断糖高脂質ダイエットの提唱者・金森重樹氏と、薬草研究家・織田剛氏による対談の後編。前編では、現代の食生活がいかに人間本来のあり方からかけ離れているかが熱く語られた。
今回のテーマは、長年の不自然な習慣で蓄積した「毒」をどう排出すべきか。身体を根底からリセットする「解毒(デトックス)」の実践編をお届けする。
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――後編のテーマは「解毒」ですが、そもそもなぜ今、これほどまでにデトックスが必要なのでしょうか。

織田 著書『4日で若返る「毒出し」のトリセツ』でも書きましたが、今の社会では食べ物や空気、それこそ水に至るまで、あらゆるものが「毒」になり得ます。特に私が拠点にしている沖縄では、「水」のリスクが深刻な問題となっています。

金森 PFAS(有機フッ素化合物)による汚染問題ですね。

織田 ええ。国際条約で禁止されたはずの発がん性物質が、水道水に含まれていると判明したんです。これにはショックを受けましたね。

金森 よく分かります。私は今、海外で生活していますが、現地の水道水は汚すぎて飲めたものではありません。だから、雨水を煮沸して使っているほどです。
空気の汚染も、皆さんが実感されている通りでしょう。例えばイネ科の植物は、土壌からカドミウムやヒ素といった有害な重金属を吸い上げ、溜め込みやすい性質があります。こうした稲の汚染が問題視されているということは、大地そのものも汚れてしまっているということです。

織田 日本で暮らす以上、こうした環境毒を100%避けるのはもう不可能に近い。だからこそ、「入ってしまった毒をどう出すか」という出口戦略が鍵を握るんです。

■高血糖は万病のもと。断食を生活習慣に取り入れよう

――具体的に、どう解毒を進めていけばいいのでしょうか。

金森 解決策はシンプルで、「断食(ファスティング)」によるリセットに尽きます。糖質に話を戻せば、現代の医学においては高血糖こそが万病のもと。断食を繰り返すことで糖毒性を抜きつつ、細胞が自ら体内を掃除する「オートファジー」を呼び起こす必要があります。僕自身、2年半は1日1食、週5回の24時間ファスティング。さらに週1回の48時間ファスティングを習慣化させています。


織田 かなりストイックですね。金森さんはファスティングに加えて、ビタミンCを使った手法も取り入れていますよね。

金森 「ビタミンCフラッシュ」ですね。いわゆる腸洗いです。ビタミンCを限界まで摂ると激しい水便をもよおしますが、これが毒素などを強力に排出してくれる。少ししんどい面もありますが、毒が溜まった現代人はまずここから始めるべきでしょうね。

――織田さんも宮古島で、独自の「フランス式ファスティング」を実践されています。具体的にはどのような手法なのですか?

織田 日本のファスティングはダイエット重視で、添加物入りの酵素ドリンクなどを使うことが多いですよね。対して私がフランスで学んだのは、ハーブによる薬理調整をセットにする手法です。ハーブは特定の臓器とリンクしているものが多いので、「今回は肝臓」「次は腎臓」といった具合に、自分の体で人体実験を繰り返してきました。実際、数値が劇的に改善した例もたくさんあり、その知見をツアーでも伝えています。

金森 ファスティングとハーブの組み合わせは初めて聞きましたが、非常に興味深いですね。
具体的にはどんなスケジュールで行うんですか?

織田 「4日間」を1サイクルにして、それを月に1回行います。その4日間は固定物を摂らず、朝と昼はハーブドリンクやMCTオイル入りのコーヒー・紅茶、夜は栄養満点のスープを飲んで過ごします。これを半年ほど続けると、身体は完全に作り変わります。驚くほど痩せますし、何より内臓脂肪から落ちるので健康的です。

さらに、食以外ではサウナや薬湯も実践。宮古島原産のハーブを数種類ブレンドしてお風呂に入れたり、その蒸気を吸い込んだりする手法も取り入れています。

金森 それは素晴らしい。栄養素は口から摂っても2~3割しか吸収されないことが多いですから、皮膚や粘膜からの「経皮吸収」も組み合わせるのは非常に効率的ですね。日本に帰った時は、ぜひ参加してみたい。

現代人の体内は毒まみれ⁉ 断糖高脂質の第一人者と薬草研究家が語る「解毒のすすめ」
宮古島でハーブファスティングや海岸での瞑想体験など、リトリート体験プログラムも提供している織田氏


■人類は骨髄が主食だった!

――ファスティングで身体を掃除する過程で、他におすすめの食べものはありますか?

金森 一番は「骨」ですね。骨髄には良質な脂肪分がギッシリ詰まっています。旧石器時代の人類にとって、骨髄は栄養満点の保存食でした。
可食部は脂たっぷりの骨髄や関節周りの肉、あとは内臓。赤身肉は犬にあげていたなんて言われるほど、脂質こそがご馳走だったんです。

僕がいまハマっているのは、骨付きのブリスケット(牛の肩バラ肉)をスパイスや魚醤、雨水で2時間半ほど煮込んだものです。骨髄のエキスが溶け出したスープは、細胞のバグを修復する「飲む点滴」といえます。

現代人の体内は毒まみれ⁉ 断糖高脂質の第一人者と薬草研究家が語る「解毒のすすめ」
グラスフェッドビーフの骨を煮出して作ったブリスケ。金森さんが「飲む点滴」と表現するほど体に必要なものが濃縮されている


織田 骨髄! いいですよね。私のツアーでも、夜のスープにボーンブロス(骨だしスープ)を出すことがあります。動物の骨から煮出したスープには、必須アミノ酸やミネラル、ケイ素などが豊富に含まれており、ファスティング中の栄養補給に最適なんですよ。スープなのに、エネルギーがすごすぎて不思議とお腹いっぱいになりますしね。

――日本でその「骨髄エキス」を再現するには、どうすればいいでしょうか。

金森 肉屋へ行って「ゲンコツをくれ」と言えばいいですよ。ラーメン屋と同じように、それを数時間煮込めば白い出汁が出ます。それが極上のスープになります。
イタリアの伝統料理「オッソブーコ」なんかを参考にしてみるのも面白いかもしれません。

織田 フランスでも、骨と野菜をコトコト煮込んだブイヨンスープが人気で、コラーゲンがたっぷり含まれていることから、「飲む美容スープ」とも言われます。健康になりながら、お肌もツルツルになるので、ぜひ試してみてください。

金森重樹
東京大学法学部卒。作家、翻訳者、ビジネスプロデューサー。糖質ではなく脂質に着目した「断糖高脂質」により2か月で30㎏以上の減量に成功、そのメソッドを書いた「ガチ速〝脂〟ダイエット」シリーズは累計10万部を突破。「金森式」としてSNSで広く拡散され、大きな話題を呼んだ。「旧石器時代になるべく近い生活様式を現代で再現する」ことをモットーに、食事、サプリメント、歩行、睡眠などの研究にも余念がない。2026年現在、バヌアツ共和国で暮らす。

織田剛
1979年沖縄宮古島生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒、一橋大学大学院言社会研究科博士課程在学時にパリ第八大学博士課程に留学。指導教官にフランスの伝統的薬草学を紹介され、フランスハーブの世界を知る。
フランスで流行していたファスティングの実践で10キロ以上のダイエットに成功し、体調の劇的な改善を実感する。2015年、肺の遺伝性の難病が発症し、片肺を切除の宣告を受けるが、フランスのメディカル・ハーブの独自研究で肺の寛解に成功。フランスの伝統的な薬草学や修道院などでおこなわれていたファスティングの理論を体系化。現在はフランスの伝統的な薬草学を紹介し、薬草学の普及、ハーブ治療院をつくるために活動し、ハーブ・ファスティング(R)を開発。著書に『4日で若返る「毒出し」のトリセツ』(すばる舎)。登録者数3万2000人のYouTubeチャンネル「ハーブファスティング・未来薬草学 織田剛」 を運営。
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