―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

就職氷河期世代はこれまでの人生においてさまざまな困難を乗り越えてきたわけだが、40-50代になって迎える新たな難問が「AI」だ。パソコンを使いこなせなかった上の世代がオフィスから消えていったように、AIも使えないと消えるしかないのか。
人生後半も過酷な彼らは、いかに生き抜いていくべきか? 同世代のひろゆき氏が考える。
ひろゆきが考えるAIの使い方。「どこまで任せるか」が超重要、...の画像はこちら >>

仕事を減らすために、AIや外注先を「補助役」で使う秘訣

 ’26年になっても人手不足は変わらないであろう日本。この問題に直面して「部下が足りない」と嘆く氷河期世代も多そうですが、社内の人に頼れないのだから、これからの時代は“外の人”に頼る、つまり業務を外注して回す力がどんどん必要になります。

 とはいえ、その外注先を見つけるのすら今は難しい。誰でもいいような仕事ならまだしも、高度な仕事をきちんとこなせる人を見つけるのは、実際にはかなりハードルが高いです。クラウドソーシングサービスやSNSで探すにせよ、優秀な人に当たる可能性はかなり低いのが実際です。

 そもそも優秀な人は、そういった人材市場に登録しなくても仕事があるわけで、「資格はあるけど現場経験はゼロ」みたいな人が圧倒的に多い。なので、外注先を探すときは「仕事ができる人が見つかるほうが珍しい」くらいの心づもりでいたほうがいいです。特に初めての人に頼む際には、「最悪、全部自分でやる」と思っていたほうがいいです。

悪用厳禁の「無料で働いてもらう」仕組み

 また、外注を使いたくても会社から「費用をかけるな」と止められることもあるでしょう。そうなると「無料で人を動かす裏技」みたいな邪道を探す人が出てきますが、今は下請法が取適法に改正されて訴訟リスクも出てくるので、避けるのがベターです。

 ただし、例外的にうまく成立する仕組みもあります。例えばユーチューブの登録者数を伸ばしたい場合、外注先に動画素材の二次利用を許可して、切り抜きチャンネルのように再生数で稼いで収益の一部を渡す構造にすれば、発注側に費用がかからないケースができ上がります。


 ほかにも、インフルエンサー養成講座で課題として動画編集をやらせる例もあったりします。ただし、この方法は生徒がタダ働きだと気づいた瞬間に炎上したりする危険性もあったりしますが……。

 それならAIに働かせればいいのでは?という話になるわけですが、AIに仕事を全部やらせるのはほぼ無理ですし、丸投げすると痛い目に遭います。プロンプトをいじくり倒して運がよければ当たることもありますが、実際には当たらないことのほうが多いし、そこまで時間をかけるなら人間が行ったほうが早いのが現実です。

 ただし、AIは補助ツールとして使うなら便利です。会議の文字起こしやまとめ、資料の素案作りなど、工程の一部を任せるのであれば作業効率は上がります。

 なのでAIを使う場合は「どこまでをAIに任せて、どこから人間が手を出すのか」という線引きがきっちりできれば、かなり役に立ちます。外注に依頼する資料だって、AIにたたき台を作らせて情報を整理し、指示書を短く整えるのは人間の役割……という形が現実的です。

 つまり、外注もAIも、どこまで補助ツールとして任せるかの判断が超重要。その基準をギリギリに設定できれば、自分の負荷を軽くしつつ失敗の確率も下げられるわけです。ただ、その“どこまで任せるか”を設定するのが一番難しかったりもするのですが。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。
東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
編集部おすすめ