【ラスベガス(米ネバダ州)5日(日本時間6日)=勝田成紀】プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が、4度目の防衛に成功したWBA同級1位ラモン・カルデナス(29)=米国=戦から一夜明けた5日、米メディアが尚弥の戦いを高く評価した。試合を全米中継したスポーツ専門局ESPNは電子版で、メキシコの祝日「シンコ・デ・マヨ(5月5日)」の週末に世界3か所で行われたビッグマッチを採点。

尚弥に唯一の「A」評価を与えた。

 毎年ビッグマッチが開催される「シンコ・デ・マヨ」週間。今年のMVPは、尚弥だった。2日に米ニューヨーク、4日にサウジアラビアと米ラスベガスで行われた3大興行。その“大トリ”を務めた尚弥は、2回にダウンを奪われながらも貫禄の8回TKO勝利。米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」は「年間最高試合の候補となる白熱した試合」と報じた。

 ESPNは、3大興行のビッグマッチを採点した。合格点を示す評価は不明ながら、尚弥を唯一の「A」評価とし「ドラマチックでエキサイティングな試合を繰り広げ、ボクシング界がひどく失望していた週末を救った」と論評。尚弥からダウンを奪ったカルデナスにも「B」を与えた。

 3大興行には、パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)に名を連ねる3選手が出場。PFP7位のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)は、スーパーミドル級2度目の4団体王座統一に成功したものの、アウトボクシングに徹したウィリアム・スカル(キューバ)相手に単調な攻撃に終始し評価は「D」。PFP9位のデビン・ヘイニー(米国)は約1年ぶりの復帰戦で勝利したが「D+」と低評価だった。

 PFP2位の尚弥は試合後のリング上で「(日本時間で)昨日、一昨日と試合の賛否はありますけども、僕が一番盛り上げることができたんじゃないかなと思う」と自負をのぞかせた。ESPNは尚弥のパンチのヒット数を176発とはじき出し、他2興行の主役だったアルバレス、ヘイニー、ライアン・ガルシア(米国)の3人の合計182発とほぼ同じ数字を一人で記録したと紹介。「最高のPFPファイターであるだけでなく最もエキサイティングなファイターの一人」と絶賛した。

 “塩試合”続きだった週末を豪快KOで締めくくり、モンスターが主役となった。

アフマダリエフ「近いうちに会おう」

 尚弥と9月14日に日本で対戦が有力なアフマダリエフが6日、インスタグラムでリール動画を投稿。尚弥がカルデナス戦後に「次は9月にアフマダリエフと戦います」と話したシーンをテレビで見て、「ビッグファイト。9月14日、ウズベキスタンのパワーがやってくるぜ。近いうちに会おう」と右手でガッツポーズ。アフマダリエフは5月30日、メキシコ・グアダラハラでルイス・カスティーヨ(メキシコ)と対戦する予定。

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