セクシー女優とは、エンターテイメントを提供してお金をもらう演者だ。お客を楽しませることが必要不可欠で、夢を見せ続けるために、ちょっとやそっとの嘘も仕事のうちである。

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 自分を売り物にする商売は、まずキャラクター設定をしなければならない。これがブレてしまうとうまく売れないほか、プロ意識も芽生えづらい。オモテとウラの事情が相まるからこそ、キャラ作りは非常に重要な工程と言えよう。

 昔はセクシー女優と言ったら、何もかもが設定まみれだった。出身地・年齢・血液型、そして仕事を始めた動機も真実とは遠くかけ離れた人が多かったのである。

 現在は、身バレを恐れる女優が減ったため、度の過ぎた作り込みはかなり減っている。また近年の“ぶっちゃけキャラ”のウケの良さも関係して、キャラ設定事情にも変化が起きた。

“無理のある設定”が消えた?

 昔は身バレ防止のため、出身地を偽るのが定番だった。地元が田舎であればあるほど、バレの確率が上がるせいで「秋田から出てきたのに東京出身設定」など、「無理だろそれ!」とツッコミたくなるような強行突破も珍しくはなかったという。

 ただ方言の訛りがヒドいとか、本格的に身バレしない限り出身地の大幅変更は疑われづらい。中には設定を本気で信じて同郷である点に親近感を覚えるファンや、イベントで「地元の○○おいしいですよね。知っていますか?」といった人も現れる。

 演者本人からすると少し罪悪感が生まれるけど、身バレ防止となるため、かつてはオーソドックスな作り込みの一種だったのである。


すぐに過去を検索されてしまう時代に…

 他にもアスリートでないのに元スポーツ選手など、無理のある設定も昔はバンバン登場していた。ファンもわかってはいるけど目を瞑り、「まぁ、セクシー業界ってそんなもんだし」と割り切るのが一般的だったものの、近頃はこの手の強行突破が少なくなっている。

 ユーザーの目は肥えてすぐに疑うし、PCやスマホで調べられてしまう。ネットの力は偉大で、あまりに盛りすぎると即バレして信用を失うせいで、何事にも“リアル”を求める時代へ突入したのだ。

 大幅な作り込みがなくなると女優自身のリアルを感じられていい、なんて意見がある。確かにそれはそうなのだが、筆者個人としては「ありえない設定もセクシー業界のお家芸で面白かったのに」と、少し思ってしまうのだが……。

「27歳だけどハタチ」「AB型なのにO型」は今でもある

「27歳なのにハタチ」元セクシー女優が“嘘プロフィールの実態”を暴露。「ネットで即バレ時代」による弊害
元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 もちろん、年齢や血液型などの個人情報は、全員が全員バカ正直に申告するわけではない。“ごつ盛り”は消えたけれど“チョイ盛り”が当たり前で「限りなく真実に近いけれど、ちょっと違う」くらいのキャラ設定は今でも普通である。

 多いのが血液型の変更や、年齢のプラマイ3~10歳程度。事務所の指示や本人の希望が関係し「AB型なんだけど、変わった人間だと思われたくないからO型にしたい」と、細かい部分を変更する話も珍しくはない。

 年齢もまた、重要なポイントである。デビューが決まる人間はルックスレベルが高く、大抵年齢より若く見えるため27歳でもハタチで売り出されるのがこの世界の特徴だ。

 もちろんハタチで落ち着いた雰囲気を纏うなら、あえて“逆サバ”を読み、ユーザーの「え、この年齢なのにこんなに美しい」なんて感動を引き出せる。もう20個もサバを読むケースは存在しないが、今も1~3歳くらいは朝飯前だろう。


身長の設定をサバ読むケースも

 そして地味に見られるのが、身長の設定。どう考えても170センチ近くありそうなスタイルでも、顔が幼いと、あえて165センチ表記にしたり、また逆も然り……だ。身長逆サバの場合はイベントで高いヒールを履いてしまえばバレないし、相当な高身長フェチでない限り、みんな細かいところまで見ていない。

 少女系の女優にも同じことが言えて、151センチよりも148センチくらいの方が幼児っぽさが出るため、わざと低めの設定を選ぶ女優もいる。実は年齢と同じくらい、背丈の操作もかなり多いのだ。

何もかもが本当だと、それはそれでつまらない…

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たかなし亜妖
 どれも許せる範囲の話だとは思うので、目くじらを立てるファンはそういない。いくらユーザーの目が肥えたと言えど、セクシー業界という特殊な世界のお陰で(?)「そういうもんでしょ」とスルーしてくれる人が相変わらず多いのは、非常にありがたい話である。

 セクシー女優の作り込みもソフトになり、近年は歓楽街の方がキャラ設定が激しいと聞く。15~20歳の年齢詐称に大幅な体型・顔面加工を見ると、「私たち側は、ずいぶんとナマっぽくなったものだ」とついつい思ってしまうほど。

 令和のユーザーたちは“ごつ盛り”に遭わず、彼女たちのリアルを感じられるので悪い時代ではないはずだ。だからこそ、“チョイ盛り”くらいは許してほしい。エンターテイメントは何もかもが本当だと、それはそれでつまらなく感じるものだから……。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。
2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
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