高市早苗首相率いる自民党が衆議院で単独三分の二を獲得した総選挙。リベラル勢力は壊滅し、旧民主党政権を主導した「七奉行」は全員落選。
民意は示された――だが、これで良いのか
民意は示された。この結果を基礎に未来を考えなければならない。我が国は1955年以来、マトモな野党第一党を持てなかった。だから、何度選挙をやっても自民党が勝ってきた。
それではいけないと日本国民も思って二度だけ政権交代をさせたが、一回目は短命。二回目の「悪夢の民主党政権」が、日本国民の政権交代恐怖症に拍車をかけた。普通の日本人ならば、どんなに自民党に不満でも、「まさか、あの人たちに政権を委ねる訳にはいかない」と考える。そうなると、ますます自民党の腐敗が進み、選択肢がなくなる。そして多くの日本人が、政治そのものへの不信を抱くようになった。
その成れの果てが、失われた30年だ。そこでようやく、日本国民は気づいた。
パヨクの敗北が示すもの
そして今回の総選挙の結果は、パヨクの敗北を示した。共産党とれいわ新選組は合わせて5議席。公明党と合併して中道改革連合を組んだ立憲民主党は、壊滅。旧民主党政権を主導してきた「七奉行」と呼ばれた、枝野幸男・安住淳・岡田克也・玄葉光一郎・樽床伸二ら旧世代の幹部は全員落選。前原誠司は既に維新に移っており、唯一残った野田佳彦はこの壊滅のA級戦犯だ。私はすべてのリベラルをバカにしているのではない。リベラルの価値観は、間違いなく必要であると考えているし、民主主義が最終的に多数決であるからこそ、少数派の意見を尊重しなければならないと信じている。しかし、「高市自民党に投票すれば、徴兵されて核戦争で殺される」式の言論を垂れ流し、自分たちに投票しなかった国民を「愚民」「ポピュリズム」などと罵倒する連中は、明らかにパヨクだろう。また、七奉行が率いた歴代野党第一党の、民主党~民進党~立憲民主党が、どれほどの勝利を自民党に献上し続けたか。
今回の高市早苗首相の解散劇、やり方はとても褒められたものではなかったが、「私と野田さんのどちらかを首相に選ぶ選挙だ」と言われたら、この結果にならざるを得ない。それにしても、ここまでの大差になるとは思わなかったが。
高市首相はオールマイティーの権力を得た
さて、自民党だけで衆議院で三分の二の議席を得た。我が国は野党が存在しない国のようである。高市首相は次の選挙まで、オールマイティーの権力を得た。総理大臣の権力とは、衆議院選挙で示された民意を背景にしているので、次の選挙まで何をやっても良い。高市首相は消費減税を公約したのだから、阻む力は無い。「言い訳ができない状況」になったとも言える。まさか、公約が「検討を加速する」だったので、「検討したけど実現しません」とは言うまい。
第二次政権において安倍晋三首相は選挙にすべて勝った直後に、時の財務事務次官木下康司に消費増税を押し付けられた。高市首相には二の舞にならぬようしていただきたい。選挙に勝った(しかもこれほどの勝ち方をした)総理大臣が官僚に負けたのなら、選挙をやる意味がなくなってしまう。
もはや、我が国は野党が存在しない国
もはや、我が国は野党が存在しない国である。民主主義において、「選挙に勝った総理大臣が次の選挙まで何をやっても良い」のは健全な姿である。ただし、二つの条件がある。一つは少数派にも言論の自由が与えられていること。もう一つは、再挑戦の機会が与えられていること。少数派に次の選挙で多数派となるよう説得する機会が与えられていることだ。今の多数が永遠ではないとの緊張感によって、多数派は常に少数派への説得を行う義務が生じる。ところが、1955年以後の日本政治は、第二党が弱すぎた。しかも、質も悪すぎた。だからパヨクなのだ。
歴代野党第一党が弱すぎたので、二大政党ではなく、1.5大政党制と言われ続けた。
今回の総選挙は、この1.5大政党制を一掃する好機だと捉えるべきではないか。民意は高市自民党の主張が正しいと支持したが、その正しさが永遠であるとするならば、選挙をやる必要はない。
「陛下の野党」を要求すべきではないか
憲法政治の本場のイギリスでは、伝統的に第二党を「陛下の野党」と呼ぶ。イギリスで「王室を廃止せよ」などと共和主義を叫んでも相手にされないし、「政争は水際まで」で安全保障を政治的争点にすることは戒められている。これは長い憲法政治の運用の中で、慣例が蓄積されて今に至る。保守・労働の両党の政争は激しいが、このような国家の根本の問題に関しては一致している。だからこそ、経済問題やイデオロギーの問題でどんなに対立しても、国が壊れる心配はない。
翻って我が国では。平気で「アンケート調査で次の天皇を決めよ」などと軽佻浮薄なマスコミが支配的で、影響を受けている政治家もいる。政権交代したら日米安保条約が破棄されるのではないかとの恐怖感が「悪夢の民主党政権」で現実化した。そして日本国憲法は制定以来、誤植も含めて一文字も変えられていない。
これすべて「陛下の野党」が不在だからだ。
と言って、今すぐ中道改革連合を解体し、野党第一党の地位から引きずり下ろせとは言わない。
自民党は衆議院を解散したいはずが無いが、必ず2年半後に参議院選挙がある。その時に、自民党と「陛下の野党」を選べる未来を、日本国民は要求すべきではないか。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日に発売
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