◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)

 第30回NHKマイルC・G1(11日、東京)の出走馬18頭が8日、確定した。春G1で5戦全勝と絶好調の角田晨記者は「考察」キーポイント編で、高速決着が相次ぐ馬場状態に注目した。

速い上がりを使えないと厳しい戦いになると指摘。東京マイルを好内容で勝ち、スピード豊富な血統背景を持つコートアリシアンの一発を警戒した。枠順は9日に決まる。

 開幕から3週目を迎える東京競馬場。芝コースは超高速馬場となっている。3日の京王杯スプリングCは、従来のJRAレコードを0秒7も更新する1分18秒3で決着。4日の府中S・4歳上3勝クラス(2000メートル)でも1分57秒7と、天皇賞・秋と見間違えるようなタイムが出た。京王杯スプリングCを制した横山武は「乗っている感じ、馬場はすごく硬いわけではないのでビックリしました」。それだけ芝の根付きがいいのだろう。

 今開催はここまで芝のマイル戦は4鞍行われているが、勝ち馬の上がり3ハロンは32秒9、34秒1、33秒5、32秒9。G1のNHKマイルCでは33秒台前半の上がりが求められるとみる。同じ東京マイルで33秒5以内の末脚を使ったことがある今回の出走馬は、イミグラントソング、コートアリシアン、ショウナンザナドゥ、マピュースの4頭。

なかでも33秒3を記録して、なおかつ唯一勝ったコートアリシアンに注目している。

 父サートゥルナーリアはキングマンボ系だが、今開催で産駒が複数回勝利しているレイデオロ、ロードカナロアはどちらもキングマンボ系。コートアリシアンの祖父ロードカナロアは産駒が高松宮記念、大阪杯と今春のG1を連勝したように、高速馬場に適したスピード血統なのが心強い。

 10日の午前中は雨予報が出ているものの、先週も金曜の豪雨(51ミリ)の影響をものともせず土曜にレコードが樹立された。11日に降らなければ高速決着は間違いない。極上の瞬発力は大きな武器となるはずだ。(角田 晨)

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