そんなジャングリア沖縄だが、開業から数カ月が経過した今、SNS上には人気(ひとけ)がなく閑散としたパーク内の一部エリアの映像や画像とともに「ガラガラ」「アトラクションが少ない」「公園レベル」といった声が相次ぐ事態に。一方で「満足した」とプラスの評価も数多くみられるが、実際には現在の“客の入り状況”はどのような状況なのか。運営元に取材した。
「総事業費約700億円」はTDLやUSJの半額以下
沖縄県内初の本格的なテーマパークとなったジャングリア沖縄は、USJ復活の立役者として知られる著名マーケター・森岡毅氏が全体の企画を統括。運営元のジャパンエンターテイメント(JE)の設立から数えると、実に7年もの時をかけて入念に進められた巨大プロジェクトだ。官民からの出資や借入などの資金集めもJEと森岡氏がゼロから行い、総事業費は約700億円。これは東京ディズニーランドやUSJ設立時の半額以下であり、運営元はジャングリア沖縄で蓄積したミドルクラス型テーマパークの経営モデルをアジアをはじめとする海外に輸出する計画を持つ。ちなみに政府系投資ファンド・クールジャパン機構からも80億円の出資を受けており、1月の記者会見には石破茂首相(当時)が出席するなど国も支援の姿勢を見せている。
「アトラクションの少なさ」が差別化ポイントに
先月15日には、直径約16メートルの円形マシンが回転する新たな大型絶叫アトラクション「やんばるトルネード」を2026年のゴールデンウィーク前後に導入すると発表。やはりテーマパークの目玉といえばバラエティ豊かなアトラクションだ。人気の「ダイナソー サファリ」をはじめとするアトラクションの数は約20であり、東京ディズニーランドの約40、USJの約30と比較すると少ない。その分、大自然を体感できるのが魅力であり、その点が都市型テーマパークである東京ディズニーランドやUSJとの大きな違いともなっている。いわば「アトラクションの少なさ」が国内の既存の大規模テーマパークに対する差別化ポイントになっている。
課題だった“宿泊施設問題”はどうなった?
開業前から懸念材料の一つとして指摘されてきたのが、那覇空港から車で2時間~2時間半かかるというロケーションだ。敷地は沖縄県北部の名護市と今帰仁村にまたがるかたちで広がっており、近くには年間300万人以上の来場者数を誇る「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」があるものの、県北部は那覇市のホテルなどに宿泊して日帰りで訪れる観光客が多く、経済効果が限定的とされてきた。ジャングリア沖縄には「オリエンタル 沖縄リゾート&スパ」など4つの公式パートナー・ホテルがあるものの、車で30分前後の距離があり、東京ディズニーリゾートに隣接する直営ホテルのような大規模な宿泊施設が付近にない点も当初は課題とされてきた。もっとも、7月以降は「リットホテル今帰仁」をはじめ今帰仁村や名護市で新たにホテルが相次いで開業しているため、宿泊面での課題は徐々に解消されそうだ。
今の段階で、評価を下すのは早計
また、交通アクセス面については、JEは那覇市や本部町、名護市などとパークを結ぶバスを毎日、計50便以上運行。車で来る客向けには、パーク内に2000円(事前予約制)の駐車場を設けているのに加え、パークから約10分の場所に提携する駐車場も用意している。「開業してまだ4カ月しかたっていない今の段階で、評価を下すのは早計。仮にパーク内が混雑していないからといって、それがイコール失敗とはならないし、家族連れにとっては混雑してぎゅうぎゅう詰めの状態より、自然のなかを子どもが思いっきり走り回れるパークのほうが、よほど嬉しいかもしれない。そもそもコンセプトとして自然との共生をテーマとするパークなので、多数の大がかりなアトラクションやショーをウリとするディズニーリゾートやUSJとは根本的に異なる。よって、両者のようなパークをイメージして行くと、期待外れだと感じてしまうだろう。
ディズニーリゾートやUSJの強みは、遠方に住んでいても『また行きたい』と思って何度も通うリピーターが数多くついているという点。ジャングリア沖縄がそのようなリピーターを多く獲得できるかが、将来の成否を分けるカギとなってくる」(不動産ディベロッパー社員)
混雑は緩和されつつあり、待ち時間も大幅に短縮
そんなジャングリア沖縄をめぐって11月頃からSNSで広がっているのが、前述のようなパーク内が閑散として「ガラガラ」だという声だ。開業当初は長い待ち時間の発生などで混雑する様子がニュースにも取り上げられていたが、運営元は来場者数を公表していないため、現在の具体的な数字はわからない。沖縄は例年11~2月頃はオフシーズンで観光客が減る傾向にあるため、運営元としては想定の範囲内だという可能性もある。そこで、“客の入り状況”などについて運営元のJEに取材した。「ジャングリア沖縄は、世界自然遺産『やんばる』を擁する沖縄北部に位置し、約60ha(東京ドーム13個分)の非常に広大な土地に広がる、自然に囲まれた興奮と贅沢を味わう南国リゾートとしてお楽しみいただけるテーマパークです。今年7月のオープン当初は、夏休みとオープン特需が重なって大変反響をいただき、一部アトラクションで待ち時間が大幅に長くなるなどし、ご不満の声もいただきました。現在は、沖縄旅行自体のオフシーズンでもありますので、夏休みなどの最繁忙期に比べると、入場制限などを実施しなくてもよいレベルでやや混雑は緩和されています。
オフシーズンの今、過ごしやすい沖縄の気候は、ベストシーズンともいえます。現在も一日数千人のお客様にご来場いただいておりますが、開業以来お客様の声を真摯に受け止め、アトラクション運営を中心に日々地道な改善を積み重ねてまいりました結果、人気のアトラクションについてはオペレーションの改善もあり、待ち時間が大幅に短縮しております。外部レビューや、自社調査でも満足度の評価が高まっており、ご来場のお客様には多くのアトラクションをお楽しみいただけていると思います。
ジャングリア沖縄は、おかげさまで 来年1月に開業から半年を迎えます。業績面でも、順調なスタートを進めており、開業前から計画していた、次なる進化に向けた追加投資(新しい大型アトラクション)も開業後の状況をみて予定通り実行することができました。こちらは来年GWごろをめどに開業しますが、その他の施設関連についても積極的な投資を続けていく予定です」
沖縄のみならず日本の観光産業の活性化、そして日本発テーマパークの海外展開のためにも、ジャングリア沖縄の成長が期待される。
<TEXT/山田浩二>
【山田浩二】
飲食チェーンや学習塾、小売り企業を経てIT企業でシステム開発業務に従事。現在はフリーのライターとして主に企業・ITなどのジャンルに関する取材・記事執筆を行っている。
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