◆陸上 関東学生対校選手権 第2日(9日、神奈川・相模原ギオンスタジアム)
男子100メートルは1部決勝で昨年のパリ五輪400メートルリレー代表の東洋大・柳田大輝(4年)が9秒95(追い風4・5メートル)をマークして2年ぶり3度目の優勝。2部決勝も大東大の守祐陽(もり・ゆうひ、4年)が9秒97(追い風3・9メートル)で優勝した。
相模原の強風に乗り切った。柳田は好スタートから加速し、力強くフィニッシュ。電光掲示板には「9秒95」が映し出された。昨年6月にも追い風参考で9秒97を出しており、日本で複数回“9秒台”で走ったのは桐生(日本生命)とサニブラウン(東レ)に続く3人目だ。「去年を超えたので良かった。次は公認で出したい」と表情を引き締めた。直前の2部は同学年の守が追い風参考で9秒97をマーク。「負けられない」と力に変え、スタンドからさらなる大歓声を受けた。
悔しさがバネになった。昨年の日本選手権は3位で個人でのパリ五輪出場を逃し、400メートルリレーで代表入り。
この日出した9秒95は21年に山縣亮太が出した日本記録と同タイムだ。速さを体感し「最後にスピード負けする感じがあったが、後半まで走れるようになったら風が強くない中でも出せる」と柳田。次戦のセイコーゴールデングランプリ(18日)でも貪欲に記録を狙い続ける。(手島 莉子)
◆追い風参考記録 公認は追い風2・0メートル以内で、2・1メートル以上は参考記録扱いになる。100メートルは、風速が0・1メートル変わるごとにタイムが0・008秒前後変わる。今回の柳田の9秒95(追い風4・5メートル)を公認の追い風2・0メートルで換算すると10秒15相当になる。