◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 4月上旬、月曜にTOKIOの丸亀製麺、火曜に目黒蓮のネピア…そんな調子で、連日「STARTO ENTERTAINMENT」のタレントCM出演発表が重なった。少し思うことがあった。

 2年前。旧ジャニーズ事務所の問題で、多くの企業が所属タレントのCM起用を取りやめた。毎週のように足を運んでいたCMイベントは中止になり、数か月間、彼らのCMに関する記事を書くことはなかった。

 当時、インタビューなどを通じて、その件を聞くことも多かった。「悔しい」と唇をかみ、「つらい」と視線を下げるタレントもいた。公の場では、変わらない笑顔を浮かべていた。その理由を聞くと、彼らは異口同音に言った。「皆を楽しませるため」「ファンを笑顔にするため」。自らが苦しい時も「アイドル」を全うした。

 復活したのは、CMだけではない。雑誌の表紙、ドラマにバラエティー。彼らを見ない日はない日常が帰ってきた。

編集者やテレビ関係者らは、ジュニア時代から磨かれた意識や経験を「トークや対応力などあらゆる面でモノが違う」と口にする。

 4月19日には、Snow Manが国立競技場でライブを行った。「新国立」での有観客ライブは「STARTO―」でも初めて。佐久間大介は「いろいろなことを乗り越えて、国立に立てた」と号泣した。ラウールも、普段はあまり涙を見せない阿部亮平も泣いた。目黒は「皆さんの支えがあって、この景色を見ることができた」と変わらない感謝を示し、泣いた。いろいろなモノを乗り越え、いろいろな思いが重なった涙。美しく、キレイだった。(芸能担当・田中 雄己)

 ◆田中 雄己(たなか・ゆうき)21年夏から「STARTO―」担当。最初のインタビューはラウール。国立の姿に感動。

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