1988年に巨人にドラフト2位で入団した右腕・松谷竜二郎さん(60)が4月30日放送のテレビ朝日系特番「鶴瓶孝太郎 転職したら人生〇〇だった件」(午後7時)に出演し、年商240億円の大企業の社長に上り詰めた現在の姿を披露した。
第一線で活躍していたのにまったく異なる世界に転職した人たちの転職人生を見ながら語り合うというのがコンセプトの番組。
スタジオゲストの元ヤクルト・古田敦也氏も「現役時代、よく対戦しました。いいスライダーを投げるんですよ。すごい一級品の」と実力を認めた松谷さんは97年に現役を引退。現役引退から28年経過した現在、東京・八丁堀の巨大ビルを本拠とするSE(スチールエンジ)社の社長になっていた。
鉄骨ビルの床の工事を手がける同社は2000年の設立後、手がけた建物の数が1万棟。六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、パレスホテル東京などの工事も担当した。現在、全国9か所に支社があり、18年には海外進出。建築業だけでなく、グループ企業も不動産、食品、介護、保険など13社まで成長した。
年商を聞かれると「230から240億です」と笑顔で明かした松谷さんだったが、巨人時代は実働8年間でわずか4勝。肩の故障もあり、33歳で戦力外通告を受けた。コーチや解説者のオファーもなく、野球から離れた。
「建設関係の仕事を藤田(元司)監督や(2軍監督)末次(利光)さんに紹介していただいて、そこに就職しました」と振り返った通り、現場作業員として再就職。
入社1年で大手企業の大規模工事を任されるようになり、36歳で休眠状態だった建築会社を引き継ぎ、営業に奔走。初年度から約2億円の営業成績を上げることに成功した。
その後、会社を急成長させた松谷さんは「プロ野球選手ってセカンドキャリアでいい話を聞かないことが多いじゃないですか。やっぱり野球選手でもこれだけ頑張ったら、こんなふうになるんやなっていうふうに皆さんに評価していただいて、恩返ししていきたいなというのが目標かなと思います」ときっぱり。
現在は野球界への恩返しとして、プロ野球の球場にスポンサーとして広告を掲載。小中学生や社会人の野球大会を開催、協賛。子供向けに参加費無料の野球イベントなども開催している。