―[あの日夢見た雲組]―

「僕が見たかった青空」、2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルとして結成したアイドルグループ(通称:僕青)だ。
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同グループはセカンドシングル以降、シングル選抜システムを採用。
メンバー21人(1名活動休止中)は、表題曲やメディア出演をしていく選抜の「青空組」と、ライブなどを中心に活動する「雲組」の2つチームに分かれて活動している。

この連載「あの日夢見た雲組」は、12月17日リリースの7枚目シングル「あれはフェアリー」で構成された雲組単独公演のライブとともに、雲組で切磋琢磨するメンバーに注目していく。

消極的な自分を変えるためのチャンス

「やりきったなと思います。現体制の雲組メンバーが感じていた責任やプレッシャーは、今まで以上に大変な期間でした」
 
2月11日に行われたコンサート「超雲組公演でらっくす(以下、超雲)」を終えて、そう振り返るのは千葉県出身の伊藤ゆず。グループ最年長の24歳、171センチと抜群なスタイルで雲組メンバーからは“ゆず姉”と慕われるメンバーだ。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
伊藤ゆず
7枚目シングルの雲組は、昨年10月から毎月の雲組単独公演に加えて、僕青全体のコンサートのレッスンが重なるなど過酷なものだった。今年1月に行われた雲組単独公演#25の東名阪ツアーは過去最少の9人体制で乗り切った。そんな活動期間のまとめ役にみずから手を挙げたのが伊藤だ。

「6枚目シングルの雲組をまとめていた塩釜菜那ちゃんや長谷川稀未ちゃんが雲組に移動して、誰がやるんだろうと全員が不安だったと思います。私は過去に一度だけ雲組単独公演#16でリーダーを務めたことがあって、公演後に褒めたもらえたことがありました。みんなの先頭に立てる自信があったわけじゃない。でも、『消極的な自分を変えるためのチャンスなんだ』と言い聞かせて、やらせてくださいと言いました」

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演

「雲組の本気が伝わらないのは悔しかった」

レッスン中はメンバーひとりひとりに目を向けて、良いところを見つけたら本人に伝えることを心掛けた。だが、彼女自身も超雲公演でメインメンバーに選ばれた楽曲のことや公演に関する確認事項など、責任とプレッシャーで何度も押しつぶされそうになった。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
「飛ばなかった紙飛行機」について確認をする伊藤
「かなりの心配症だから、公演の前日はいつも寝れなくなっちゃうんです。
ベッドに入っても、このまま寝て大丈夫か?と不安になって、『もっと良いMCの内容はないか』『ここの歌は何拍分を伸ばさないと』っていう事前の準備をしないとダメな人間なんです。本番はアドリブでどうにかなると思える子もいるけど、私は器用なタイプじゃないから」

迎えた超雲公演当日。リハーサルからその不安が現実に。今回の公演で目玉となる安納蒼衣のドラムに合わせてパフォーマンスを披露するブロックで、タイミングが合わずに苦戦していた。そのパートでとくに力を入れていた楽曲「反響のティッピングポイント」を見ていたスタッフが音を止めて、「見ていて何も伝わらない」とゲキを飛ばした。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
ドラムと合わせてリハーサルする際、安納に視線を送る伊藤
「本番当日までちゃんと合わせることができていなくて、全員が出し切れていなかったと感じました。1部の本番前の円陣で蒼衣ちゃんが、『みんなとたくさん目を合わせるように頑張るね』と言ってくれて、私も8人の顔を見て『私たちはもっと出せるよ!』と声を掛けました。こんな贅沢な演出をさせてもらえることは今後ないかもしれないのに、雲組の本気が伝わらないのは悔しかった」

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演


メンバーの「やりきった」という顔に安堵

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
その言葉で、全員が吹っ切れたように気迫のパフォーマンスを見せると盛大な歓声が上がる。「ドラムパートで私がメインメンバーを任せてもらった『好きすぎてUp and down』も、ファンの方の表情で楽しんでもらえていることを実感できました」。また、「青春の旅人よ」では、ファンから派生して生まれた曲中の“いとうゆずコール”が会場を包んだ。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
「とにかく最後まで必死でした。リーダーとしてもっとできたかなという心残りはあるけど、超雲公演が終わってメンバーを見たらやりきった!という顔をしていたから、安心できました」

伊藤は3枚目シングル「スペアのない恋」まで青空組だったが、4枚目以降は雲組へ移動になった。7枚目シングルの選抜発表後のブログに「私は今回も雲組です。
正直、『今回も』と言わなきゃいけないことが悔しい」と本音を漏らしていた。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
「雲組も良い曲をいただいてるし、MV も撮らせてもらっている。でも、青空組がパフォーマンスしてるところを見ていて、ずっと心のモヤモヤはあります。やっぱり私にしか出せないものを見つけて、もっと押し出していくっていうことが足りないかなと思ってます。他の子と比べると表情がわかりづらいと言われることもあるので、そこも課題ですね」

自分の責任で追いかける「アイドル」という夢

グループ活動をしているときは24歳という年齢を感じることはないが、プライベートの友達と会うときに意識する場面は増えた。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
「僕青のオーディションは大学の就活中に受けたんです。だから、同級生は就職して、結婚する友達も増えているので、もうそういう年齢なんだなって」

大学では服飾系の学科に在籍。学生ファッションショーなどでモデルを務めるうちに表に出る仕事に興味を持ち始めた。大学2年生のとき、日向坂46の4期生オーディションに挑戦したが4次審査で涙を飲んだ。それを機に別のやりたいことを模索したが、ライトを浴びてステージに立ちたい!という夢を超えるものはなかった。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
「私はひとりっ子で両親に甘やかされていた部分もあったけど、『必ず大学は卒業する』というのは母との約束でした。だから、卒業に必要な単位を取り終えてから、僕青に受かったことを打ち明けて『卒業後は自分の責任でアイドルをやらせてください』とお願いしたのを覚えています」

絶対にバレたくない「ズボラ具合」

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
僕が見たかった青空 雲組公演
今年の僕青は2度目の全国ツアーに加え、結成3周年記念として初の野外コンサートに挑む。「たくさんの方に刺さるようなパフォーマンスと、僕青の新たな一面も知ってもらいたい」。
グループでは姉御肌のイメージが定着しつつある伊藤だが、親に見せる素顔とはギャップがあるそうだ。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
「雲組に入ったときに少人数で歌重視の楽曲に憧れがあったので、『昇降口で会えたら』は毎回披露するたびに嬉しさを噛みしめてます」(伊藤)
「小さい頃から両親には『横着しない!』ってよく怒られてたんです。ひとり暮らしを始めて、そんな私のだらしない部分が少しだけやりたい放題になっていて(苦笑)。料理や掃除は頑張っていますが、お母さんの応援と支援にだいぶ助けてもらっています。

以前、スタッフさんにズボラ具合いをすべて打ち明けたら、『それは伊藤ゆずっていう存在が消えるから、ここぞというバラエティ番組のためにとっておこう』って言われたんですよ……。なので、絶対にバレたくない(笑)。まだまだ、綺麗なお姉さんでいたいです!」

そんな意外な一面が彼女の新たな魅力を見出すきっかけになるかもしれない。

僕青・伊藤ゆず、極度の心配性の中で向き合った雲組リーダーの責任「本気が伝わらないのは悔しかった」
「綺麗なお姉さんでいたい」伊藤だが「綺麗」か「可愛い」だと、「どっちも嬉しいですけど、アイドルなので、どちらかといえば『可愛い』と言われるほうが嬉しい」とのこと
【伊藤 ゆず(いとう ゆず)】
2001年、千葉県生まれ。2023年6月15日に結成したアイドルグループ「僕が見たかった青空」(通称「僕青」)のメンバー。僕青の最年長で、身長は171センチ。7枚目シングル「あれはフェアリー」が発売中。3月29日(日)KANDA SQUARE HALL(東京)を皮切りに、6都市を回る「僕が見たかった青空 全国ツアー2026」や、6月20日(土)には河口湖ステラシアターにて「結成3周年記念 僕が観たかった『青空野外』ライブ2026」の開催も決定した。
最新情報は公式HPをチェック

<取材・文/吉岡 俊 撮影/星 亘(扶桑社)>

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