40代以降の中年でヒザを痛めている人を観察すると、ほぼ例外なく同じタイプの靴を履いています。
①量販店の格安スニーカー
②ナイキなどの高級スニーカー
③脱ぎ履き重視のスリッポン
どれも「一見よさそう」。でも、ヒザ視点で見ると全部アウトです。その理由を話す前に、まず絶対に知っておいてほしい事実があります。ヒザの軟骨は「消耗品」であるということ。
40代は「回復より破壊が上回る年代」です。ヒザの軟骨は再生します。ただし、それは若いうちだけ。40代になると、再生スピードが一気に落ちる。「削れる→まだ戻る」「削れる→もう戻らない」の境目が、だいたい40代だと言われています。若い頃に雑に歩いてきた人ほど、このタイミングでツケを一気に払わされます。
しかも怖いのは、壊れるのは「ある日突然」ではないということ。
ヒザに悪影響①量販店の格安スニーカー
全部が悪いとは言いません。ただし、有名モデルの見た目だけを真似た5000円以下、これは避けたほうがいいと断言します。要注意キーワードが「エアー」。この言葉をやたらと売りにしている靴は地雷です。断言しますが、99%その「エアー」は飾りです。ナイキ・リーボックなどの本家は「エア」。「エアー」と伸ばしている時点で、中身は別物。
しかも今の靴は、ソール素材そのものがクッション。普通に歩く程度なら、「かかとの下にクッション」なんて不要です。つまり、「見た目だけ、機能は昔の発想、ヒザは守らない」の三重苦。
じゃあ安くて安全な靴は? 答えはシンプル、ワークマンです。
正直、見た目は地味ですがヒザには誠実。体重をかけると、足裏がピタッと安定します。ヒザは上下には強い。でも横ブレに極端に弱い。
この靴は、その「横ブレ」を物理的に止めます。ソール裏の縦スリットで、踏み込むと吸盤状に広がり足元を安定させ、青いプレートでテコを利かせます。結果、削られにくい歩き方になります。
ヒザに悪影響②ナイキなどの高級スニーカー
日本人が歩く程度では、バネは沈まない=衝撃は逃げない。どこに行くか?――ヒザです。ショックスは完全にファッションアイテム。ヒザに不安がある人が履く靴ではありません。
ヒザを痛めている人の多くは、靴ひもを毎回結び直しません。最初に結んだまま、ズルズル履く方が99%でしょう。これでは、どんな高機能シューズでも性能を半分以下に落とします。
ヒザに悪影響③脱ぎ履き最優先のスリッポン
「ゆるい、ラク、でもブレる」は、つまり、「引きずる、かかとが削れて足が傾く」。結果、ヒザが毎日ねじられる。ほんと最悪の相性なんですよ。でも諦めないでください。スリッポンの代わりは「シングルモンク」、これが鉄則です!
初期設定の「わずか一度だけ」甲に合わせれば、歩行中はほぼブレない。
40代以降の中年は「まだ大丈夫」が一番危ない。ヒザは、壊れた瞬間に教えてくれません。気づいたときには、もう戻らない。
靴はただのファッションじゃなく、中年にとっては「消耗品か防具か」です。今履いているその靴、あなたのヒザを守っていますか? それとも、静かに削っていますか?
【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』
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