今季は村上宗隆(ホワイトソックス)と岡本和真(ブルージェイズ)の打者2人がメジャーに移籍したこともあり、シーズン中に日本人選手が出場しない日はほぼないはずだ。
6日は日本人投手4人が同日先発登板
日本時間6日には、総勢8人もの日本人選手が出場。投手では日本人4人が、いずれも今季2度目の先発マウンドに上がった。この日は日本人投手同士の直接対決はなかったが、4人全員が5回を投げ切り、最低限の仕事を果たした。すでにメジャーで十分な実績を残している今永昇太(カブス)と千賀滉大(メッツ)は6回途中で降板。今永は1失点、千賀も2失点と上々の内容だった。
そんな2人の陰で同じような状況から明暗を分けたのが、佐々木朗希(ドジャース)と菅野智之(ロッキーズ)である。
ともに今季がメジャー2年目の佐々木と菅野。昨季は正真正銘の新人王候補と呼ばれた佐々木がわずか1勝しか挙げられなかったのに対し、オールドルーキー菅野は先発でフル回転し、2桁10勝を挙げた。まさに2人のルーキーシーズンは、プロ野球時代の経験が明暗を分ける形となった。
2年目シーズン“佐々木と菅野”に明暗
そして迎えた2年目。お互いの今季初登板は、ガーディアンズ戦に先発した佐々木が4回0/3を投げて1失点で敗戦投手、ブルージェイズ戦に先発した菅野は4回2/3を投げて1失点で勝ち負けは付かなかった。そして、ともに初勝利を目指してのマウンドとなった6日の試合は、佐々木がナショナルズ打線相手に5回6失点。試合終盤にドジャース打線が逆転したことで、自身2連敗を避けるこができたが、数字だけを見るとノックアウトされたといっていい登板だった。
一方の菅野は、フィリーズを相手にわずか78球で6回を投げ切る省エネ投球を披露。メジャー屈指の強力打線を1点に抑え込み、昨年8月以来となる移籍後初勝利を手にした。
不運な当たりが分岐点に…試合の流れを左右した一打の差
実はこの日の佐々木と菅野の結果は全く逆になっていてもおかしくなかった。というのも試合中盤にともに“不運な安打”を浴びたものの、その後の投球が全く異なる結果を導いていたからだ。佐々木は1点の援護をもらった直後の3回裏に逆転2ランを被弾。続く4回は、2死一塁から8番ルイーズをファーストゴロに打ち取ったと思われたが、その打球が一塁ベースに当たり内野安打に。このプレーで二塁走者が一気に生還し、この試合3点目を失った。
さらに9番テナに安打でつながれると、佐々木は集中力が切れてしまったのか1番ウッドに手痛い3ランを浴び、このイニングだけで4失点。ルイーズの打球が数センチずれていれば、無失点で切り抜けていただろう。
一歩間違えば逆転弾…菅野が見せた危機管理力
菅野にも不運な場面があった。不運に襲われたのは勝利投手の権利が懸かった5回表。2死から9番打者に内野安打で出塁を許すと、続く1番ターナーを平凡なライトフライに打ち取ったと思われた。しかし、右翼手モニアクが太陽の日差しが目に入ったか、打球を見失い結果は二塁打に。一打出れば同点、一発が出れば逆転という大ピンチを招いてしまった。
ここで菅野が対峙したのは、昨季大谷翔平(ドジャース)との争いを制し、ナ・リーグ本塁打王に輝いたシュワーバー。カウント2-1から菅野が投じたスライダーはやや甘く入り、シュワーバーの打球はセンターへの大飛球に。メジャーの本拠地30球場のうち28球場で本塁打という一撃だったが、フェンス手前で打球は失速し、中堅手マッカーシーのグラブに収まった。
不運な安打から4失点した佐々木とは対照的に、このピンチを何とか無失点で切り抜けた菅野。続く6回を三者凡退で打ち取り、昨年9月以来となるクオリティースタートも記録した。
5回6失点でも…佐々木朗希が見せた成長の兆し
不運な内野安打が失点につながり、さらに大きな傷口を広げた佐々木。そして、百戦錬磨の落ち着きで、ピンチをしのぎ切った菅野。昨季と同様に、やはりプロ野球時代の経験値の差がそのまま出た試合だったともいえるだろう。それでも佐々木は6失点を喫したあとの5回もマウンドに上がり、そのイニングは三者凡退に打ち取っている。そして、これがその後のドジャースの逆転につながるという収穫もあった。
地区ライバルでもあり、今季中に先発投手として投げ合う可能性もありそうな佐々木と菅野。ちょうど一回り年齢が違う2人の2年目から目が離せない。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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