◆明治安田J2リーグ 第15節 磐田1―0藤枝(11日・ヤマハスタジアム)

 ジュビロ磐田が1―0で藤枝MYFCとの「蒼藤決戦」を制して2連勝を飾った。スコアレスドローかと思われた後半アディショナルタイム5分にMF倍井謙(24)が倒され、FWマテウスペイショット(29)がPKを沈めた。

無失点での勝利は3月30日の千葉戦以来8試合ぶり。

 最後まで諦めない姿勢が磐田に勝利を呼び込んだ。0―0のまま迎えた後半49分、左サイドでボールを受けた倍井が前を向く。切り返しでマークを振り切ってエリア内に侵入。そこで倒され、PKを獲得だ。「仕掛ければ何か起こると思った」。前節・札幌戦で2得点して波に乗る背番号71が大仕事をやってのけた。

 これをペイショットが左隅へ豪快に蹴り込んだ。スタンドに集まった1万2261人を沸かせて「決められてよかった」とニッコリ。愛知県出身で、名古屋から今季加入した倍井も「ダービーは初めての経験。楽しいですね」と目を細めた。

 完封勝利も、ホームでの白星も3月末の千葉戦以来だ。

「前回ここ(ヤマハ)で会見したとき(4月29日、山口に0―1)は厳しい状況だったが。選手は勝利に値するパフォーマンスを見せてくれた」とジョン・ハッチンソン監督(45)の口もなめらか。相手の裏のスペースを狙う意識が浸透して攻撃が活性化してきた。その先頭に立つFW渡辺りょう(28)も「ホームで勝てたことはうれしい」と喜んだ。

 お互いの意地がぶつかり合う「蒼藤決戦」をものにして、次はホームでいわきを迎え撃つ。「チームがいい方向に進んでいる」と倍井。この勢いで白星を重ねて行く。

(里見 祐司)

編集部おすすめ