「痩せたら可愛い」そんな言葉に対し、逆に“23kg太った写真”を投稿。この異色のビフォーアフターが、Xで約870万インプレッションを記録し、大きな話題を呼んだ藤田シオンさん。

23kg増“逆ビフォーアフター”がSNSで話題の女性を直撃。...の画像はこちら >>
彼女はいったい何者なのか? 一般的なダイエット投稿とは真逆の発信スタイルで注目を集めたが、その裏には、地下アイドルとしての挫折や突然の解雇、そして心身を崩した過去があったのだ。

“神様”のつくった曲が歌いたくてアイドルデビューを決意


23kg増“逆ビフォーアフター”がSNSで話題の女性を直撃。アイドル時代は「正直うまくいかず」
藤田シオンさん
待ち合わせ場所に現れたのは、地雷系ファッションに身を包んだ可愛らしいツインテールの女性。声をかけると、深々とお辞儀をする。

23kg増“逆ビフォーアフター”がSNSで話題の女性を直撃。アイドル時代は「正直うまくいかず」
藤田シオン
衣装は彼女の私服だが、撮影しやすいコーディネートでくるあたり、相当、芸歴が長いのかと思った。だが、意外なことにデビューは2021年。

「そもそも芸能志望ではありませんでした。当時付き合っていたパートナーの方にこっぴどく振られて“自分って何なのだろう?”と自暴自棄になっていたときに、芸能事務所にスカウトされました」

中学の頃からサブカルチャーが大好きだった藤田さんは、その影響でエッセイをはじめとする表現の活動をしてみたいという気持ちが漠然とあったという。

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藤田シオン
また彼女が“神様”と呼ぶほど崇拝するトラウマテクノポップバンド「アーバンギャルド」が、アイドルに楽曲提供していたことから、「私も神様のつくった曲を歌いたい!」とアイドルにチャレンジすることにしたんだとか。

「神様から楽曲提供していただける予定があったわけではないのですが(苦笑)、アイドルというカテゴリーに属したら、もしかしたら彼らの曲が歌えるのかもしれないし、そのバンドさんが『鬱フェス』というフェスを主催していることもあり、憧れの方とご一緒できる可能性があるかもしれない。邪な気持ちでは一切なく、可能性がゼロではないなら、人生かけてアイドルしようと決めました」

事務所に所属した当時は54kgだった体重を、パーソナルジムに通って50kgまで減量。半年間、歌と演技とダンスのレッスンをしていたようだ。そして、満を持してデビューするわけだが、「正直、うまくいっていたとはいえませんね」と肩をおとす。

炎上も経験「当時はアンチとの戦いでした」


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藤田シオン
「アイドル業界はパチンコ屋みたいなものだなぁと感じました。外側から見ると、すごくキラキラしているんですよね。
でも実際は、悲喜こもごもの世界でした。

歌って踊れて、メンバー全員がよーいどん!で麻雀を始めて女流雀士を目指すというコンセプトのグループだったんですが、麻雀は競技の世界なので、なにせ目の肥えている方が多かったもので……」

麻雀ガチ勢たちは未経験の子がキャピキャピと麻雀をすること自体をよく思わず、洗牌をした動画をXに載せた際には、「下手くそ!」と炎上したようだ。

「洗牌を教えてくれた人にも炎上が飛び火してしまい、申し訳ない気持ちでした。わたくしとしては、麻雀も真剣に頑張りたいという気持ちがありましたし、こんなひどいことを言われ続けなければいけないのかと……今でこそ、炎上ものりこなしていますが、当時はアンチとの戦いでしたね」

色々と大変なことがありつつも2022年12月に豊洲PITで行われた「インディーズアイドルチャンピオンシップ」という200組の地下アイドルが出場するコンテストで準グランプリに輝く。

「出場者には有名グループもいらっしゃる中で準グランプリをいただくことができて、これが人生のピークだな、と思いました」

ここから上がっていくだけかと思いきや、状況は徐々に変化していったという。

「決勝出場祝いとしてファンの方に還元する形で新衣装をいただいたのですが、その1ヶ月後のワンマンライブで“目標動員に達しなければ衣装を没収”という方針が打ち出されたんです。本来は応援へのお返しという位置づけだったはずなので、戸惑いの声もあったのではないかと感じました」

生誕祭の3日後に「クビ」

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藤田シオン
さらに、当時YouTubeで話題となっていた昆虫食企画も検討された。

「ゴキブリを食べる動画が流行っていて、“波に乗っていこう”という流れになりました。基本的には運営の方針に従う形でしたが、私はどうしても抵抗があり、別の個人仕事を入れて参加は見送らせていただきました」

企画自体は大きな反響にはつながらず、現場の空気にも少しずつ変化が生まれていったという。動員は伸び悩み、藤田さんは「状況の難しさを感じていた」と振り返る。

「話題づくりも大切ですが、長く続けていくには今いるファンの方を大切にすることが必要だと感じていました。その思いは、わたくしなりに伝えていたつもりです」

しかし、生誕祭から3日後、藤田さんは「方向性の違い」ということでグループ脱退を告げられる。

「レッスン後に呼び出され、今日でクビと伝えられました。
理由を尋ねても“決定事項だから”という説明で、頭が追いつきませんでした。前日にはオフ会で社長とファンの方が『これからもよろしくね』と声をかけてくださっていたんです。それだけに戸惑いが大きくて……。あの日の空がすごく青かったことを覚えています」

急な出来事に心の整理がつかないまま、グループを離れることになったという。

トンチキな過去さえも自分の歴史として“糧”に


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藤田シオン
藤田さんはアイドルとして活動する中で、うつ病とパニック障害を発症していた。脱退後は薬の量も増えてしまい、摂食障害が悪化してしまう。そしてデビュー時に50kgまで落とした体重は、1年で35kgも増えてしまったという。

「ただ、そんな状況でもこのままでは終わりたくなかった。だから、アイドルの肩書きを無くして、代わりに何かひとつ肩書きを作って、わらしべをしていこうと考えました。何者かになるには、ライバーがまず第一歩だなと配信を始めました」

金銭的に困窮し、パックごはんしか食べられなかったことや、穴があいた靴下を縫っていたことなども全てネタにしたようだ。

「ひとつの肩書きを得たら、全力でわらしべして、次の肩書きを手に入れる。ライバー、グラビアを経て、インフルエンサーの収益だけで生活していけるまでになりました。
今後はグラビアの活動は終了する予定です。

ツラいことやクビになった経験があるからこそ、今のわたくしがあるんです。こういった取材のときに話すとだいたいウケるので、トンチキな過去があってよかったとさえ思います。それも含めて全てが自分の歴史として“糧”になっていますね」

23kg増“逆ビフォーアフター”がSNSで話題の女性を直撃。アイドル時代は「正直うまくいかず」
藤田シオン
ビフォーアフター写真の裏に隠されていた意外な過去を乗り越えて、自分の理想に近づいていく彼女。今後はどんな新しいバズを生み出していくのだろうか。

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/長谷英史>

―[藤田シオン]―

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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