一方、このカニで「失敗した~!」というイヤな思い出のある人も少なくないだろう。例えば殻の中身がスカスカで少なかった、鮮度が落ちていて味もニオイも酷かった、などなど。友人や家族同士のカニパーティーなら微妙な空気になってしまうだろうし、ましてや大切な恋人(&その親族)との大事な食事であったなら目も当てられない。
そこで今回は失敗リスクをなるべく減らし、誰でも安心してカニを楽しめるコツを、「au PAYマーケット」を提供するauコマース&ライフの営業本部でグルメグループのリーダーを務める北口真帆さん、株式会社伝食 越前かに職人「甲羅組」の代表取締役社長・田辺さんに尋ねてみた。カニを買う際の選び方から保存方法、料理・食べ方のコツ、意外なトリビアまで。冬の「カニ活」が楽しくなるコツを紹介する。
お店でのカニ選びは「重さ」「形」「黒いツブツブ」に注目
良いカニ活のスタートは良いカニを選んでこそ。一般流通のカニは主にズワイガニ・タラバガニ・毛ガニの3種で、特に今年は北海道でたくさん水揚げされたオオズワイガニが品質・サイズ・価格帯いずれも良好らしい。一方、花咲ガニやイバラガニといった地域限定のレア物も、身近な店で見かけたら買ってみても損はないだろう。無論、カニ自体の種類が何であれ、個体差や店側の扱い方によって物の良し悪しは大きく変わる。身入りたっぷりな良質のカニと、スカスカの痩せたカニを見極めるポイントはあるだろうか。
「もっとも直感的で簡単なポイントは『重さ』ですね。
おおむね(1)重さ、(2)黒い粒があるか、(3)肩や甲羅の隆起の3点に注意しよう。ただし、身が痩せたカニや訳ありカニ(折れ・欠けのあるもの)も外見だけの問題で、大抵は味に影響がないのでコスパ重視なら選択肢に入る。また、カニは温度変化に弱いので、実店舗で買って帰る時はクーラーボックスや保冷バッグ・保冷剤を用意しておきたい。
「氷を含む重量」に注意
市販のカニは非加熱の生カニと、加熱済のボイルカニの2種類ある。これらの選び方や扱い方についての差異も質問してみた。「生のカニは鮮度が何より重要。透明感がある身と、黒ずみがない甲羅を選ぶのがポイントです。刺身やしゃぶしゃぶに向き、カニ本来の甘みを最も感じられますが、火入れを誤るとパサつきやすく、扱いが難しいですね。一方で、蒸した(ボイル)カニは下処理済みで失敗しにくく、家庭では最も扱いやすいタイプです。味が安定していて調理が簡単なので、初購入の方にも向いています」
総じて生カニならば鮮度・透明感・黒ずみの有無、ボイルカニなら殻の赤み・身の締まり・カニ味噌の状態を確認するのが鉄則と、越前かに職人「甲羅組」の田辺さんは説明する。
なお、カニを購入する時は実際の小売店舗でなく、ネット通販を利用することも少なくない。品質・鮮度が命のカニを実物確認せずに購入するのもややハイリスクに感じられるが、ここで間違いを防ぐためのチェック点はどこか。
「しっかりレビューを読みましょう。写真は実物より大きく見えていることも多いので、実際の具合は購入者の口コミのほうが参考になります。特に低評価品は『身が少ない』『思ったより小さい』など具体的なマイナス点が書かれていることが多いです。あわせて(1)重量表記(氷を含むかどうか)、(2)ボイルか生か、(3)配送日指定可能かもチェックすれば安心です」
また、大事な相手にごちそうとして振る舞いたい場合は、いきなり大容量で買わず、最小サイズで一度試すのも良い。味・身入り・解凍しやすさを事前確認できるので、本番で失敗を防げるはずだ。
冷凍でも過信禁物。鮮度を逃さず食べ切ろう
「カニは温度変化に弱いうえに、水分管理も重要。
一方、カニは生来のサイズがかなり大きい生き物でもある。冷蔵庫のサイズによっては胴体と腕を分割しなければならない場合もあるが、この時の注意点は何か。
「切り分けると表面積が増えて乾燥が進みやすいので、基本的には丸ごと(分割せず)保存するのを推奨します。ですが、保管スペースの都合でどうしても分解したい場合は、切り口が空気に触れないよう1本ずつ丁寧にラップし、空気をしっかり抜いてください」
また、越前かに職人「甲羅組」の田辺さんは生のカニとボイルカニで取り扱いが大きく変わることにも触れた。非冷凍の生カニは非常に鮮度が落ちやすく雑菌が繁殖しやすいため、そもそも長期保存に向かず、当日中に食べ切るのが基本だという。
「どうしても保存する場合は、先ほど伝えたキッチンペーパー・密閉・二重包装を徹底して、それでも翌日が限界と考えてください。一方、ボイルカニは加熱処理がされているので生より保存性が高く、冷凍でなくとも2日ほどは品質を保ちやすいです」
なお、冷凍品であれば生カニは2~4週間、ボイルカニは2~3週間が保存目安とのことで、むしろ生カニの方が長く保つ場合もありそうだ。とはいえ冷凍でも時間が経てば、冷凍焼けや乾燥で身のふっくら感や香りが弱まるほか、ドア開閉で表面温度が上下するたびに霜がつき、さらに水分が奪われて変色や脂臭の原因ともなる。冷凍であってもカニは早めに消費するのが肝心だ。
レンジは厳禁…流水1分と冷蔵庫解凍の掟
「カニの表面には冷凍保管時の乾燥を防ぐため『グレース』と呼ばれる氷の膜が張られているので、まずは食べる分量のカニを取り出し、流水に約1分間あててグレースを落としてください。グレースが落ちたらカニを仰向け(甲羅が下)にして置き、冷蔵庫内で1日程じっくり自然解凍しましょう。たとえ急いでいても電子レンジや熱湯での解凍は厳禁です」
カニを食べる時は前日から余裕を持った準備が大切ということだ。また、生ガニの場合は解凍してから時間が経つと酸化して黒く変色してしまうため(※黒変自体は食べても無害)、解凍開始~実際に食べるまでのタイミングも考慮を要する。最初に流水にさらす時も、時間が長すぎると旨味が抜けてしまうので注意が要る。
「また、カニの旨みを保ちつつ急速凍結する『ブライン凍結』が用いられる場合もありますが、この手法で凍ったカニは食塩水を吸い込んで身が塩辛くなりがちです。これを美味しく食べるためには、大きい鍋で湯(カニ1kgに対しお湯3L)を沸騰させてから火を止め、湯が70~80℃程度まで冷めてから、カニを20~35分ほど湯にくぐらせる『塩抜き』工程がおすすめです」
こうした丁寧な下処理を経て、初めてカニの身は真価を発揮する。それをいざ食べようと(もしくは調理しようと)殻から外す時、もちろんカニ用スプーンがあれば使うべきだが、手元に無い時はどうすれば最適か。
「脚はキッチンバサミや包丁の背で、側面に縦一本の切れ目を入れるのがコツです。完全に割ろうとせず、切り目を入れたら指や箸で殻を開き、身を引き抜くと比較的きれいに外せますよ。関節や細い脚は竹串やつまようじなど細いもので、殻の細い方から太い方へ押し出すと、身が途中で切れにくいです。
ポイントは(1)無理に殻を砕かない、(2)切れ目を入れて開く、(3)細い道具で押し出す……の3点。これで特別な道具がなくともカニの身を取り出せる。
味の強い具材はNG。主役の風味を殺さない工夫を
一連の準備が済んだら、いよいよカニを味わう至福の時間だ。カニと言えば剥き身をそのまま、もしくはポン酢などをつけてパクリと味わうのが王道だが、他の具材とあわせてグツグツ煮込むカニ鍋もまた定番である。「カニ鍋の出汁は昆布などアッサリ系にして、味付けも控えめにすればカニ本来の甘みが引き立ちますよ。具材はカニの旨味を吸う白菜・きのこ・豆腐など淡泊な食材や、甘みを際立たせて消化の助けになる大根・ネギといった冬野菜も良いですね」
「反対に、香りや味の強い食材はカニの風味を損ねやすいので、なるべく避けましょう。また、鍋の具ではありませんが、『カニと柿』は両方とも体を冷やす作用があり、一緒にとるとお腹を壊しやすいと言われています。デザートに柿を出すのは避けたほうが無難かもしれません」
このほか越前かに職人「甲羅組」の田辺さん曰く、カニを使った応用レシピは意外に多いという。ホットプレートやフライパンでサッと浜焼き風にしたり、トマト缶と煮込んでクリームを加えてパスタソースにしたり、余った身や殻で味噌汁の出汁を取ったり、想像以上にアレンジが効く食材なのだ。味の好みが分かれる「カニ味噌」部分もオーブンやグリルで炙り、カニ酢や薬味と合わせれば香ばしく食べやすくなる。ここまで上手く活用できれば、カニパーティーは大成功だろう。
不快なニオイを出さないコツは?
美味しいカニパーティーも終了し、満腹感や酔いの気とともに一段落……という時に立ちはだかる最後の関門、それが身を抜かれて大量に残されたカニの殻である。放置すると強い生臭さが漂い、無処理でビニールに詰めてゴミ捨て場に放るだけではご近所トラブルになりかねない。これをどう攻略すべきか。「実は、殻の処理は 『洗う → 乾燥 → 冷凍』の3ステップ で簡単に解決できます。この方法ならカニ殻特有の生臭さやゴミ箱のニオイをほぼ解消でき、キッチンの衛生面でも安心ですよ」
越前かに職人「甲羅組」の田辺さんが紹介した方法は下記のようなものだ。
①きれいに水洗い
殻に付いた身や汁が臭いの原因。たわしで軽くこすり洗いすると汚れが落ち、後の臭い残りを大きく防げる。
②しっかり乾燥
雑菌は水分で繁殖するため、天日干しなどでカラカラに乾かすのが最も効果的。生臭さもかなり減ります。
③冷凍庫で凍らせて保管
乾燥後の殻をビニール袋に入れて冷凍庫へ。凍結で菌の繁殖が完全に止まり、ゴミの日まで臭いゼロにできる。
④消臭アイテムも一緒に
重曹、乾燥させた緑茶の茶殻、コーヒーの出がらしなど、消臭効果のあるものを袋に一緒に入れると効果的。
また、食べきれない余りの身が出た場合、再凍結は味が大きく落ちて雑菌も繁殖しやすいので厳禁。加熱してカニチャーハンやカニグラタンなど別の料理にしてから、翌日までを目処に早めに食べよう。
物価高の中でカニの需要が増えるワケ
auコマース&ライフの北口さんは最後に、物価高の中でカニが「家庭で楽しむプチ贅沢」として需要が増えている背景にも言及した。「食で『観光気分』『特別な日』が演出できるのは、お肉やフルーツなどに並ぶカニの強みですね。旅行などレジャーが値上がりしている今は、『おうち時間』をいかに充実させるかが鍵。カニは見た目がインパクト抜群ですので、食卓にあるだけで場がパッと華やぎます。家族みんなが笑顔になれる『高揚感』『特別感』を持った食材ですね。今回ご紹介した失敗しない『カニ活』の極意を踏まえて、au PAY マーケットなどのECサイトで気軽に選んでみるのもおすすめです」
今まさにカニがホットなアイテムになりつつある、ということかもしれない。美味しく楽しいカニ料理にチャレンジしてはいかがだろうか。
<取材・文/デヤブロウ 画像提供/越前かに職人 甲羅組(株式会社伝食)>
【デヤブロウ】
東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2~3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草~上野近辺、池袋周辺、中野~高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw
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