先日メディアに出演する有名キャバ嬢のとあるポストが話題になった。内容としては「キャバ嬢は売女ではない」というもので、更新された瞬間にさまざまな意見が激突。
「“女”を売りにした時点で全員売女」や「いやいや、基本ベースとしてはただの接客業じゃん」と肯定派・否定派の戦いは終わらず、ポストから1週間以上経過した現在も完全に鎮火していない。
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 話題は飲み屋のキャストから波及し、枕営業の疑いがあるアイドルやセクシー女優に対しても多くの声が寄せられているようだ。

 こちらはXのトレンドにもピックアップされた話題であり、騒動を見た私は「セクシー女優は売女なのだろうか」と冷静に過去の職業を見つめ直した。

そもそも「売女」とは何か

 そもそも売女とは、「ばいた」と読む売春婦を指す言葉。売春とは“春を売る”、つまり対価と引き換えに体を差し出すこと。確かに単語の意味だけを突き詰めれば、否定をするのがかなり難しくなってくる。

 しかも売春とは不特定多数を相手にするため、必ずしも決まった人物との共演ではない女優業は、ある意味該当せざるを得ない。シャープな目線で職業そのものを見れば、脱いで体を使う時点で売女と呼ばれても反論できないのが現実だろう。

 ただ繰り返しお伝えするように「単語の意味だけを突き詰めれば該当するけれど」という話であり、セクシー女優は国から禁止された商売でもないし、違法行為にも及んでいない。

 あくまで私たちは映像作品に出演する人物で、性をテーマにする演者という扱いだ。収入と引き換えに素肌を晒す事実は変わらないけれど、細かく分析すると売りどころは体だけではないように思うから、女優=売女と言われると肯定しづらい。

 傍から見ると「そんなのはこじつけで、やることやってんだろうが」と思われるだろうが、簡単な一言で片づけるには少々雑すぎる。罵られたら確かに完全否定は苦しい気持ちがある一方で、“ガチもん”でもないというのが私なりの意見だ。


飲み屋のキャストを売女とするのは失礼

 正直なところ、飲み屋のキャストはあくまでトークを提供する商売なので、売女呼ばわりするのは失礼である。営業という行為を度外視し、“オンナ”を最大限に使いながら誰とでも寝まくっていたら話は別だが、もちろん体を売らなくても成り立たせることはできるため、ただ勤務した人間全員を当てはめるのは少し違うように思う。

 一方で、セクシー女優や夜の性的なお店で勤務するお姉さんになってくると、体を差し出す時点で批判されても仕方がない部分はある。ただ、近頃は表に出る人間も増え、煌びやかな活動が目立つからこそ「春を売ってる感」が薄れたのは確かだ。

 おまけに犯罪ではないのだから、たとえ売女呼ばわりされても小さくなる必要はないだろう。

「売女」という言葉の定義が難しい

SNSで話題「キャバ嬢は“売女”なのか?」論争…元セクシー女優が明かす“否定しきれない本音”
元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 多数のナイトワークが存在し、徐々に日陰の商売でなくなりつつある現代では「売女」の定義が難しいと感じている。どんな職業でも体を売ったらその時点で当てはまるのかもしれないが、近頃は本来の言葉の意味合いと捉え方が異なる部分が大きく、論争が起きる時点で人々の考え方に大きな違いが出始めたということだ。

 一部では「仕事としてきちんと成り立たせていれば当てはまらず、プライドもなく、公的に認められてもいない商売の場合は悪く言われても仕方がないのでは」なんて意見もあった。

日陰の商売の捉え方は人それぞれ

 時代・思想の変化がすれば、結論としては「そう思う人は思えばいいし、違う意見を持つならそれで結構」としか言いようがない。曖昧な回答で終わらせれば、肯定派と否定派で再びモメるのだろうけど、どれも日陰の商売である以上捉え方が人それぞれなので、この手の戦いは一生終わらないのだ。

 余談だが、もう売女と言われるぶんにはこちらも慣れているため、私は批判を承知のうえで生きている。ただ今回の件では声を大にして批判する多くが男性で、明らかに「色々とお世話になった側の人間」だったことの方が気になった。

 飲み屋に足を運んだ経験があり、セクシー女優に面倒を見てもらったのにもかかわらず、意気揚々と「売女だ!売女だ!」と叫ぶ人を想像したとき、何とも言えぬ感情が湧き上がったことを、あえてここに書き記しておこうか。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。
2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
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