今回は、両チェーンを比較すべく、どちらの店舗にも足を運び、ラーメン、餃子、チャーハンというオーソドックスなメニューを注文。味・量・コスパの3点を軸に検証してみた。
日高屋に“殴り込み”をかける餃子の王将
駅前など好立地な場所の店舗が多いことも特徴で、神田正会長も公言しているように、費用をかけた綿密な調査に基づき出店場所を選定するマクドナルドや吉野家など大手外食チェーンの店舗近隣に出店することで、調査の手間を省いて効率的に「客が集まる場所」を選定。コバンザメ戦略とも呼ばれている。メニュー構成としては低価格でシンプルな味付けの料理がメインとなっている。
そんな関東を牙城とする日高屋に“殴り込み”をかけるかたちになるのが「餃子の王将」だ。関西発祥の餃子の王将は全国に726店舗(25年3月末現在)を展開しているが、その半数近くが関西に集中。関東1都6県に限定すると190店舗であり、日高屋の2分の1以下。関東在住の人のなかには「近くに日高屋はあるけど、餃子の王将はない」と感じる人も少なくないかもしれない。
ちなみに日高屋の1号店開業は2002年(創業者の神田会長が「来々軒」を開業したのは1973年)、餃子の王将は1967年となっており、現行チェーンの歴史としては餃子の王将のほうが長いということになる。
王将のおすすめは日によって違う
注文は最近増えているタッチパネル端末方式やスマートフォンでQRを読み込むセルフオーダー方式ではなく、テーブルに備え付けのメニュー表を見て、店員を呼んで口頭で注文を伝えるという形態。「炒飯」(693円/税込、以下同)、ラーメン類のなかではもっとも低価格の「忘れられない中華そば」(748円)、「餃子」(363円)を注文した。ちなみにメニュー表には英語版と中国語版のメニューをスマホに表示させるためのQRコードが書かれており、インバウンド対策にもしっかり注力している様子がうかがえた。
看板メニューの餃子はさすがの仕上がり
注文から10分ほどたつと、まず中華スープがついた「炒飯」が、その2分後くらいに残りの2品が届いた。「炒飯」はベットリ感がまったくなく、米は“ほぼパラパラ”という出来上がりで、口の中でお米一粒一粒が際立ち、油と調味料が満遍なく行き渡っていて本格的な炒飯の食感を感じることができた。塩味ベースの味付けがしっかりとムラなく施されていた。また、焼豚も丹念に味付けされており、噛むと旨味が広がり、卵とネギの量も十分だった。「餃子」は6個入りで、餃子の王将の看板メニューだけあり、口に入れると中からアツアツの肉汁と豚肉・にんにくの風味がジュワーと口の中に広がり、キャベツとニラのシャキシャキ感も楽しめる。ちなみにテーブルには「餃子のタレ」「酢」「ラー油」「セレクトスパイス」が備え付けられており、醤油とマジックパウダーを利用したい場合は店員に伝えるシステムになっていた。
「忘れられない中華そば」は魚介出汁にネギ油、醤油ベースという組み合わせで、炭火焼きの焼豚が4枚、メンマ、なると、ネギ、のりが乗っており、濃厚なスープは醤油に魚介と油の風味がブレンドされていた。くどくないほどに“こってり感”があり、本格的なラーメン店のスープにも引けを取らないレベル。
注文が入るたびに店員がマイクでオーダーを読み上げて厨房に伝えるシステムになっており、店内の活気醸成や、他の客に「レバニラ炒めもあるのか」などと気づかせて追加注文を促す効果などが期待できる。店員同士が声をかけ合ったり、時折、一言二言会話を交わして笑顔を見せる場面などもみられ、店員同士のコミュニケーションやチームワークの円滑さが伝わってきた。
提供時間は日高屋のほうが早い
さっそくタッチパネル端末でラーメン類のなかでもっとも低価格の「中華そば」(420円)、「チャーハン」(530円)、「餃子」(330円)を注文。3分後には「中華そば」が、その2分後には「チャーハン」と「餃子」が届いた。店内は同じく平日の夕方に訪れた餃子の王将よりも混雑していたが、注文から提供までの待ち時間は明らかに日高屋のほうが短かった。
今の時代に「中華そば420円」は破格
「炒飯」はパラパラ感は薄く、炊飯ジャーに入っていたご飯をフライパンで焼いたという味わいで、どちらかというと「焼き飯」という仕上がりであり、食べる人によってはベタっとした食感を感じるかもしれない。味付けは餃子の王将と比べると薄味で、醤油のような味が薄くつけられていた。卵やネギの量は餃子の王将よりやや少ないが、大きな違いは肉が鶏肉である点。「チャーハンは焼豚」というこだわりがある人にとっては、留意すべきポイントといえる。ボリュームは餃子の王将とほぼ同じだが、価格は約160円も安いことを踏まえれば、どちらかに甲乙をつけるのは難しい。とはいえ、530円でチャーハンをしっかり食べられるというのは大きな魅力といえるだろう。
「中華そば」は良い意味で普通かつシンプルな醤油ベースであり、スープは澄んだ色で、餃子の王将の「忘れられない中華そば」とは対照的に“こってり感”や“脂感”は少ない。チャーシューは餃子の王将が4枚なのに対し1枚で、ネギとメンマの量は餃子の王将よりもやや少なく、なるとは乗せられていなかった。麺は餃子の王将と比較してコシがあるように感じたが、特にスープは同じ醤油ベースながら餃子の王将とは対照的ゆえに、食べる人の好みによって評価は分かれるだろう。
トッピングのボリュームなども含めると、食べ応えという点では餃子の王将のほうに軍配が上がるかもしれない。一方、日高屋のほうが税込みで300円以上も安く、物価高の今の時代に420円でこのレベルのクオリティのラーメンを提供しているというのは、非常に良心的だと評価できる。
「餃子」は餃子の王将と同じく6個入りでほぼ同じ価格だが、餃子の王将のような肉汁が溢れ出てくるような食感は薄く、中の餡はややパサつき感を感じた。
価格は日高屋のほうが圧倒的に安いが…
3品トータルで比較すると、まずボリュームの面ではラーメンは餃子の王将のほうがトッピングの量が多く、餃子とチャーハンはほぼ同じ。そして味の面では、あくまで個人的な感想として、餃子の王将のほうが“本格的な中華料理”に近いと感じた。一方で会計金額を比べると、餃子の王将が1804円なのに対し、日高屋は1230円と574円も安い。よって、日高屋のチャーハン1品分の差があることになり、コスパという面では日高屋に軍配が上がるといえる。いずれにしても、両チェーンとも安くて美味しい中華料理をお腹いっぱい食べられる点には変わりなく、まさに“庶民の味方”であることは間違いない。
<TEXT/山田浩二>
【山田浩二】
飲食チェーンや学習塾、小売り企業を経てIT企業でシステム開発業務に従事。
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