松本は個人事務所を持ち、さらに長澤まさみ(38)をスターにした元腕利きのマネージャー・長野隆明氏が代表を務める交渉代理会社「一瞬と永遠」と契約している。二宮も同じ。嵐として同社と結んでいたエージェント契約を解消する。二宮も個人事務所を持つ。
大野智(45)は同社を離れることを2月末に発表済み。嵐の活動終了後は実業や芸術家活動を中心に活動していくと見られるが、「芸能界引退」とは言っていない。マイペースでの芸能活動再開も将来的にはありそう。
ほかに5人には自分たちで出資して2024年に設立した「株式会社嵐」(社長・四宮隆史弁護士)がある。同社には解散する予定がない。5人が不仲で活動を終了するわけではないことを表している。
相葉は俳優・MCで安定路線
6月以降も5人の視界は良好。まず相葉は7月からテレビ朝日の刑事ドラマの続編『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~season2』(水曜午後9時)に出演することが決まった。前作の視聴率が好調だったことから続編の制作となった。大森南朋(54)、松下奈緒(41)とトリプル主演するのも前作と同じ。相葉は元警察庁トップと血縁のある中途採用のキャリア捜査員を演じる。
相葉は俳優として高く評価されている。独特の持ち味があるからだ。正義感は強いが気の弱い男などを演じると、滅法ハマる。だから石井ふく子プロデューサーら名うての制作者が賛辞を惜しまず、主演級の仕事が絶えない。派手な役柄が似合う俳優ばかりが名優ではない。
相葉には日本テレビ『嗚呼!!みんなの動物園』(土曜午後7時)などMCを務めるバラエティも3本ある。相葉が現状に不満や物足りなさを持つ要素は見当たらない。STARTOとの関係を継続するのは順当なことだろう。
櫻井はキャスター20年の安定感
櫻井のドラマの次回作は現在、水面下で選定中。一方で日テレ『news zero』(月曜~木曜午後11時、金曜午後11時30 分)のキャスター業は20年目を迎えた。安定感があり、視聴者受けも良いことから、2019年以降の国政選挙時は同局の開票特番のMCも任されている。ほかのメンバーもそうだろうが、櫻井はSTARTO社の前身であるジャニーズ事務所に育ててもらったという思いが強い。櫻井のキャスター起用は日テレの総帥だった故・氏家齋一郎元会長と故・メリー喜多川ジャニーズ事務所名誉会長によるトップ会談で決まった。櫻井の素質を見抜いた氏家氏が、日テレのニュース番組に預けるように勧め、メリー氏も即断した。
櫻井はTBS『櫻井・有吉 THE夜会』(木曜午後10時)などバラエティも自由にやれている。現時点ではSTARTO社を離れる理由が見当たらない。
松本は俳優路線を本格追求か
一方で松本が同社を離れるのも分かる。バラエティもキャスターもやらない松本は、俳優としてもっと高みに上がりたいのだろう。同社は著名な俳優も生んでいるものの、ジャニー氏が専門的に演技を教えたことはない。STARTO社になった今も俳優の育成やマネージメントを最優先する会社ではない。
それもあり、ほぼ俳優に絞って活動するようになった元V6の岡田准一(46)たちは同社を離れた。松本も同じ道を辿るのは自然だ。
松本が2024年に契約した「株式会社一瞬と永遠」はそれぞれの俳優に合う仕事選びと条件交渉のうまさで高い評価を得ている。同社は新田真剣佑(29)と眞栄田郷敦(26)の兄弟も瞬く間に売れっ子に押し上げた。
二宮は自由度の高い活動へ
二宮はより自由に活動する環境をつくることで自分の可能性を試したいのではないか。7月からはTBSの大ヒットドラマの続編『日曜劇場 VIVANT』(日曜午後9時)に出演する。準主役の1人であるノコル役である。ノコルは国際テロ組織「テント」の総帥であるノゴーン・ベキ(役所広司)の養子。テントのナンバー2だ。ベキは前作の最終回で死亡したため、役所は続編の出演者リストに名前はない。
13年続いた日テレのバラエティ『ニノさん』(金曜午後7時)は2月で終了したが、4月からは同局の同じ放送枠で『金曜ミステリークラブ!!!』(同)の進行役を千鳥ノブ(46)と務める。世界各国の謎めいた出来事から出題されるクイズを解くバラエティ。活動は順調そのものだ。
芸能活動を一旦離れる、大野の選択
大野は嵐での活動終了と同時にSTARTO社を離れる。そのことを発表した際、「14歳からこの世界に入り、約32年間、事務所の方々、そして関わってくださったすべての関係者スタッフの皆さま、長い間大変お世話になりました」と、同社にお礼を述べた。同社側も同じ。大野に対し、「これまでの数々の功績に対し心より感謝の意を表します」と謝意を表した。円満退社だ。大野が将来的に芸能活動を再び始めようとしたとき、同社からの離脱は支障はならない。
活動終了後の嵐に再結成の可能性があるのかというと、あると見る。
解散前の4人には意見の食い違いもあった。だが、再結成時には全員がお互いをいたわり、家族のような関係に見えた。コンサートの打ち上げでは畳敷きの広間にファンも入れて酒を酌み交わし、楽しそうに青春時代の出来事を語り合っていた。
嵐の5人もいつか再びみんなで会いたくなるはず。もともと仲が良いうえ、26年もの思い出を共有しているのだから。そのとき、自分たちを支えてくれたファンのために歌うと見る。<取材・文/高堀冬彦>
【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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