◆明治安田J2リーグ 第15節 いわき1-1札幌(11日・ハワイアンズスタジアムいわき)

 北海道コンサドーレ札幌はアウェーでいわきと1―1で引き分けた。前半34分、DF家泉怜依(25)が古巣への恩返し弾を右足で決めて先制したが、後半29分にPKを決められた。

2試合ぶりの勝利はならず、勝ち点1を積み上げたが、順位は14位のままとなった。17日の次節はホームで富山を迎え撃つ。

 札幌の家泉は、敵という立場に変わっても、いわきサポーターに温かく迎えられ、「新鮮だった」と振り返った。だが、感傷に浸っていたのは試合前まで。かつての仲間やサポーターにため息をつかせるゴールを決めたのは前半34分だ。MF田中克の右クロスを受けたFWサンチェスが頭で落としたボールを、ペナルティーエリア中央から右足で押し込んだ。

 「ファー(サイド)が弱いのは分かっていたんで。折り返しを狙いました」。古巣の弱点を見抜いた上でのゴールだった。

 流通経大卒業後の22年、プロキャリアをスタートした恩義のあるチーム。試合前には大学の先輩でもあるFW山口大輝(27)からも声をかけられた。だが、勝利を譲ってくれるほど甘くはない。

自身のミスから、FW谷村海那(27)のドリブル突破を許し、後半27分、MF高嶺朋樹(27)がファウルでPKを献上するきっかけとなってしまった。

 試合後、「自分の対応ミスで失点したんで。ミスをなくせばゼロで抑えられた」と出てくるのは喜びよりも反省の言葉ばかり。DFながら早くも今季4得点目を挙げたが、岩政大樹監督(43)も「失点に絡むミスがあったので。トントンじゃないですか」と称賛はなかった。

 勝ち点3は逃したが、3月9日の千葉戦で脳震とうを起こし、負傷離脱したGK菅野孝憲(41)が復帰するなどチームには好材料もある。守護神復活を「安心感がある」と喜ぶ家泉は「勝ちきることが課題」と次節の必勝を期した。(甲斐 毅彦)

 GK菅野孝憲「常に僕は出るつもりでいましたので。出ることが目標ではない。結果を残さないと。(次節は)勝利以外にない」

編集部おすすめ