一方、SNSにおける日々の発信などからもわかるように、一風変わった女性でもある。今をときめく美少女の、驚きの半生に耳を傾けた。
「ポーチ」を持ち歩くファンたち
――髙橋さんのファンは、非常に結束が固いことで知られていますよね。髙橋七瀬さん:そうですね。不定期ですが、オフ会のようなものを開催していて、ファン同士もみんな仲が良いです。これは私の好みと被るのですが、おじさんが好きなんですよね。
――若くてきれいなモデルさんたちが言う「おじさん」って、いわゆるイケオジ限定だったりしませんか?
髙橋七瀬さん:私に限ってはそれはないですね。うだつが上がらない、元気もなければ自分に自信もない――そんなおじさんに惹かれるんです。私を応援してくれる人は、そういう方が多くて(笑)。おまけに私がとてもおっちょこちょいで、物をよく失くすのをみんな知っているので、コアなファンはひとり1個必ずポーチを持ち歩いていて、そのなかに生理用品とかメイク用品が入っていて、私が失くしたときにすぐに出してくれるんです。今、ファンと交流しているときが一番幸せかもしれないですね。
医学部受験のため、自由を奪われた幼少期
髙橋七瀬さん:自分でも意識したことはなかったのですが、おそらく母子家庭でずっと過ごしたことが関係しているかもしれません。生活のなかに父親がいないことに対して、コンプレックスがあるのでしょう。
私が4歳くらいのときに両親は離婚しました。かといって母との関係性は必ずしもよくなく、私を手元に置いておきたい母から、ときには軟禁のような状態にされることもしばしばありました。もちろん、殴られることは日常茶飯事です。
――差し支えなければ、お母様とのお話を聞かせていただけますか。
髙橋七瀬さん:茨城県の、両親とも医師という家庭に生まれました。離婚の話し合いのとき、母が「お前なんかいなくても食っていけるんだよ、バカ」と父に向かって吐き捨てるのをみて、子どもながらに「かっこいいな」なんて思ったりしたのを覚えています。
家庭に入るまで医師として働いていた母ですが、その後は学習塾で働いていたと思います。また、非常に教育にお金をかけてくれていて、幼稚園から塾に通っていました。国立の小中一貫校に受験をして入り、医学部を目指して勉強をしていたので、放課後に遊んだ記憶もほとんどありません。
母に隠れて「自費で受験した」
――息が詰まるような生活に、髙橋さんが嫌気が差してしまった。髙橋七瀬さん:そうですね。
――親元を離れるとき、たいへんではなかったですか。
髙橋七瀬さん:たいへんでした。オンラインゲームで知り合った年上の女性のもとに身を寄せていたのですが、その間、ずっと「居場所を突き止めてやる」「興信所を使う」という連絡が入っていて、気が気ではありませんでした。実際、路上で見知らぬ人から写真をたくさん撮られたこともあり、それが結局何だったのかわかりませんが、母が依頼した人だったのかもと思ったりもします。
「別人の表札が…」ふいに知った母の悲しい最期
――現在は、お母様とのご関係はどうなのでしょうか。髙橋七瀬さん:成人式の日にも「お前だけ幸せになれると思うなよ」というLINEが来たり、恐怖が常に身近にあったのですが、ふと連絡のない日が続きました。それで茨城県の実家にいってみると、表札がまったく別の人に変わっていました。のちに調べたところ、母は亡くなっていました。自死だったようです。
――それはつらい思い出になってしまいましたね。
髙橋七瀬さん:母からの仕打ちは体罰や虐待と呼んで差し支えないものばかりですが、一方で、自分のなかに根付いた教えもちゃんとあるんです。そのひとつに「嫉妬だけはするな」というものがあります。自分がいるコミュニティの誰かに嫉妬をして生きるようになったら、人間は終わりだと母は言い続けていました。
先日、「ブスのくせに」という誹謗中傷のDMが届いたので、開示請求をしたんです。すると、相手は同業者だったことがわかりました。確かに周囲にいる人に嫉妬をしながら生きるのはつらいから、母の言うことはもっともだったなと感じました。
承認欲求の果てに待っているのは…
――髙橋さんが芸能活動に求めているものは、何でしょう。髙橋七瀬さん:なんだかんだ、私は承認欲求が強いのだろうと思います。また、誰かひとりでもいいから、永続的に愛してくれるのかな? ということはよく考えます。父は私を置いて出ていきましたし、母からの愛情も健全ではなかったと思います。本当にただ、誰かから愛されることを体験してみたいですね。
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誰もが息を呑む美貌の裏に、人知れぬ過去があった。髙橋さんは言う。「過去の傷も、ファンのおかげでかさぶたくらいになった」と。きらびやかにして華やか。微笑みで人を癒やす彼女もまた、ファンに癒やされながら、今日を生きる。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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