「僕が見たかった青空」、2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルとして結成したアイドルグループ(通称:僕青)だ。
同グループはセカンドシングル以降、シングル選抜システムを採用。
この連載「あの日夢見た雲組」は、12月17日リリースの7枚目シングル「あれはフェアリー」で構成された雲組単独公演のライブとともに、雲組で切磋琢磨するメンバーに注目していく。
新たな雲組の顔として決意と不安
「6枚目シングルから雲組メンバーが10人に減ってしまって、ファンの方もどうなるんだろうと不安を感じていたと思うんです。だから、新体制の雲組に期待してもらえるようなパフォーマンスをしたいと全員でレッスンを重ねていました」
「その日、喉の調子が悪くて……。他のメンバーの足を引っ張ってしまうと思って怖くなってしまったんです。私の異変に気づいたマネージャーさんが『いつもと違うけど、どうした?』と声を掛けてくれました。話せたことで気持ちが落ち着いて、とにかく今できることを最大限やろうと。公演中のMCで詰まった声になってしまったときは他のメンバーが面白くイジってくれたり、内容が聞こえづらかった部分は補足してくれたり、サポートしてくれました」
目標は「毎公演で1つでも成長を感じてもらう」
7枚目シングル期間では、「毎公演で1つでも成長を感じてもらう場面を作ること」を目標に掲げた。雲組単独公演#23では、スタートからMCを挟まずに11曲連続で披露するという雲組にとっての初挑戦があった。「私のダンスにはキレが足りないと感じていたので、とくに意識してパフォーマンスしていました」。
「僕青の楽曲のなかで『残り時間』が1番好きなので、それを雲組公演で踊れることも嬉しかったですし、どちらの公演も11曲を飽きさせずに魅せるのかはレッスンでも重点に置いていたので。ライブ後のお見送り会では『いつもより表情に迫力があって、ダンスのキレもよかった!』と言ってくださるファンの方も多かったです。自分でライブ映像を見返すと、『もっとこうすればよかった』と改善点ばかりを見つけてしまうので、前向きな気持ちで公演を終えることができました」
芸能界への背中を押してくれた推しの存在
北海道出身の工藤は13歳で僕愛に加入。グループでは八重樫美伊咲、木下藍とともに“年少トリオ”として知られる。そんな彼女の地元は冬になると、通学するのもひと苦労だったそうだ。
アイドルになる前もクラスメイトから注目されるマドンナ。かと思いきや、本人は「ほとんど女の子としか話していなかったので、全然そういうタイプじゃなかったです」と首を横に振った。芸能界に最初に興味を持ったのは、読者モデル。家族のサポートを受けながら雑誌のオーディションやコンテストなどに挑戦したが、結果は振るわなかった。そのなかで見つけたのが、僕青のオーディション。背中を押したのは推しの存在だ。
念願の雑誌モデルと生まれた苦しさ
北海道から上京してからは初めのひとり暮らしに加えて、レッスンと学業の両立が始まる。娘が寂しくならないように、一日に何度も母親がビデオ通話をしてサポートした。そんな親の愛情に加えて、理想のアイドル像に出会えたことも彼女の希望となった。
‘24年4月にはティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」の専属モデルに合格。念願だった雑誌モデルの夢を叶えたはずだったのに、それが彼女を苦しめる悩みになった。工藤は選抜制が始まったセカンドシングルから5枚目シングルまで青空組にいたが、「ニコラのモデルだから青空組(選抜)に優遇されている」という批判だ。
「モデルの仕事が始まってから、そういう言葉が自然と目に入ってきてしまうことが多くて、勝手にネガティブに捉えて落ち込んでしまうこともありました。6枚目シングルで雲組に移動してからたくさん考えて、どうしたら『工藤唯愛は青空組に必要だ』と納得してもらえる自分になれるのか。本当に、本当に、模索しながら自分なりの答えを今も探しています」
自分に足りないところを雲組で向き合いたい
6枚目シングルの「超雲組公演 HYPER」。ひとりでMCコーナーを任された彼女は、声を震わせてありのままの気持ちすべてを吐き出した。
彼女を温かく見守っているのは、ファンだけではない。雲組のメンバーもそうだ。
アイドルの自分を忘れられる時間
また最近では、息抜きにメンバーと出掛けたりしながらリフレッシュする時間も増えたという。彼女がアイドルの自分を忘れられるときはどんな瞬間だろうか。「編み物とお菓子作りが小学生から好きなんですけど、ずっと続けていることなので没頭できている時間だなって思います。
【工藤唯愛(くどう ゆあ)】
2009年、北海道生まれ。2023年6月15日に結成したアイドルグループ「僕が見たかった青空」(通称「僕青」)のメンバー。サラサラなロングヘアがチャームポイントで、2024年5月号より、ニコラ専属モデルに。7枚目シングル「あれはフェアリー」が発売中。「僕が見たかった青空 雲組単独公演 #25」が、2026年1月12日(月・祝)Yogibo META VALLEY(大阪)、2026年1月14日(水)SHIBUYA PLEASURE PLEASURE(東京)、1月24日(土)NAGOYA JAMMIN(愛知)で、翌2月11日(水・祝)には「僕が見たかった青空 超雲組公演 でらっくす」が大手町三井ホールにて開催決定! また、「僕が見たかった青空」としては3月29日(日)KANDA SQUARE HALL(東京)を皮切りに、6都市を回る全国ツアーや、6月20日(土)には河口湖ステラシアターにて「結成3周年記念 僕が観たかった『青空野外』ライブ2026」の開催も決定した。最新情報は公式HPをチェック
<取材・文/吉岡 俊 撮影/山川修一(扶桑社)、星 亘(扶桑社)>
―[あの日夢見た雲組]―
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