春先になると、新年度が始まるということで、冬の案件とは一味違った依頼が来ることがあるという。
都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、詳しい話を聞いた。


春は心機一転、特殊清掃のタイミング?

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暖かくなってくると、今まで目立っていなかった孤独死の特殊清掃依頼の件数が増える。

「清掃はしていたものの、冬の間はわからなかった臭いが春先になって“むわっ”と出てきてしまい、清掃してほしいという依頼がいきなり増えますね。春先になると隠れていた臭い物質がいきなり現れるんです。一見、部屋は綺麗でも『臭いが気になるから清掃してくれ』といった依頼が突然増えますね。もちろん、今まで見つかっていなかった孤独死の現場の特殊清掃もどんどん増えてきます」

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特殊清掃
また、春は新年度の始まりということで、依頼の内容も通常の特殊清掃と比べて少し違ったものになってくる。

「引越しのタイミングで部屋を綺麗にしてほしいという依頼が増えます。引越し以外でも家が散らかっていて、新年度ということで区切りとして清掃してほしいという依頼も多いです。春は自分の家の環境を見直すタイミングになるんですかね。依頼してくる方は大体がゴミ屋敷の方です。『このレベルだとハウスクリーニングっていうより特殊清掃かな……』という自覚があって依頼される方が多いです」

「仕事が忙しすぎる」人たちからの依頼

春先になると、虫が湧いてくるのでそのタイミングでの依頼も増える。

「冷蔵庫に小蝿がたかっているから清掃してくれと言われることも多いですね。ご自身で殺虫剤で対処するよりは業者を呼んだほうが早いと思われるようです。ある程度収入はあるけど、仕事が忙しすぎて家が散らかりっぱなしになってる人は案外多いです。

夜型の人だと、仕事でヘトヘトになって帰ってくるタイミングでゴミを出してから寝ようって気になりませんよね。
給料は多いけど休みが少なく、自分のプライベートな時間をあまり確保できていない方からの清掃依頼は多いように思えます」

また、ずっと家で仕事をしている人からの依頼も増える。

「ものが増えすぎたということで、フィギュアとか服を一個一個チェックしながら一緒に処分していく依頼も来たりします。無造作に服が落ちてたり、生活雑貨や貴重品が散乱していて、それを箱に詰める作業です。こういった依頼の特徴としては、郵便物が散らかっていたり壁際から吸い終わったアイコスがポロポロ落ちてきたり、規則性のない散らかり方をしていますね。男女比で言うと、若干女性からの依頼が多いかなと思います。男性はゴミ屋敷になりがちで、女性は生活用品など身の回りのもので散らかっているケースが多いです。掃除の最中に未開封の同じ生活雑貨が至る所から出てきたら、『何個残しておきますか?』と確認しながら清掃をします」

「明確なゴールがない」お断りせざるを得ない案件

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依頼
だが、あくまで特殊清掃業者ということで、「部屋の模様替えをしてほしい」との依頼は断るようにしている。

「昔は、模様替えなどの仕事も引き受けていたんですが、『え? ここでもう終わりですか?』と。あんまり変わってないじゃないかという意味だと思うんですが、美的センスが問われる仕事って、明確なゴールがない場合が多いじゃないですか。納得いかないのでやりなおしてくれと言われたこともあります。こちら側のヒアリングが足りなかったという側面もあると思いますが。以降、そういった内容は、整理収納アドバイザーとか他にお願いするべき業者があるはずなので、なるべく引き受けないようにはしています。模様替えのような依頼の場合、最近は現地まで行って見積もりをせず、電話の段階でお断りするようにしています」

引越しに伴う清掃の依頼も多いという。


「全ての家具を捨てるつもりで、『無料で持っていってもらえる家具はありますか?』と言われることも多いです。粗大ゴミを捨てるタイミングをミスったり、リサイクルショップも持っていってくれなかったりする家具の回収をすることもあります。うちの場合はちょっと使用感があってもリユースしたり、海外に輸出できるものは積極的に買い取るようにしています」

刃物や違法薬物を引き取ってくれと言われる場合も

回収できないものが出てくることも……。

「案外、刃渡りが6cm以上の刃物や倉庫から出てきた昔は合法だった違法薬物など、法に触れるようなものを引き取ってくれと言われることもありますが、きちんとお断りしています。撤去できないものって、結構、現場に眠ってることってあるんですよ。撤去の基準も難しく、引き取りをお断りしなきゃいけないものは意外とたくさんあります」

他にも春になると増えてくる案件がある。

「相続問題で長引いていた物件、空き家の整理とかが春になって動き出すことは多いですね。昨年10月くらいに対応した案件がどんどん決まっていくのもこの時期です。決算の時期だとか、確定申告の時期というのと重なっているのが原因だと思います。また、暖かくなっていく過程で心境の変化が起こるのかもしれません。めんどくさくて放置してモヤモヤしていた案件を片付けたくなるのでしょう」

<取材・文/山崎尚哉>

【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。
地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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