ジャーナリストの石戸諭氏は、「有利な情勢での早期解散ほど、党利党略が見えた瞬間に有権者が一気に冷める危うさがある」と指摘する(以下、石戸氏の寄稿)。
早期解散の決定に有権者は?
世は一気に総選挙モードである。1月9日夜に読売新聞が打った解散検討スクープから流れは加速した。15日には立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を結成するというサプライズを打ち出してきた。このタイミングで、改めて問わなければいけないのは解散をめぐる常識である。日本は他国と比べても極めて自由に議会の解散ができる国だ。批判もあるが、憲法第7条に内閣の助言と承認による天皇の国事行為の一つとして衆院解散が記されており、歴代内閣はここを根拠にした解散をしてきた。立命館大学の小堀眞裕氏の比較研究によれば、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち政権の自由裁量で解散ができる国のほうが少数であり、さらに日本は党利党略での解散に批判が高まらずに常識化した。その意味では突出して“ユニーク”な制度と言える。
前回の衆院選から1年3か月しかたっていないにもかかわらず、高い内閣支持率、野党の準備不足を背景に有利だからと不意を突いて解散する──。選挙に勝てば「みごとな決断で、地盤を固めた」と評されるのだろうが、私は解散権の恣意的な運用には批判的な立場をとる。通常国会での議論を経て政権の成果や方向性を打ち出したほうが、国民に信を問うべき課題は明確になるだろう。
安倍政権との明確な違い
加えて、この手の解散劇は与党支持者や政治通には興奮を与えるが、ごく一般的な有権者をしらけさせる。例えば、’17年に安倍首相はモリカケ問題の追及をかわすかのように電撃解散を打ったが、投票率は53%だった。党利党略が透けて見えると有権者の関心が低下することを示唆する。その意味では新年度予算の年度内成立を後回しにするような解散でいいのか、という声がどこまで高まるかが高市政権の今後を左右すると読む。安倍政権は低投票率であったがために組織力の強みを最大限に生かし、無党派を取り込む選挙戦を展開できた。だが、公明党という最大規模の組織票と選挙実務集団を失った高市政権はより多くの支持を調達しなければならない。具体的にはここ数年、国民民主や参政党を支えてきた現役世代、さらには無党派層の票を取らなければ勝利は見えてこない。逆に低投票率となれば、票は多くの党に分散して今度は組織力を持つ──そして選挙に行く高齢層の支持もある──立憲・公明の中道改革連合の追い風にもなる。
有権者の関心と熱量を味方にしなければいけない政権による、熱量を下げかねない決断がどうでるか。短期決戦の隠れた、しかし重要な争点だ。
【石戸 諭】
ノンフィクションライター。
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