J1清水エスパルスは11日、ホームで町田と対戦する。前節(6日)のアウェー・柏戦は強豪相手に粘りを見せたものの、0―1で敗れ今季3度目の連敗。

後半41分にはFWドウグラスタンキ(31)が放ったヘディングシュートがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の末、取り消される不運もあった。清水担当の武藤瑞基記者は「ブラジルデー」として開催される町田戦で助っ人が爆発すると予想した。

 今季1号は結果的に“幻”となったが、十分な破壊力を証明した。6日のアウェー・柏戦。1点を追う後半41分だった。右CKをファーで待ち構えたタンキはアゴを引くようにして頭でミート。ボールはネットに吸い込まれ、アウェーで勝ち点1を奪取する貴重な一撃となるはずだった。

 だが直後のホイッスルでVARが宣告され、ヘディングの直前に相手を手で押したシーンがファウルと判定されたことでゴールは取り消しに。助っ人は試合後「足を踏まれないように回避した」と説明。秋葉忠宏監督(49)は「あれがファウルなら全てのプレーがファウルになる」と顔を紅潮させた。

 結果的にチームは2試合連続完封負けとなったが、タンキ本人が「自分のストロングを表現できたのはうれしい。切り替えていい準備をしたい」と振り返ったように、高さ・パワーは町田戦以降に生きると確信した。

188センチはDF監物と並びチームのフィールドでは最長身。プレシーズンでは強烈なシュートを連発し、エースFW北川を脅かすほど存在感を見せていた。開幕後は故障やFWアフメドフとの争いもあり6試合計71分の出場にとどまるが、180センチ以上のDFをズラリとそろえる町田相手にはタンキが持つ“圧力”が効果を発揮するはずだ。

 同日は年に一度の「ブラジルデー」。サンバパフォーマンスなどテンションが上がる演出が後押ししてくれる。20年から始まった同イベント開催日は3連勝中。「特別な日になる。ホームでサポーターの皆さんと勝ち点3を分かち合いたい」。国立を挟んだため、アイスタでの試合は4月20日以来。柏戦後の取材エリアでは曇っていたタンキの表情が、トレードマークの笑顔に変わると確信している。

(武藤 瑞基)

 ◆清水のブラジルデー 今年は静岡市のサンバチーム「ブロッコ シズオカ」によるパフォーマンスと、歴代ブラジル人助っ人からのメッセージ動画や、「ブラジルの人、聞こえますかー?」でおなじみのサバンナ八木らの来場が予定されている。20年から始まり、通算成績は3勝2敗。

ブラジル出身者では22年にFWチアゴサンタナ(現J1浦和)、23年にFWカルリーニョスジュニオ(現J2千葉)が得点している。

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