「痩せたら可愛い」そんな言葉に対し、逆に“23kg太った写真”を投稿。この異色のビフォーアフターが、Xで約870万インプレッションを記録し、大きな話題を呼んだ藤田シオンさん。

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本人を直撃すると、「痩せ信仰が多くの人を苦しめているんです」と話す。その背景にある、意外な過去と今後の展望とは!?(記事は全2回の2回目)

生きるためにグラビアを始めたが…


「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
藤田シオンさん
藤田さんは、過去には地下アイドルとして活動。その後はグラビア、ライバー、雀荘バイトなど、さまざまな活動を経て、現在は「インフルエンサーの収益のみで生活できるようになった」と話す。

アイドルグループを脱退し、無職になったころ、ちょうどマンションの更新があったので、即座に次の行動に移した。

「グラビアを始めたのは生きるため、でした。あとはバーのゲスト出勤やライブ配信。何かひとつ肩書きを得たら、それを全力でわらしべて、その次の肩書きを手に入れて、どんどんわらしべていこうと考えました」

グラドルとしても人気のある彼女だが「グラビア活動は終了が決定しています」と話す。

脅迫を受けて「疑似恋愛には限界がある」


「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
藤田シオン
「グラビアの仕事を始めてから、ファンの方から強姦や誘拐などの脅迫を受けました。グラビアという仕事は疑似恋愛の側面もあるんだとそこで初めて気がつきました。わたくしはファンの方と個人間のやりとりはしませんが『それでも必ず見つけ出して誘拐してやる』と言われたこともあります。警察に相談した件数は4件です。

わたくしの考えていたグラビアはマイルドな世界でした。大半のファンの方は優しくてありがたかったのですが、ファンの方の中には推し活の範疇を超えているのでは……と危機感を感じる行動をする方もいました。イベントが終わった後に『今日も生きて帰れてよかった』と安堵するようになり、怖くてイベント前日は眠れなくなりました。
ファンの方からの尾行が怖くて電車や駅で過呼吸を起こすこともあり、このまま続けたら自分の心が苦しくなる一方だと感じるようになっていました」

そんなとき、藤田さんがいっきに知名度を上げるキッカケとなったのが、例のビフォーアフター写真のポストだ。そして自分のファン層を分析すると、あることに気がついたという。

「イベントや撮影会に来てくれる方のほとんどが女性のファンの方で、Xのインプレッションを分析した時も73%が女性でした。そしてバズっている投稿の傾向もファッションや生き方というコンテンツがほとんど。グラビア活動の継続に悩んでいたのですが、この数字と事実を見て、自分は男性向けでしかウケないと思っていたけど、実際そうではないんだな、自分の可能性を信じて幅広い層に展開した方が息の根が長いな、と感じました。DVDのオファーも新たなジャンルで頑張っていくために見送りました。タイミングがすごく良かったですね」

痩せ信仰が多くの人を苦しませている


「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
藤田シオン
2025年の秋より「一般ジャンルに移ろう!」と、活動の方向転換を決意した藤田さんは、自身のありのままの姿を発信するようになった。

「ファンの女性から『太っちゃって自分のことを否定していたけど、シオンちゃんに出会って、好きな服を着ようと思えるようになりました』などのメッセージをたくさんもらうようになりました。やっぱり、言い続けることに意味があるなと。そして、今の痩せ信仰は多くの人を苦しめているな、と再認識しました」

今でこそ、ぽっちゃりしている自分を肯定して活動しているが、高校生の頃は体重が38kgしかなかったようだ。

「当時は自分が頑張ってダイエットしていたから、周りの人のことを勝手に“頑張れるのに頑張っていない人”と、決めつけて冷笑していました。でも気がついたんです。その言葉は自分への呪いだって。
わたくしの母が躾にすごく厳しくて、目がパッチリ開いていなかったり、背筋が曲がっていたり、歩き方がモタモタしていると怒鳴られる家庭で育ちました。教育には感謝していますが、それも今思えば呪いの側面もあったと思います。誰かを攻撃することは、その弱い部分が絶対に自分の中にある。悪口も自分が言われたくないことを相手に対して言ってしまったりしますよね。

ルックス至上主義(ルッキズム)もそうですが、いきすぎた痩せ信仰は、自分たちで自分たちを苦しめてない?と、わたくしは思います。“痩せ”に該当しない子たちの方が、明らかに分母が大きいから、ほとんどの人が苦しむ結果になってしまう。

だから私のありのままで『30代・ツインテール・地雷系』という発信をすることで、少しでもみんなに楽になってほしいです」

「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
藤田シオン
また、世の中の「〇〇は痛い」「○歳までにこうなるべき」という考え方にも藤田さんはこう持論を述べる。

「何歳までに結婚すべきとか、何歳になったらロリータ服を着たら痛いとか、あくまで人それぞれの主観的な話なんです。

たとえば、ロリータ服を着こなしているおばあちゃんって素敵じゃないですか。この年齢はこの格好をしたらダメとかではなく、ファッションってトータルの完成度だと思います。

わたくしは確かに痩せてはいないし、絶世の美女ではありませんが、そういった全体の完成度の向上を目指しています」

多くの女性を呪いから解放したい

「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
藤田シオン
藤田さんはありのままの発信を続けることで、少しでも多くの女性が呪いから「解放したい」と力強くいう。

「美の価値観は結局、資本主義が作っているわけだから、物を売るためのムーブでしかない。
だから正直、終わりは来ないし、世界なんて変えられないと思います。わたくしは大スターでも金持ちでもありませんが、今は毎日がとても楽しいです。

痩せたら美しくないとかそういうことでは一切なく、令和の“可愛い” は多様化すべき。わたくしが可愛いの新しいジャンルを作って、太っている子でも自分を呪わないでいられるようにしていけたらな……」

「痩せなきゃ価値がない」と悩む人に“23kg太った写真”を投稿した女性が伝えたいこと
ケーキを食べる藤田さん
目の前にあるショートケーキを美味しそうに頬張りながら「人生も体型も顔もいい感じにカスタムしていきたいですね」と微笑んでいた。

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/長谷英史>

―[藤田シオン]―

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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