◆ラ・リーガ ▽第35節 バルセロナ4―3Rマドリード(11日、エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス)

 首位バルセロナはRマドリードとのクラシコを4―3で競り勝った。

 試合開始前時点での両チームの勝ち点差は4。

バルセロナが勝てば残り3試合で7差となり、ほぼ優勝が決まるが、Rマドリードが勝てば1差とまだまだ優勝が分からない状況だった。前回の対戦は国王杯決勝で、延長の末3―2でバルセロナが優勝。多くの試合にて大量得点が約束されるこの対戦は、今回もバルセロナに軍配が上がった。

 試合は前半5分にRマドリードのFWエムバペがPKを決めて先制。バルセロナのDFクバルシがこぼした球をFWエムバペが奪取。エリア内でGKシュチェスニーが倒して得たペナルティを見事ものにした。バルセロナもすぐに反撃にでたが、同15分にはFWビニシウスのセンターパスに、またもFWエムバペが決め、0―2と予想外の展開になった。

 しかし、それからはバルセロナの猛攻が始まる。まずは同19分に、CKからDFエリック・ガルシアが頭で決めて1点を返す。バルセロナの攻撃は止まらず、同32分には右エリアでFWフェラン・トーレスからパスを受けた17歳のFWヤマルが左足で左ポスト際に沈めるゴラッソを奪う。さらにその2分後、Rマドリード中盤のミスを誘ったMFペドリのロングパスからFWラフィーニャが逆転ゴールを決めた。バルセロナの畳み掛けにRマドリードの守備陣が翻弄された。

 そして同45分、DFルーカス・バスケスからエリア内で球を奪ったFWラフィーニャがFWフェラン・トーレスの助けを受けて4点目を決めた。前半終了までに4点で逆転。RマドリードはDFリュディガーやDFアラバ、DFミリトンといった本来のCBを欠く中、高い位置でプレスをかける相手の攻撃は我慢できなかった。

 後半、反撃をかけるRマドリードがチャンスを作る。後半25分、MFモドリッチのボール奪取とパスからFWビニシウスの速攻とFWエムバペのシュートで1点差にする。これでFWエムバペはハットトリックで今季通算27点目を奪った。

 後半アディショナルタイム(AT)2分にMFチュアメニが同点弾を放つも、オフサイドでゴールは認められず。そのままスコアは変わらず。バルセロナが勝利と、今季のラ・リーガ優勝に大きく前進した。

◆監督、選手のコメント

【バルセロナ】

フリック監督

 「この勝利はファンと選手たちへのものだ。素晴らしい。Rマドリードは優れたチームだ。

120分以上戦った(CL準決勝)インテル戦の後、0―2のビハインドからよく追い上げた。あの状況に対処するのは楽でなかったが、我々は非常によくやれた。私は心臓の検査をしてもらわなければならないね。

 守備面では、まだまだ改善の余地がある。プレスをかければ全て上手くいくのだが、ミスをすると最初の失点の時のように厳しくなる。素晴らしい選手たちがそろっているチームは、良い判断力でまとまっている。言い訳ではないが、3日ごとの試合で満足な練習ができないのは容易でない。プレシーズンでこれら全てを改善していくことを既に考えている。

 チーム全体を統率するのは簡単ではありませんが、彼らは素晴らしいスピリットを持っています。彼らはプレーすること、トレーニングすること、そして競争することが大好きです。トレーニングに熱意があれば、試合でも楽になると思います。良いトレーニングセッションを積めば、試合でもより良いパフォーマンスを発揮できるのです。

 まだチャンピオンになったという実感はない。今季3つのタイトルを獲得できればいいが、まだあと1勝残っている」

ラフィーニャ

 「シーズンを通してそうしてきたように、僕たちは試合に勝つためにここにいる。重要な試合も、多くの人にとって重要でない試合も、僕たちは良い状態で戦う。クラシコの重要性は理解していた。失点を喫しても、流れを変えるためには冷静さを保った。

 クラシコで大量得点するのは難しい。僕たちとRマドリードのプレースタイルは、得点のチャンスを多く生み出す。ピッチ上には質の高い選手たちが揃っている。重要なのは、必要な時に守備をし、どんな状況でも勝ち点を獲得することだ。

 追加点のチャンスを逃した分、試合終盤は苦しくなった。Rマドリードの3点目が、僕たちをより難しくした。最後はしっかりと守ることができた。

それが重要だった。

 僕は2ゴール以上決められたはずだった。決めるべきチャンスを3つも逃してしまった。僕は非常に高い基準を持っているので、決めたゴールよりも逃したゴールのことを考えてしまう。常にベストを尽くしたいと思っていし、もっとうまくできたはずだという思いが湧いてくる」

ヤマル

 「とても重要な試合で大きな差をつけた。CLの試合が終わった後、ファンはもう忘れてしまったし、僕たちも敗退を忘れてしまった。今は楽しみたい。

 最後に失点してしまったことを修正しなければならなかった。相手は決定的なチャンスを作れなかった。今は試合を楽しめる。本当に、本当に嬉しい。

 CLは毎年開催される。

だから優勝するまで挑戦し続ける。リガ優勝に近づくためにも、今日の勝利は重要だった」

【Rマドリード】

アンチェロッティ監督

 「攻撃は良かったが、守備はうまくいかなかった。我々は明らかなミスを犯した。それがいくつもの失点につながった。

 エムバペはよくやった。チャンスは明白だった。DFの背後をうまく突くことができた。3点決めたが、もっと得点できた可能性もあった。攻撃面では、チームは明確なプランを持っていた。守備はもっとうまくできたはずだ。ただし今日は5人のDF選手を欠いていたことを忘れてはいけない。

 これは今季最後のクラシコだった。

シーズンを良い形で締めくくるために残り3試合で勝利を目指す。

 素晴らしいチームを相手に戦った選手たちの姿勢や献身に対して、私が非難することは何もない。うまくいかなかったが、我々は戦い抜いた」

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