◆大相撲夏場所初日(11日、東京・両国国技館)
先月14日、「外陰部壊死(えし)性筋膜炎」のため33歳の若さで死去した若戸桜こと澤田剛さんの所属していた式秀部屋の部屋頭、西三段目65枚目・冨蘭志壽(ふらんしす)は東66枚目・朝乃丈(高砂)に寄り切られ黒星スタートを切った。
悔しそうな表情で支度部屋に戻ってきた冨蘭志壽は、それでも今場所にかける熱い思いを絞り出した。
「若戸桜さんが亡くなった時は驚きました。悲しかったです。入門(2016年)した時から10年近くお世話になりました。食事に誘ってくれたり、僕が野球好きということを知っていたので、春場所後には甲子園球場での選抜高校野球大会に連れってくれました」と声を詰まらせた。
稽古を再開しても土俵には悲しみが広がっていたが、冨蘭志壽は部屋頭として「きっと若戸桜さんだったら『頑張って稽古しろ』と言っていたと思います。自分が他の力士を引っ張っていくいくつもりです」と熱い思いを明らかにした。