その答えは、表では語られない「暗黙のルール」にあった。大阪の一角で、一部の銭湯が選んだのは、秩序を厳格に管理することではなく、あえて目をつぶるという経営判断。一般客を遠ざけるリスクと引き換えに、圧倒的な固定客を獲得ーー価格競争の最前線で起きている、銭湯ビジネスの“逆転現象”。その実態を追った。
「ハッテン場」利用を黙認する銭湯
「公的なルールや秩序をあえて放棄することで、ほかにはマネできない集客力や価格維持を実現する」これがアングラビジネスの極意だが、同じ構造で成り立っている銭湯が大阪にある。現在、東京の銭湯は「550円の入浴料+サウナ代」という料金体系が主流だが、大阪府内では「入浴料600円のみでサウナ無料」を掲げる施設が多い。ゆえに競争は激しく、固定客獲得のため“ごく一部”の店舗が選択したのが、「ハッテン場」利用の黙認である。
男湯の中に広がる想像を絶する光景
難波駅から数駅。高速道路と川に囲まれた薄暗いエリアにある某銭湯。外観は一般的な公衆浴場だが、男湯の中には想像を絶する光景が広がる。銭湯の目玉は2階にある半露天風呂。そこには、湯船の中で立ち、性行為をする男同士の姿が。そして、腰の動きが速まったかと思うと、あろうことか湯船の中に体液をぶちまけたのである。
ただ、本当にヤバいのは、何も知らない一般の利用者もここを訪れるということだ。
「トラウマです」と口コミ欄は批判の嵐
安さを理由に向かった一般客からすれば大迷惑な話だが、一方でネット掲示板にある「大阪ハッテン場」関連スレッドでは、この銭湯に関する書き込みが25万件に上る。この状況を銭湯の店主が知らないわけがない。
だが、一般客を失うリスクを負ってでも、このとんでもない数の固定客を逃がさないことで、大阪の厳しい価格競争を勝ち抜いているのは確かだろう。
【ジャーナリスト 國友公司氏】
主にアンダーグラウンドな分野を取材し、発信している。著書に『ルボ西成』『ルボ路上生活』『ルポ歌舞伎町』などがある
※週刊SPA!2月10日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[物価高なのに[異様に安い店]を直撃![激安]の裏側]―
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