卓球Tリーグの静岡ジェードが、リーグ初の試みとして開催したトライアルで優勝し入団した石山慎(25)が、このほどしずおか報知の取材に応じた。7月開幕の新シーズンに向け「優勝して加入しただけの“ゲスト”で終わるのではなく、自覚を持ってしっかり戦いたい」と語った。
ジェードは3月から4月にかけて約60人が参加した大会を実施。優勝者と2025―26年シーズンの選手契約を結ぶとした。そこを勝ち抜いたのが石山だった。日本代表や有望な若手が集う国内最高峰のTリーグ。「学生時代は目指しているとは言えないほど遠い存在。戦える手応えを感じてきたが、年齢的にも声がかかる可能性は低いと思っていた」と、自身のキャリアを謙遜しながら振り返った。
専大を卒業して、一度は一般企業で勤務した。昨年4月から実業団チーム「ケアリッツ・アンド・パートナーズ」に所属。同月のビッグトーナメントで元日本代表の吉村和弘らを破り、準優勝した。今回のトライアルを知ると迷わず応募し、見事に1枚だけの切符をつかみ取った。同じ新潟出身で、小学生の頃から互いを知る1学年上の龍崎東寅(とんいん)とはチームメートになる。
ジェードの一杉直(ひとすぎ・なお)代表(51)は、大会の意義を「原石を発掘することで、卓球をやる人たちにリーグを身近に感じてもらえれば」と説明し、来年も開催する意向。
(伊藤 明日香)
◆石山 慎(いしやま・しん)1999年9月8日、新潟県生まれ。25歳。父親がスポーツ少年団で指導しており、3歳から卓球を始める。新潟・開志国際高では全国高校総体に3年連続出場。166センチ、67キロ。戦型は左シェークドライブ型。