「カフェ風インテリア」と呼ばれるインテリアスタイルがあります。インテリア雑誌を読めば、おしゃれなカフェ風インテリアの作り方がたくさん解説されています。

無骨な無垢材を使いましょう、ビンテージ感のある素材を使いましょう、レザーとアイアンを使いましょうなどなど。参考にはなるのですが、なんだか違和感があるような気がします。

カフェといったら色んなカフェがあるはずなのに、解説を見るとなぜか特定のインテリアスタイルだけを指しているように感じます。無骨な素材でビンテージ感を演出した、まるで工場・倉庫みたいな部屋。それってただのインダストリアルスタイルじゃないの?

そうなんです。インテリアの世界では、この世のすべてのカフェではなく、アメリカ由来のインダストリアルスタイルのカフェを再現することを「カフェ風インテリア」と呼ぶことが多いのです。

フレンチカフェだとか、モダン風カフェだとか、ちょろっと触れられていることもあるけどオマケ程度。明らかにインダストリアル風カフェの割合が多いのです。どうしてそんなことが起きてしまうのでしょうか?

発端となったのは平成カフェブーム

なぜ「カフェ風インテリア」は無骨になるのか?平成カフェブームが生んだ“意外な正体”
写真はニコカグスタイルより
世代がバレる話題になってしまいますが、日本では2000年ごろに「平成カフェブーム」がありました。カフェってオシャレだよね、みんなでカフェを楽しもうよというトレンドです。

カフェって食事メニューも内装も素敵だなあ。じゃあこれを自宅にも取り入れられたら最高なんじゃないか。そんな発想から生まれたのが、カフェ風インテリアです。


自宅でカフェメニューを作ってみよう。自宅の内装もカフェっぽくしてみよう。ファッションのブームと比べるとささやかな規模ですが、インテリアの世界でも、自宅でカフェみたいな暮らしを再現するのが流行したんです。おうちカフェ、なんて言葉も生まれて雑誌もたくさん特集記事を出しました。

この平成カフェブームの中で、特に人気になったのがアメリカ発のインダストリアル風カフェでした。当時のカリスマ的な人気カフェ「バワリーキッチン」もアメリカ系インダストリアルのカフェですし、ちょうどこの時期に日本1号店を出店した「スターバックス」もアメリカルーツのカフェですね。

どうせ再現するのなら人気のあるカフェを真似したいものです。当時はこういった、アメリカンでインダストリアルなカフェが大人気だったので、それを参考にしたインテリアコーディネートがカフェ風のお手本として定着していきました。

平成カフェブームに起因した、インダストリアルなカフェを自宅でマネするスタイルのこと……これをカフェ風インテリアと呼んでいたのがそもそもの発端なので、今でもイメージされるスタイル像に偏りがあるわけですね。

インテリア雑誌は何を解説しているのか?

なぜ「カフェ風インテリア」は無骨になるのか?平成カフェブームが生んだ“意外な正体”
写真はニコアンド「インテリアの教科書」より
そんなルーツを踏まえると、インテリア雑誌に何が書いてあるのかがよく分かるようになります。カフェ風インテリアの作り方って、一体全体何を解説しているの?

無骨な木材を使いましょう、ビンテージ感を出しましょう、レザーとアイアンを使いましょう。そんな解説は、ベースとなるインダストリアルらしさの作り方を話題にしているわけです。

ネイティブ柄が相性ヨシ、デニム生地も合いますよ、アルファベットの書かれたチョークアートもおすすめです。
そんな解説は、アメリカっぽい要素を加えてみましょうという提案をしているわけです。

コーヒー豆を保管する麻袋を収納に使ってみましょう、マグカップをペン立てに使ってみましょう、ピクルス容器を小物入れに使ってみましょう。そんなアイディアは、カフェという飲食店らしいフードモチーフを取り入れてみましょうと言っているわけです。暗号の解読みたいですね。

これが読み取れるようになると、知識の吸収効率がグッと良くなります。平成っぽいカフェ風インテリアを作りたいときはもちろん参考にできるし、平成っぽくしたくない場合も上手に避けることができるようになりますよ。

おすすめカフェ風ショップ「ニコアンド」

なぜ「カフェ風インテリア」は無骨になるのか?平成カフェブームが生んだ“意外な正体”
写真は「ニコアンド」の公式HPより
補足ですが、手軽にカフェ風インテリアを楽しんでみたいなら「ニコアンド」は非常におすすめです。あんなに身近で、あんなにカフェ風らしいショップはなかなかありません。

店内を見渡せば、アメリカっぽい商品、ビンテージっぽい商品、食べ物屋さんっぽい商品などなど、いかにもカフェ風インテリアらしいアイテムをたくさん見つけられるはずです。

必ずしも平成カフェブーム由来のコーディネートだけが正義ではありませんが、もしも再現したいときは、ぜひニコアンドに行ってみて下さい。頼りになりますよ。

【カジキ】
暮らし、住まいの世界を長年見てきた経験を元に、インテリアの法則を各コンテンツで言語化して発信中。
YouTube「ゆっくりインテリア」、ブログ「様子のおかしいインテリア店」、Xアカウント@kajikissa
編集部おすすめ