高市首相の人気は、政権発足から2か月を経ても衰えを見せない。そのファッションや言動を真似る「サナ活」ブームが沸騰中だ。
これまで政治に無関心だった女性たちは、いかにして政治に目覚め、行動を始めたのか――。

首相のお膝元・奈良まで出向いて自民党に入党

高市首相を熱烈支持する女性たちの素顔とは?「政策よりも“イケ...の画像はこちら >>
 12月の世論調査(FNN)によれば、高市早苗内閣の支持率は75.9%と政権発足から3か月連続で高水準を維持している。

 SNSには首相の切り取り動画が溢れ、愛用のバッグやスーツが品薄になるほどの人気ぶり。今や大ブームの「サナ活」だが、高市首相を推す人々は、何がきっかけで政治に目覚めたのか。

「恥ずかしながら、これまで政治にはまったく興味がなかった。選挙に行っても、どうせ何も変わらない、って……」

 大阪府在住の主婦・サチさん(50代)は、そう振り返る。だが現在、彼女の胸には、日本を憂う愛国心が宿っている。転機は、ふと耳にした高市首相の演説だったという。

「真面目に働いている人が損をするような世の中ではいかんのです」――。

庶民感とシンプルな言葉に多くの女性が共感!?

高市首相を熱烈支持する女性たちの素顔とは?「政策よりも“イケイケの成長路線”を支持している」との声も
「外国人が増えて怖いのに、日本人はないがしろ……。今の政治はおかしい!」。サチさんにとっての「サナ活」は、単なる応援でも、推し活でもない。国を憂いて強い国家を目指し、日本の正義をただす政治活動そのものなのだ
 シンプルだが心に響く言葉が、平凡な主婦を目覚めさせたのだ。その後のサチさんの行動は早かった。

 ネットで政策を読み漁り、講演会に通い詰め、ついにはわざわざ奈良県の高市事務所を訪れて自民党員になった。彼女を突き動かすのは、日常生活で感じる不安だ。

「夜に散歩していると、外国人の集団とすれ違うことが増えました。
スーパーで万引するのを目撃したこともあります。差別するつもりはないけれど、ルールを守らない不法滞在者が増え、罪を犯した外国人が不可解な理由で不起訴になる現状には恐怖しかない。日本人が苦しんでいるのに、ないがしろにする政治はおかしい。おかしいことをおかしいと言ってくれるのは、日本で高市さんただ一人なんです!」

 サチさんはSNSで毎日、「#早苗あれば憂いなし」「#日本列島を強く豊かに」のハッシュタグで投稿を続けている。「ネトウヨ」と冷笑されることもあるが、意に介さない。

「私は正々堂々と高市さんを応援するだけ。現役世代に彼女の考えを知ってもらうチャンスになるなら、SNSも私なりの『サナ活』ですから」

 なぜ、「サナ活」が女性中心に広がったのか。メディアと社会運動の関係に詳しい成蹊大学の伊藤昌亮教授は、こう分析する。

「高市首相は外国人政策を掲げながらも、参政党のような過激さはなく、マイルドにうまく落とし込んでいる。政策では外国人の土地取得を規制する方針だが、メッセージでは小難しいことには触れず、端的に『あなたたち(日本人)の安全を守る』と言っている。外国人の犯罪が増えている事実はないが、男性より女性のほうが不安を抱きやすいもの。そんなところに勇ましい姉御肌の高市首相が登場したから、見事に刺さったのでしょう」

行かなかった選挙に「行く」と子供に誓う

高市首相を熱烈支持する女性たちの素顔とは?「政策よりも“イケイケの成長路線”を支持している」との声も
高市首相愛用のボールペン「ジェットストリーム4&1」を手にする山内さん。「高市さんは、私たちの生活が苦しいことをわかってくれている」。政治への当事者意識の大切さを、高市首相が気づかせてくれたそう
 都内在住の山内美香さん(仮名・32歳)はモラハラ浮気夫に苦しみながら、ワンオペで小学生の子供2人を育てている主婦。

 家事に忙殺されているが故に山内さんの日常は「毎日ギリギリ」で、政治は縁遠い「偉いおじさんたちの世界」というイメージだった。


 そんな彼女が“覚醒”したのは、息子の「総理大臣が代わったよ」という一言。テレビを見ると、自分の言葉で真摯に語る高市首相の姿があった。

「私たちの生活の苦しさを、ちゃんとわかってくれている気がしたんです。無理に優しい女性のように振る舞うわけでもなく、強がるわけでもない。親近感が湧きました」

 山内さんのサナ活に、政治の色は見て取れない。文具店を巡って首相愛用のボールペンを探したり、首相のメイクの変化を研究する程度。ただ、内面は劇的に変貌した。

「『忙しい』、『わからないから』と、政治に参加することを放棄していた自分に気づいたんです。物価が高騰しても、給食費が値上がりしても疑問に思わず受け入れてきた。でもそれじゃダメなんだって。意思表示をしないままじゃ断じていけない、と」

 目覚める前には目もくれなかった選挙も、「次は必ず投票する」と子供たちと約束した。

「大人が死ぬほど考えて選んだ結果がこの社会なんだよって、子供たちに胸を張って言えるようになりたいから」

「サナ活」現象の影には政策支持より“イケイケ”感

高市首相を熱烈支持する女性たちの素顔とは?「政策よりも“イケイケの成長路線”を支持している」との声も
「最初はコアファンが多かったが高市首相の活躍にあやかりたい、と参拝する方が急増。御朱印もよく出る」柳沢光春宮司
 サナ活ブームは意外な場所にも及んでいる。
奈良県橿原市の天高市神社だ。自民党総裁選以降、全国から「サナ活民」が押し寄せ、参拝客は昨年の4倍ほどに急増したという。

 高市首相とのゆかりはないが、「高市」がつくというだけで首相を熱烈に推す人々の聖地となっている。

 記者が訪れると、30~50代と見られる夫婦連れや女性たちが散見された。「サナ活」する友人と一緒に京都から来た篠田由美さん(仮名・40代)は穏やかにこう話した。

「物事をはっきり言うし、中国にも毅然とした態度を貫き通している。高市さんを見たくて国会中継をチェックするようになりました。寝ないで日本のために働いていると思うと、私も頑張らなきゃって」

 多くの女性の心を、高市首相がこうも捉えるのはなぜか。前出の伊藤氏はこう語る。

「大の阪神ファンの首相は、大阪のおばちゃんのような庶民感覚と本音で話すので、女性に響きやすい。それに、低成長が前提の今の日本で、『働いて(×4)まいります』とバブル期を彷彿させるほどエネルギッシュなので、元気を与えてくれるのでしょう。ただ、『サナ活』する女性は政策やイデオロギーを支持しているのではなく、女性首相が自分たち女性を肯定してくれるのをシンプルに歓迎し、イケイケの成長路線を支持しているのです」

 高市首相という存在が、多くの人の感情を動かしているのは確かだ。


高市首相を熱烈支持する女性たちの素顔とは?「政策よりも“イケイケの成長路線”を支持している」との声も
成蹊大学教授・伊藤昌亮氏
【成蹊大学教授・伊藤昌亮氏】
専門はメディア論、集合行動論。SNSと社会運動の関係を研究する。『炎上社会を考える』(中央公論新社)ほか著書多数

取材・文/齋藤武宏 取材・撮影/松嶋三郎 写真/産経ビジュアル

―[[サナ活]で覚醒した人々の主張]―
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