなく、彼も善人とは言い難い側面を持つ人物として描写されている。
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの全体のテーマとしてあるのが“人間賛歌”であり、それを象徴するのが正義の中にある輝きや、恐怖を克服する勇気を意味している“黄金の精神”である。それに対し、第7部「スティール・ボール・ラン」でジョニィ・ジョースターが持つとされるのが、目的達成のためならば殺人も厭わない“漆黒の意志”である。
“荒木飛呂彦イズム”が爆発した展開
ダイナミックな表現や壮大な物語で高い評価を獲得している第7部「スティール・ボール・ラン」だが、初心者にはわかりにくい要素もある。第1部「ファントムブラッド」から第6部「ストーン・オーシャン」まで続いてきた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズだが、第6部「ストーン・オーシャン」のラストで時間の加速により、世界が新しく生まれ変わってしまう。
パラレルワールドとはいえ、既存の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズと完全に異なる世界になったわけではない。設定こそ違うが、ジョースター家が存在する、因縁の相手であるDIOに相当するキャラクターのディエゴ・ブランドーが登場するなど、第1部「ファントムブラッド」から第6部「ストーン・オーシャン」の要素も残している。
複雑化したスタンドバトル
超能力を擬人化し、そのヴィジョンが殴り合う、まさに画期的な発明をした荒木飛呂彦。能力バトルの元祖とも言える『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズだが、はじめてスタンドが登場した第3部「スターダストクルセイダース」以降、スタンドの能力は複雑なものになっていく傾向が強く、第7部「スティール・ボール・ラン」でのスタンドは、はじめてだと理解しにくい能力も多い。また、定番だった高速での殴り合い、通称ラッシュも第7部「スティール・ボール・ラン」ではあまり登場しない。前述の通り、勧善懲悪のような展開とはことなり、第7部「スティール・ボール・ラン」はそれぞれが目的のもと動くため、自分なりの正義を掲げるキャラクターもいる。また、主人公のジョニィ・ジョースターは“漆黒の意志”を持つキャラクターであるため、ときに主人公のほうが悪のように見えるときもある。
「スティール・ボール・ラン」から入るのもアリ?
初心者にはわかりにくいところもある第7部「スティール・ボール・ラン」だが、連載当初は『ジョジョの奇妙な冒険』とは銘打たれておらず、第1巻で実質的に『ジョジョの奇妙な冒険』第7部であると公言した。これは新規読者のためでもあるとされているため、ここから『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに入るのも悪くない。第7部「スティール・ボール・ラン」に登場するキャラクターについては、荒木飛呂彦は「かつての登場人物の先祖であるか、あるいはパラレルワールドの存在と考えて欲しい」としている。そのため、第7部「スティール・ボール・ラン」をこれまでの『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズから独立した作品として鑑賞し、その後、好きなキャラクターが出来たら“一巡前のキャラクター”が登場するエピソードを観るなんて楽しみ方もできる。
複雑なスタンドバトルも、このような特殊な状況をどのように切り抜けるかという推理もののような楽しみ方ができる。複雑なスタンド能力のルールの穴を探し、そこをどのようにつくのかを考察しながら観るのも『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの楽しみの一つだ。
人間のエゴとエゴがぶつかり合い、アメリカ横断レースを舞台に何が起きるのか。アニメ化にあたり、スタンドがどのように表現されるのか。「ジョジョ」ファンも、「ジョジョ」初心者も、これを機に『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのアニメを観始めるのはいかがだろうか。
<TEXT/鯨ヶ岬勇士>
【鯨ヶ岬勇士】
映画・ドラマ・アニメをメインとするフリーライター。エンタメ作品の取り巻く社会情勢や政治問題なども幅広く取り扱う。得意領域は特撮、アメコミ、ホラーなどエンターテインメント業界。X:@Sleeped_Beowulf
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