新宿で行われた飲み会が、終電前に終わった。
長年の大酒飲みがたたり、医師から飲酒を禁じられている筆者は、コーラをがぶがぶと飲んでいた。
だが、提供された食事が少なかったせいか、なんだか物足りない。アルコールを摂取していないため、グルタミン酸やイノシン酸を欲しているわけではないが、なぜか「〆のラーメン」を食べたくなった。

しかし、終電間際の新宿駅周辺には、案外開いているラーメン屋が少ない。歌舞伎町まで足を伸ばせばいろいろあるのかもしれないが、今さらそこまで行く気力もない。

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「...の画像はこちら >>

ラーメン屋だと思って入ったら…

そんな中、かつて百果園があった場所に「全国の名店ラーメンを月替わりで提供する」というコンセプトの店を発見。店内はラーメン屋台が並ぶ横丁風のインテリアだ。ラーメンは1杯1000円前後とのことなので、入ってみることにした。

「うちはラーメン屋ではなく居酒屋なので、ワンドリンクとお通し代をいただきます」

扉を開けるなり、ヤンキー風の店員にそう言われた。コーラかウーロン茶なら頼んでもいいけど、お通し代は?

「400円になります」

いやいやいや……。なぜ、ラーメンの半分近くの値段をチャージとして払わなければいけないのか。さすがに高すぎるので、慌てて店を出た。

新宿駅周辺は壱角家が多い

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「壱角家2000円爆食い」で壊れた夜。トッピングフル活用で「QOLと血糖値が爆上がりした」
壱角家。この店構え、繁華街でよく見かけるのではないか ※写真はスカイツリー店
仕方がないので、また駅周辺でラーメン屋を探す。そうやってうろうろしているうちに気づいたのは、「やたらと壱角家が多い」ということだ。

壱角家とは、新宿や渋谷など、都内の主要エリアに店舗を構える横浜家系ラーメンのチェーン店である。
首都圏限定かと思いきや、調べてみると全国チェーンらしい。

そういえば、筆者の住む吉祥寺駅には、北口と南口の両方に壱角家ができていた。きっとファンも多いのだろう。しかも、深夜まで営業しているのはありがたい。そこで今回はここで、2000円分食べてみよう。

温玉油そばとすためし、それぞれ大盛を注文

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「壱角家2000円爆食い」で壊れた夜。トッピングフル活用で「QOLと血糖値が爆上がりした」
温玉油そば・大(1010円)とすためし・大(920円)
散々大量の飯を食ってきて、いまさら何を言うかと思われるかもしれないが、筆者は味の濃いラーメンが好きではない。学生時代はキャンパスの近くに人気の二郎系があったが、みんなが熱中するほどにはハマれなかった。

家系ラーメンもそれほど好きではないが、たらふく飲んだ飲み会のあとに食べる壱角家のラーメンは、美味しかったことを覚えている。

しかし、もう年齢も年齢だ。いまさら家系ラーメンの濃いスープは飲めない。

そこで、2番人気の油そばを頼むことにした。でも、それだけだと油味が足りない……。ついでに、セットではなく単品ですためしも頼もう。


ということで、温玉油そば・大(1010円)とすためし・大(920円)、合計で1930円分を注文。「なにが年齢だ」とは言わないでほしい。

「ラーメンも丼ものも食べるなんて……」と思われるかもしれないが、「ラーメン・ライス」と考えれば、そこまで変な話ではない。問題は両方とも「大」ということだが……。本当はさらに粉チーズも入った温玉チーズ油そばにしたかったが、2000円を超えるので我慢した。

おろしニンニクとマヨネーズを…

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「壱角家2000円爆食い」で壊れた夜。トッピングフル活用で「QOLと血糖値が爆上がりした」
マヨネーズと黒酢。筆者は味変というか、味付けに使用
壱角家のありがたいところは、マヨネーズと黒酢を無料トッピングとして提供してもらえるということだろう。

太っている人はだいたいマヨネーズが好きだが、筆者も白ごはんにかけて食べられるくらい好きだ。かつて、目玉焼きは塩か醤油で迷っていたが、最近はマヨネーズ一択だ。

そして、すためしにはやはり、マヨネーズが合う。茹でる時間などもあるため、順番的に先にすためしが提供されるのだが、丼の上で卵を割れば、もうあとは明日のことを考えないくらい卓上のおろしニンニクをぶち込み、その上にマヨネーズをかける。

「マヨネーズ味になるのでは?」と思われるかもしれないが、案外すためしも味は濃いので、いい感じに混ざり合う。マヨネーズの酸味と食感、そしてすためしの塩辛いタレがクセになる。アタマの肉とネギは鉄板で焼きたてというのも高得点だ。


ただ、このマヨネーズはすためし用ではない。油そばのトッピングなのだ。本来、油そばには黒酢と卓上の酢やラー油を入れて酸味を足すのだが、それよりも壱角家の油そばにはマヨネーズが合う。程よい麺の弾力でマヨネーズを噛みしめるごとにIQは下がるが、QOLと血糖値は爆上がりする。

そもそも油そばがどんな味なのか知らない

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「壱角家2000円爆食い」で壊れた夜。トッピングフル活用で「QOLと血糖値が爆上がりした」
たしかに、この有様では本来の味がわからないだろう…
でも、このままではなんだか相当不健康な気がする……。そこで、卓上の玉ねぎを5回は入れよう。ただ、入れすぎて苦くなるので、そのうえにさらにマヨネーズを足す。あと、免疫力向上を期待して、しょうがとニンニクも追加する。

本来、油そばは混ぜるとどんな色になるのか知らないが、筆者特製の油そばは一面真っ白である。そもそも油そばがどんな味なのか知らない。

ちなみに、油そばは最後に残ったタレと少量のごはんを足して食べるのが一般的だが、筆者の場合は、たぶんすべてのタレが玉ねぎに吸収されているようで、麺を食べ終わったら、最後に甘みはあるがだいぶ苦い玉ねぎを噛みしめていく。

すると、これだけジャンクな食べ方をしたのに、なんだか血液サラサラになった気がするのだ。
いつか自分が親になったら、子どもにこの食べ方を伝授してあげたい……。

終電前の新宿でラーメン難民に。“医師に酒を止められた”男が「壱角家2000円爆食い」で壊れた夜。トッピングフル活用で「QOLと血糖値が爆上がりした」
お世辞にも健康的とは言い難いセットであった
果たして、筆者は何歳まで生きられるのだろうか?

【今回の摂取カロリー:2200kcal】

<TEXT/千駄木雄大>

―[「チェーン飯」を2000円で爆食い]―

【千駄木雄大】
編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、「ARBAN」や「ギター・マガジン」(リットーミュージック)などで執筆活動中。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)がある
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