【ラスベガス(米ネバダ州)1日(日本時間2日)=勝田成紀】世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が、カジノ&ホテル「MGMグランド」内の特設リングで、4日(同5日)のWBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29)=米国=との防衛戦へ向けた到着イベントに登場。毎年、ビッグマッチが行われるメキシコの祝日「シンコ・デ・マヨ(5月5日)」週間のメインを張るモンスターは「期待通りのボクシングを見せたい」と語り、集まった約300人の現地ファンから大歓声を浴びた。
カジノフロアに入場曲「Departure」が流れる中、白いキャップとグレーのウェア姿の尚弥は、階段を下りて登場。300人の現地ファンから「ナオヤー」と声援が起きると笑顔を見せながら、特設リングに入った。ひときわ大きくなった歓声に2度、左手を上げて応えた。
「4年ぶりにラスベガスに戻って来られて非常にワクワクしている」。ラスベガスでの試合は21年6月以来3度目。過去2度はコロナ禍での開催だったため、到着イベントなど公式行事でファンと対面するのは初めて。「シンコ・デ・マヨ」のメインイベンターとして「ここラスベガスで何を求められているかは十分承知して来ている。5月4日は期待通りのボクシングを見せたい」と話すと、歓声のボルテージは更に上がった。
米大手ブックメーカー「BetMGM」は、尚弥の勝利オッズ(勝ち負け2択の2way)を「1・01倍」(引き分けありの勝利オッズは1・02倍)に設定。圧倒的有利の下馬評だが「(カルデナスは)全体的に非常にまとまった選手だと思うが、左フックという一発を持っている。一瞬の油断だけは気をつけたい」と警戒。今後対戦したい選手を問われても「ある程度は絞れているが、まずはカルデナスに集中したい」と隙は見せなかった。
15年5月のフロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオなど世紀のビッグマッチが多数行われたMGMグランドでの公開イベント。女性インタビュアーからの「米国のボクシングファンがあなたのことで知らないことを教えてもらっていい?」との無茶ぶりには、「知らないこと? 難しいな…」と苦笑。続けざまに「では、一番好きな食べ物は?」と振られ、「唐揚げ」とちゃめっ気たっぷりに明かした。
インタビュー後も会場から引き揚げようとする尚弥の周囲にファンが殺到。一度は上りかけた階段を下り、急きょサインに応じてファンサービスした。ラスベガスの週末は、モンスターが主役だ。(勝田 成紀)