6月に退任する国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が5月9日、日本オリンピック委員会(JOC)を訪問した。同氏は、旭日大綬章を受章し、午前に皇居で行われた親授式に出席していた。

スピーチでは「オリンピックの世界の友人の皆さんとともにご一緒できるのは本当にうれしく思いますし、東京というオリンピック都市に戻ってくることができてうれしく思います」と話した。

 コロナ禍のなか、無観客で行われた2021年東京五輪を振り返り、「未曽有の誰も予想することができなかった状況において開催されました。コロナ禍でありましたし、誰もこんなことはできないだろうと、誰もやったことが過去にないような大会を成し遂げることができた。このような危機にあった大会を運営するという中にあって、我々のパートナー、ホストが日本であったというのは誠に幸運でありました。日本のサポートがなければ東京2020大会はできなかった」と感謝を述べた。

 23年10月に頸椎(けいつい)を損傷し、長期療養中のJOCの山下泰裕氏とも面会したことを明かした。「多大なる貢献をなさったことを認識しておきたい。『JOCの皆さんによろしくと、それから、皆様と一緒に仕事ができたということを本当にありがたいと思っている』と言っておられました。オリンピックのリーダーであり、私の良き友人である山下さんと再びお目にかかれて本当にうれしかったです。いつものように本当に友情に満ちた時を過ごせました。戻ってくることを願っています」と再会を喜んでいた。

 同氏は12年務めた任期を満了し、6月に退任する。

後任はカースティ・コベントリーIOC理事(ジンバブエ)が選出されている。

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