―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]―

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
 筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

「男が見たらすぐ“クズ男”だとわかるのに…」女性だけが騙され...の画像はこちら >>

女性が語る“やさしいムーブ”はたいてい演技

※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

 今回は「どうして女ってクズ男の“エセやさしさ”を見抜けないのか?」という疑問を抱える松田慎太さん(仮名・男性・28歳)からの質問。

「僕は姉が2人いるので女性の話を聞くのが得意で、よく女友達から恋愛相談を受けるんです。それで、女の子の恋愛の悩みを聞いていてよく思うのは、『なんでそんな男を“やさしい人”って勘違いしてんの?』っていうこと。

 女の子たちが『彼はこういうところがやさしいんだ』って語っている場合、“やさしいムーブ”とされているその男の言動は、たいていはただの演技の可能性があって、本当の意味でのやさしさとは違うなって思うことが多いんです。

 例えば、女の子の要望に応えたデートをしてあげたりとか、体調の悪そうな子に心配する言葉を掛けたりとか、そんなものはクズ野郎でも恋愛の基本さえ学んでいれば誰でもできることなんですよ。

 僕だけじゃなく同性の男同士ならたぶん見抜けるはずなんですけど、なぜか女は騙されてる。なんでなんですかね?」(慎太さん)

めちゃくちゃ“手前”の“浅いやさしさ”?

 恋愛相談を生業としている筆者も慎太さんと同じように、男性の“エセやさしさ”を見抜けない女性が多いことを、常々実感しています。

 結論を言うと、その理由は、めちゃくちゃ“手前”の“浅いやさしさ”を、本当のやさしさだと思い込んでいる女性が一定の割合でいるからです。

 念のためお伝えしておきますが、もちろん女性のなかにも本当のやさしさをきちんと理解している人は多いですし、クズ野郎の“エセやさしさ”を看破できる女性は多いです。


 けれど残念ながら、一定数の女性は男の薄っぺらい演技を見破れず、しょうもない男をやさしい人だと思い込み、傷つけられているケースが多々あります。

 では、なぜそういった女性たちが見抜けないかというと、「やさしい言動をしている人」=「やさしい人」だと、短絡的に結びつけてしまっているからでしょう。

「やさしい言動をしている人」≠「やさしい人」

 少々ややこしいかもしれませんが、「やさしい言動をしている人」が「やさしい人」だとは限らないのです。

 わかりやすく例を挙げると、女性の体だけが目的のチャラ男ならワンナイトを達成するまでは、女性の要望に応えたり気遣ったりする“やさしいムーブ”をするわけです。

 女性の資産を狙った結婚詐欺師も大金を引っ張ってくるまでは、同じように“やさしいムーブ”をしまくります。

 言わずもがな遊び目的のチャラ男も大金目当ての結婚詐欺師もクズです。でも、“やさしいムーブ”はします。むしろ、めちゃくちゃします。

 “手前”の“浅いやさしさ”は、女性を口説く教科書の1章目に載っているような基本的なことで、本当の意味でやさしい人間じゃなくても、簡単に演技でできてしまうもの。

 つまり、チャラ男や結婚詐欺師といったクズ男は、自分の快楽や利益のために、女性に対して“やさしいムーブ”をするということです。

“自分のため”に女性にやさしくするクズ男たち

 チャラ男や結婚詐欺師は極端な例ですが、重要なのは【人間は自分の快楽や利益のために他者に“エセやさしさ”を見せるのはよくある】ということ。

 チャラ男や結婚詐欺師ほどのクズではなくても、自分のことばかり考えている利己的な性格な男は、“自分のため”に女性に対して“やさしいムーブ”をするもの。

 本当にやさしい人間の場合、行動原理は“他者のため”になりますが、行動原理が“自分のため”というやさしくない人間でも、一見するとやさしい言動をすることはよくあるのです。

 そして、ここからがある意味、今回のテーマの本題なのですが、クズ男でも自分が好きな女性から好かれることは嬉しいことであり、快感なのです。
好きな女性から求められるようになれば、親密になれたり一緒にいられる時間が増えたりするので、クズ男側も欲望が満たされるのでメリットが大です。

 だからクズ男でも“エセやさしさ”を発動し、“やさしいムーブ”をするというわけです。

飽きたら“やさしいムーブ”をする意味ナシ

 エセでも薄っぺらくても“やさしいムーブ”をしてくれるのであれば、女性側もハッピーだから問題ない――と考えるのは早計です。

 “自分のため”にしか動かないクズ男にとって、好きな女性に好かれることで快楽を得られ、欲が満たされます。ですが、それは相手が“好きな女性”だった場合に限るということが、往々にしてありえるのです。

 要するに、その女性を好きなうちは“エセやさしさ”を発動しますが、好きじゃなくなったり飽きてしまったりしたら、“やさしいムーブ”をする意味も価値もなくなってしまう。やさしいと思っていた男性が、急に手の平返しで冷たくなったり素っ気なくなったりするのは、こういう理由なのです。

 ここまで説明すると、慎太さんは「長年の疑問が解けました」と言いつつも、どこか表情は曇り気味。

「クズ男をやさしい人って勘違いしてしまっている女の子は、自分の好きな男がやさしい人間だって思い込みたいってこともありそうですよね。

 でもそういう子は、男側が自分の利益や保身のためにひどい行動をしたり、性欲が満たされて飽きただけだったりしても、『あのやさしかった彼が豹変したのは私に原因があるのでは?』とか考えちゃって、負のループにハマっていくんですよ……。難しい問題です」(慎太さん)

 ――繰り返しになりますが、クズ野郎の“エセやさしさ”をすぐに見破れる女性も多くいます。

 ですが一方で、クズ男に騙されてきた女性も少なくありません。
そんな彼女たちが“エセやさしさ”をちゃんと看破できるようになっていくことを願っています。

<文/堺屋大地>

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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi
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