―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
連載第565回をよろしくお願いします。
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加齢臭ケアにもなる「香水」をチェック

「加齢臭に悩む中年男性」が絶対に買ってはいけない香水と、実はおすすめな3つの香水
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 歳を重ねてくると気になるのが「臭い」です。

 皮脂成分は30代から変化が始まり40代、50代になると背中や頭、首の後ろなどから主に枯れたような独特の匂いを発し始めるのです。男女問わずに臭いは発生しますが、やはり主に気になるのは男性。皮脂のケアもせず匂いの処理もしないオジサンが多いため、街中や電車などでも気になるのは男性ばかりです。

 そこで今回は加齢臭ケアにもなる「香水」について。オススメ品と合わせて面白い話もお届けしましょう。

あまりにも有名になりすぎた香水は避けるべき

 ブルガリ ブラック、シャネル ブルードゥ、マルジェラ レプリカ レイジーサンデーモーニング、イヴ・サンローラン モン パリ……。高級ブランドの中でも有名なこれら香水ですが、実は私はこれら全ておすすめしません。香水のおすすめ、と言われると必ずと言って良いほど出てくる定番品ですが……大人であるほど、こだわりがある方ほど、これらはぜひ避けていただきたい。

 なぜか?

 もちろん決して香りがダメなワケではありません。世界トップクラスの有名調香師が手がけたこれらの香りを、なぜゆえ日本のファッション関係者の中でも末席にいる私なんぞが批判できましょう。私がダメだと言っているのは、「あまりにも有名になりすぎているから」です。

有名なブランドはコピー香水が作られている

「加齢臭に悩む中年男性」が絶対に買ってはいけない香水と、実はおすすめな3つの香水
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 実はこれらの香水は「ジェネリック品」としてコピー香水が作られています。2~3万円ほどもするこれら香水が実は2200円ほどで売られているのが現状なのです。


 香水は実はコピーが非常にしやすく、かつ訴訟になりにくい商品です。あまり声を大にして言うと利害関係者が叩いてくるかと思いますが……香水は同じ匂いを簡単に作成できます。もちろん珍しい香料などコピーできない領域はあり、その場合は完全再現が難しいですが、似たような香りなら簡単にかつ安価で制作できます。

 アジアのマーケットでは、安い瓶に「GUCCI」と書かれた紙が貼ってあるような「ジェネリック香水」が売られていたりします。明確な違法行為ではありますが、EC化もされていないローカルマーケットでは取り締まることが難しく横行しているのが現状です。

「ジェネリック香水」は日本の量販店にも…

 また日本の量販店でも「ジェネリック香水」と題して有名ブランドによく似た香水を販売しているところも多い。もちろん香りが似てしまうことは往々にしてあるので線引きが非常に難しいですが……冒頭で挙げたような有名香水は正直もう2000円台で似た香りを簡単に買うことができるのです。

 ドンキホーテも「ジェネリックフレグランス」というブランド名で、有名香水に似ているものを2200円で提供していますが、これはドンキ側が「コピー品ではない」と明確に示しています。香りは「似ている」かもしれないが、成分は異なるためコピーではないという話。違法ではありません。

 ……しかしいくら違法ではないと言っても、本家では2~3万円出している人にとっては、「よく似た香りが2000円で買える」となれば激萎えです。だから香水は有名ブランド品のメジャー級を狙わず、「少し外したコピーされていないもの」を狙うのがミソだと思うのです。

 なにしろ「高校生と同じ匂い」じゃ大人らしくないでしょ? それに香りは個性を示すもの。
体臭や肌の匂いと同じように個性があってしかるべきものです。いくら有名調香師が手がけたものでも個性が薄くまたありふれた匂いなら価値は落ちてしまいます。

 そこで「まだコピーされていない」大人におすすめな香水を3つほど紹介しましょう。

清潔感を思わせる自然なフレグランス

・BYREDO オードパルファン ブランシュ 2万8050円

「加齢臭に悩む中年男性」が絶対に買ってはいけない香水と、実はおすすめな3つの香水
BYREDO オードパルファン ブランシュ 2万8050円
 まずはこちら。バイレードのブランシュ。バイレードは元々バスケットボール選手が立ち上げたブランド。フレグランスブランドは長い歴史を持つところが多いですが、こちらは新進気鋭。フレグランス業界の外からやってきたため、自由闊達なモノ作り香り作りが面白い。フレグランスブランドながらブランケットやストールを作ったりとマルチに展開しています。

 香りも石鹸のような爽やかで繊細なもの。ムスク系の強いものではなく、肌の匂いと錯覚させるようなナチュラルなもの。ただし、つけた時にはさほど香りは強くありませんが時間が経つと少しムスク調のサンダルウッドの香りが出てきます。

 実は香水は店舗でちょっと試しても真価はわかりません。
トップノート・ミドルノート・ラストノートと言って時間経過によって香りは変化します。香料によって揮発時間が異なるためそれを計算に入れて調香しているのがこうしたフレグランスブランド。肌に乗せて時間が経ってくると匂いは変わるので店舗でのお試しでは実際にはわからないのです。

 ブランシュはおそらく嫌いな人の少ない香り。洗い立てのシーツのようなナチュラルな香りは「肌の匂いかな?」と思わせるほど自然です。香水にあまり強さを求めないのが日本人。清潔感を思わせる自然なフレグランスであるこちらは我々に特に向いていることでしょう。

色気のある夜の香水

・D’ORSAY スール テ レーヴル E.Q. 2万5300円

「加齢臭に悩む中年男性」が絶対に買ってはいけない香水と、実はおすすめな3つの香水
D'ORSAY スール テ レーヴル E.Q. 2万5300円
 ドルセー伯爵が創業したフレグランスブランド。日本ではまださほど浸透していないのですがパリでは老舗。1830年創業パリを代表するフレグランスブランドの一つです。

 ドルセー伯爵は自身と最愛の人であったマルグリット・ブレシントンのために香りを制作。愛の形を香水に閉じ込め、シーンや感情ごとの情熱的な香りを演出しています。

 特に私がおすすめしたいのがこの「接吻」がテーマのE.Q.。
タイトル通りの官能的なムスキーな香りなのですが、やはりこちらもバイレード同様ナチュラル。ハイブランドの有名香水のようなキツさはなく自然と香る程度のもの。

 バイレードが清潔感なら、こちらは色気。ナチュラルな色気を演出してくれる中毒性の高い香りです。バイレードが昼だとすると、こちらは夜の香水。大人であればせめて「日常」と「特別な夜」と2つ程度の香水は使い分けてみてほしいところです。

名前の通り官能的な香り

・TOM FORD BEAUTY バニラ セックス オード パルファム スプレィ 5万4450円

「加齢臭に悩む中年男性」が絶対に買ってはいけない香水と、実はおすすめな3つの香水
TOM FORD BEAUTY バニラ セックス オード パルファム スプレィ 5万4450円
 名前の通り官能的な香りがこちら。バニラとアーモンドの強いねっとりとした甘い香りが面白い。香り的に女性には重過ぎて男性の方が適していると思いますが、かなり色っぽく人を選ぶものです。

 しかしながら個性を演出するには最適。トップノートはかなり強烈ですが、時間が経つと馴染んできてさりげない甘さが出てきます。バニラは香料の中でもトップクラスに人気のものですが、ここまで甘く重いものは珍しい。


 トムフォードと言えば色気を重んじるブランド。グッチ再興の立役者としても知られるデザイナーです。かなり高価ではありますがあまりつけている人と会ったことがない。この強い個性のある香りはクセになるでしょう。

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
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