自分が契約している駐車場に、見知らぬ車が停められている──。考えただけで気が重くなるシチュエーションですが、実は決して珍しい話ではありません。
国土交通省が2024年に公表した『令和5年度マンション総合調査結果』によれば、居住者間トラブルのうち「違法駐車」は18.2%を占め、「生活音」に次ぐ第2位。意外と身近な悩みのようです。
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今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードの中から、契約している駐車場を半年以上も無断で使われ続けた男性の話。困り果てた末に動いたのは、なんと義理のお父さん。その解決策が、ちょっと予想の斜め上をいくものでした。

記事の後半では、無断駐車に対する正しい対処法や、つい手を出してしまいがちな“やってはいけない行為”についても触れます。スカッとする話のあとに、ちょっとだけ役に立つ知識もお持ち帰りいただければ幸いです。

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 世の中にはとんでもなく図々しくて非常識な人がいるものです。そういう人に限って、なかなかしっぽがつかめず“泣き寝入り”するケースも少なくないようです。

 今回話を聞いた被害者は、豪快な方法で問題を解決したそうです。その秘策を紹介します。

他人の駐車区画に堂々と停める奴

「最初は“なんだろう”くらいにしか思ってなかったんです。でも、続くとさすがに腹が立ちますよね」

 そう語ってくれたのは、車通勤を続けている溝口さん(仮名・42歳)です。
とある昼下がりに妻にかかってきた一本の電話が、彼の日常を大きく揺さぶる始まりだったといいます。

 その日は、溝口さんが不在の時間に、妻の友人が自宅へ遊びに来たそうです。友人から「駐車場に車があって停められないんだけど…」と電話があったそうで、妻が確認しに外へ出てみると、そこには見覚えのない白いワンボックス車が堂々と停まっていたのです。本来ならば、誰が見ても“契約者のスペース”だと分かる区画。それを無視して停めているのですから、かなり悪質です。

「そのときは“何かの間違いかな”と思ったんです。でも、気になって後日監視カメラの映像を見返してみたら、ほぼ毎日のように、その白いワンボックスが停まっているんですよ。完全に常習犯でした」

 出勤時間帯を狙い、毎日のように無断駐車を繰り返す白い車。半年の間に判明した駐車回数は、軽く20回を超えていたといいます。

 このままでは納得できない。そう考えた溝口さんは、さっそく対策に乗り出しました。

貼り紙・待ち伏せ……しかし相手はしたたかだった

「まずは、穏便に済ませようと思ったんです。だからフロントガラスに貼り紙をしたんですよ。
“無断駐車しないでください。今度停めたら通報します”って」

 ところが、その貼り紙は無視されました。次の日にはまた同じ車が停まっています。張り紙が剥がされた様子もなく、まるで“読んでいない”かのような態度。その無神経さに、溝口さんはさすがにはらわたが煮えくり返ったといいます。

「警察にも相談はしました。でも、民事不介入で“現場を押さえないと動けない”と言われるんです。それなら現行犯で捕まえてやろうと思い、仕事を数時間遅らせて待ち伏せもしたんですよ」

 しかし、そういう日に限って相手は現れません。

「“こっちの様子を見てるのか?”と思うタイミングでしたね。毎回、こっちが不在の時にだけ来るんですよ。逆に腹が立ちました」

 溝口さんのいら立ちは限界に達し、もはや貼り紙や注意では効果が見込めないと悟ったといいます。そこで思い浮かんだのが、妻の父──建設会社を営む義父の存在でした。


「事情を話したら、“そんなもん俺が解決してやる!”と即答してくれました。普段はおっとりした人なんですけど、筋の通らないことには厳しいタイプなんです」

 そして翌朝、溝口さんは義父に任せることにし、いつも通り出勤したのです。その日の帰路で、事態は一気に動きました。

義父の“職人技”が炸裂する瞬間

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※写真はイメージです(画像生成にAIを利用しています)
「帰ってくると、自分の駐車場の前に、なんとショベルカーが置いてあるんです。マジで“え、何これ!?”って声が出ました」

 小型の建設用ショベルカーで、義父が会社から持ってきた本物の作業車でした。しかも、駐車スペースには例の白いワンボックスがしっかりと停まっている。そして、その運転席にまだ人が乗っていたのです。

「中をのぞいたら、中年の女性が固まっていました。エンジンも切ってあって、完全に身動きできない状態になっていたんです」
 
 義父は、溝口さんが自家用車で出勤した後すぐに到着し、トラックの荷台からショベルカーをおろしてワンボックスがやってくるまで身を潜めて待ったといいます。その日は運良く出勤後しばらくしてワンボックスはやってきて何食わぬ顔で車を停めたそうです。

 溝口さんは、その女性にゆっくり近づき「通報するか、二度と停めないと念書を書くか」と問いかけたそうです。

 その言葉に、女性はみるみる青ざめ、ついに泣き出してしまったそうです。女性は言われるがままに震える手で念書にサインしたといいます。


義父の行動力と決断力に感謝

 その日を境に、白いワンボックスが現れることは一度もなくなりました。それだけではなく、1週間ほどしたあと、溝口さんの車のワイパーに白い封筒がはさんであり、なんとその中には謝罪の手紙と5万円分の商品券が入っていたそうです。

「そこまで謝るくらいなら、最初から近隣の駐車場に停めればよかったのにと思いましたよ。よくわかりません、あの女性の心理は。見つからなければ大丈夫とでも思ったのですかね」

 義父のお手柄で見事解決したこの問題。ようやく溝口家にも平穏な日々が戻ったそうです。

「でも、お義父さんの行動力と決断力には頭が上がりません。私一人で対処していたら、こんなにも早い解決はなかったと思います。かっこよかったです!」
 
<取材・文/八木正規>
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■ スカッとした後に、ちょっとだけ真面目な話

無断駐車に半年以上悩まされた末の、義父の豪快な解決策。取材では細かい状況までは語られていませんが、おそらく義父は違法にならないよう、たまたまその場にショベルカーを停めただけ──いわば、相手と同じ状況を“再現”してみせたのでしょう。読んでいて思わず拍手したくなる展開ですが、実際に真似するのはなかなかハードルが高そうです。

そもそも、私有地への無断駐車は警察も動きにくいグレーゾーン。「民事不介入」の壁があり、泣き寝入りしてしまう人も少なくありません。
一般的には、まず証拠写真を撮り、警告文を貼り、それでも改善しなければ内容証明郵便や弁護士相談へ──というのが安全なルートとされています。

ここで注意したいのが、相手が悪質だからといって、こちら側が踏み込んだ実力行使に出るのはリスクがあるということ。たとえばタイヤロックで動けなくしたり、車両を取り囲んで出られなくしたり、勝手にレッカー移動したり──こうした行為は、相手が無断駐車犯であっても、自力救済(自分の力で権利を実現すること)にあたり、こちら側が逆に違法行為に問われる可能性があると、多くの弁護士が指摘しています。

ただ、正攻法では時間も手間もお金もかかるのが現実。だからこそ、義父のような頼れる存在に「ちょっと相談」できる関係性は、何物にも代えがたいのかもしれません。

ちなみに、国土交通省が2024年に公表した『令和5年度マンション総合調査結果』(全国1,589の管理組合が回答)によると、居住者間のトラブルのうち約6割が「生活ルール・マナーに関するもの」。その内訳は「生活音」が43.6%と最も多く、次いで「違法駐車」が18.2%、「ペット飼育」が14.2%。駐車をめぐる悩みは、決して他人事ではないようです。

くれぐれも、ショベルカーをお持ちでない方は、穏便な方法でご対応を。

<再構成/日刊SPA!編集部>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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