プロレスラーの大仁田厚が12日、スポーツ報知の取材に応じ60歳で亡くなった“インディーの帝王”とたたえられたサブゥーさん(本名・テリー・ブルンク)を追悼した。

 サブゥーさんは、大仁田が旗揚げしたFMWに叔父であるザ・シークと共に1991年11月に初来日した。

 「シークが使ってくれって言って連れてきたんです。だけど、有刺鉄線デスマッチで戦った時に驚きました。通常はロープで試合をしますよね。サブゥーは、有刺鉄線をロープと同じように使ったんです。あれには驚きました」

 忘れられない試合は、92年5月6日、兵庫・ニチイ三田店特設リング大会だ。大仁田はターザン後藤と組んでサブゥーさん、ザ・シークと「ノーロープ有刺鉄線トルネードタッグ・ファイヤーデスマッチ」だという。リングの周囲を炎で囲むデスマッチは火が想像を超えるほど燃え上がり、選手はそろって避難し無効試合となった。

 「酸欠状態に陥って最初にサブゥーが逃げたんです。その後、後藤が逃げて俺は三番目でした。試合後にサブゥーと一緒に病院へ行って、彼がお祈りしている姿は印象に残っています」

 最後に会ったのは2年前。米ニューヨーク郊外でのサイン会で再会した。

 「その時に試合してる?って聞いたら、奥さん亡くなって試合はしてないと言っていたんですよね…」

 そして大仁田はサブゥーさんへ言葉をささげた。

 「親愛なるデスマッチの友…ありがとうございました。そして安らかに休んでください」。

 サブゥーさんの訃報は世界最大のプロレス団体「WWE」が11日(日本時間12日)に公式ホームページで伝え、日米で様々なレスラー、団体が追悼の意を表すなどプロレス界は悲しみに包まれている。

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