人数の変化はありながらも総勢21人での活動時期が長く続き、休止時も16人というジャニーズ事務所時代からみても異例の大人数グループで、その人数を生かした迫力あるパフォーマンスを大きな魅力とするグループだった。
少年忍者の活動休止にふれて感じたことは、旧事務所ないしは創業者の香りをそのまま残すものが、少なくともジュニアに関してはついに消滅したのかもしれないということである。
新体制の事務所が重視したこと
昨年2月、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍というジュニアのグループが、新グループ結成にともない、事実上解体され話題を集めたことは記憶に新しい。その再編に際し、少年忍者のメンバーも4人がその新グループのメンバーとして加入するかたちとなったが、少年忍者というグループそのものは存続し活動を継続していたものの、結局活動休止となった。
少年忍者を含む上記4グループの結成や人選、それぞれの方向性には、ジャニーズ事務所の創業者である故・ジャニー喜多川氏の意向が大きくはたらいていたであろうことは言うまでもないだろう。そしてそれぞれのグループの命名者でもあった。
一連の性加害問題を受け、旧事務所は被害者への補償終了後の廃業が決定、所属タレントのマネジメントは新会社STARTO ENTERTAINMENTへと引き継がれた。
新体制が重視したことのひとつが、被害者への配慮や社会への影響の考慮のもと、旧事務所そして創業者のイメージを、社名をはじめとしてできる限り排除していくことである。
いわゆる“デビュー組”のグループ名の変更や、それを想起させる楽曲の封印など、徹底してそれは実施されてきた。
ある意味独立して巣立っていったような“デビュー組”は、そのグループ名などは別として、方向性などは活動を通じてそれぞれの独自の路線を築き上げていっている。
ここからは完全に憶測でしかない話となるが、次世代を担うジュニアたちに関しては、広く世に送り出すにあたり、「そのまま」というわけにはいかなかったのではないだろうか。
前述した通り、デビュー組も含めてその人選やグループ名には創業者の意向がすべてといってもよかっただろう。
そのカラーの徹底排除という新体制の方針のもとにおいて、ジュニアに関していえば「まだ手を入れられる」という判断はあったかもしれない(じゃあデビュー組のようにグループ名を変えるだけじゃ駄目だったの? という思いもあるかもしれないが)。
ジュニア内でも独特だった少年忍者の立ち位置
少年忍者に話を戻すと、大人数であることも含め、昨年2月に解体再編成された3グループとはまた少し違う立ち位置であったような気もする。まず、そのグループ名だ。
「忍者」といえば、1990年に美空ひばりの代表曲をアレンジしたシングル「お祭り忍者」でデビューし、紅白にも出場するなどし活躍した旧ジャニーズ事務所のグループ名であるが、彼らのデビュー前のグループ名こそ「少年忍者」だったのである。
先代の忍者は数年後に事実上活動を終了しているが、グループ名が時を超えて復活したことで、その思い入れの強さがうかがえた。
もうひとつ、大人数でのパフォーマンスも最大の魅力であり、他の3グループと比べて異なる点だった。
デビュー組の舞台やコンサートなどで、ジュニアを含めたダンサーたちが華やかに盛り上げ作り上げられる空気は、醍醐味のひとつといっていいだろう。
少年忍者は、それを単体で表現できるグループであった。
歌唱やアクロバットなど、秀でたスキルを持つメンバーも複数所属し、グループ内の組み替え組み合わせによって、少人数ではなかなかできないさまざまな顔を見せることもできた。
元・少年忍者たちの今後は
メンバー自身からも、その大人数であることに強い誇りやこだわりを持っていそうな発言も時折見受けられた。ある単独コンサートで販売されたアクリルスタンドが、当時のメンバー20人がずらりと横一列になった“横45センチ”という巨大なものだったことで、決してバラバラに切り離すことのできないグループだという確固たる意思と解釈したファンも存在した。
これもまた、旧事務所の「ぽさ」が残る要素ととらえ、そこからの脱却としていったんリセットする必要があったのだろうか。
故・ジャニー喜多川氏が、少年忍者というグループに対してどういう未来を描き、どういうものを見たかったのかは知るよしもない。
もちろん、ある種のひらめきによって、今のタイミングを待たずして、あっけなく解体シャッフルされていたかもしれない。
少年忍者のメンバーたちは、それぞれが個人の活動に宣言するとされ、新たな道を歩き初めている。
16人のうちの何人かによる新たなグループの結成、既存グループへの加入、彼ら16人が、どうなっていくのか。その行先を注目していきたい。
<文・太田サトル>
【太田サトル】
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。
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