シニアの仕事というと、給料はだいぶ下がり、悠々自適な働き方をイメージするかもしれないが、現在の実態はだいぶ変化している。今回はシニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、無資格・未経験でも採用されやすい仕事の中から4つを選んで紹介する。

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10年前とは違うシニアの仕事の現実

シニアの転職や採用については、先入観(バイアス)に注意が必要だということを、こうしたコラムの中や、登壇の機会などで何度となく述べてきた。

シニアが置かれた状況を含めた社会全体が急速に変化する中で、現在のシニアは過去のシニアに比べて健康や体力が若々しく、ITなども使いこなせる人が多い。先入観に惑わされず目の前の現実と向き合わなければ、企業にとってもシニアにとってもミスマッチは避けられない。

実態と異なる間違った先入観を持ちやすいのは、シニアの働き方や健康・体力などだけでなく、シニア向けの求人職種でも同じだ。

シニアの仕事というと、シルバー人材センターに多い地域のお手伝いのような仕事や、あるいは自分の好きなこと・趣味を仕事にして、賃金は低くとも短時間で悠々自適に仕事をするイメージがあるかもしれないが、このイメージはすでに古い。現在、60代では特にフルタイムの仕事を希望するシニアも増えているし、思った以上に給料が高いシニア向けの仕事も増えている。

今回は、思った以上に給料が高いシニア向けの求人がある職種を4つ紹介する。

本当に稼げるが、過酷かもしれない仕事

まずはタクシードライバーだ。シニアが仕事に就くイメージが湧きやすく、また、頑張ればそれなりに稼げそうなイメージがあるかもしれない。

このイメージは間違っておらず、シニアが採用されやすい職種の中では給料が高めだ。筆者が経営するシニア専門求人サイト「シニアジョブ」に掲載された求人で提示されている給与の平均金額は2026年1月19日現在、年収362万円で最高額は600万円となっている。

タクシーを運行するには普通自動車第二種免許が必要だが、人手不足から二種免許やタクシーの乗務経験がない未経験のシニアでも、一種免許(普通免許)さえあれば、会社が教育して免許取得もサポートしてくれる会社が多い。

ドライバー不足は地方だけでなく、都市部でも運転免許を持たない若者が増えたことによって深刻なため、シニアでも歓迎されやすい。

問題は給与よりも勤務時間や休日などの働き方となり、確かに稼ぐためには長時間勤務になってしまう会社が多いこと。
しかし、勤務時間や休日の管理体制は会社によって違い、大手などでは昔と違って驚くほどホワイトになって、なおかつ給与も高い会社もある。

とはいえ、座った姿勢が長く続き、また、乗客や歩行者の命に関わる責任ある仕事で、健康状態によっては勤めることができなくなる場合もあり、シニアなら誰にでもお勧めという職種とは言えない。

意外と配慮も進みつつある、よく見かける仕事

日給1万8000円も!意外と稼げる「無資格・未経験OK」のシニア向け求人4職種
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無資格・未経験のシニアがまとまった金額の給料を得たい時に、第一候補になりやすいのが、交通誘導警備の仕事だ。工事現場などで車や歩行者の誘導を行う仕事で、「最近、シニアの警備員さん増えたなぁ」と思っている方も多いだろう。

実は、交通誘導警備を行うには「交通誘導警備業務」(1級・2級)という国家資格が必要だが、講習を修了すると資格が得られ、タクシーと同様に人手不足から未経験でも採用されて会社が講習受講をサポートしてくれる場合も多い。

シニア専門求人サイト「シニアジョブ」の掲載求人における給与の平均金額は日給で出ており9900円、最高額は1万8000円である。1カ月で20日働いたとすれば、19万8000円から36万円となるので、それなりの金額だと言える。

給料は良くても、屋外で立ちっぱなしの仕事のため、タクシー以上に過酷な仕事のイメージがあるが、過酷であるがゆえに熱中症対策や寒さ対策に気を遣う職場が増えている側面もある。空調服などを貸与する職場が増えたほか、こまめな休憩や水分補給を会社が管理・推進している場合も多い。

重いものを運ぶといった過酷さはないため、立ち仕事が可能な体力があるのであれば選択肢に入るかもしれない職種である。

最初は低賃金だが昇給するかもしれない仕事

タクシードライバーや交通誘導警備の仕事は、もしかすると給料がそれなりに高いことにあまり意外性がなかったかもしれない。では、もっと給料が低いイメージのあって意外と給料が良い職種はあるのだろうか?

意外性としては、清掃員の仕事で稼げる可能性が挙げられる。といっても、清掃員の求人で提示されている給料は低い。シニア専門求人サイト「シニアジョブ」の掲載求人における給与の提示額は、最高額こそ時給1850円だが平均金額は1120円だ。
2025年10月以降の最低賃金の全国平均が1121円なので、最低賃金そのままである。

さらに、清掃員の仕事はパートタイマーやアルバイトがほとんどでフルタイムは少ない。つまり、勤務時間を増やしてガッツリ稼ぐ働き方は難しい。

しかし、清掃員の仕事には、会社の方針や本人の適正・努力にもよるものの、昇給しやすい魅力がある。一口に清掃と言っても様々な清掃場所と清掃方法があり、無資格・未経験から就業しても、習熟すると短期間で昇給することが珍しくない。

自分に合った清掃場所・清掃方法・勤務時間の清掃の仕事で時給が上がったなら、限られた時間で効率的に稼げる勤務先になるかもしれない。

最近の賃上げが著しいあの仕事

もう一つ、給料が低そうなイメージが強いものの、実際は意外と高い職種を紹介しよう。もともと高かったのではなく、最近、急速に金額が上がっているその職種は、コンビニやスーパーの仕事だ。

レジ打ちや品出しといったコンビニやスーパーの店員の、シニア専門求人サイト「シニアジョブ」の掲載求人における給与の平均金額は、2026年時点でなんと驚きの時給1475円だ。最高額は1575円と上振れは大きくないが、平均で1475円は高い。

この背景には、コンビニやスーパーは大手による寡占が進んでいることで、近年の賃上げムードが反映されやすかったことがある。逆に言えば、同じような小売りのレジ打ち仕事でも、個人商店などの場合は、あまり高めの給料は望めない可能性がある。


さらに大手のコンビニやスーパーでは、昇給制度が明確かつ昇給による給与の上昇幅が大きい場合もあり、入社後の努力次第でさらなる給料アップもあり得る。

もちろん、こうした高い給与に惹かれるのはシニアだけではないことから、若い世代も含めての採用選考での厳しい競争があるかもしれない。

一応、大手であれば年齢で差別しない選考を心がけている可能性が高く、賃上げを実施してもなお、人手不足のエリアや店舗もあると思われるため、シニアのチャンスもあるはずだ。やはり、一定以上の体力は必要だが、元気に動けるシニアの方はチャレンジしてみる価値はあるだろう。

【中島康恵】
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中
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