◆大相撲夏場所2日目(12日、東京・両国国技館)

 右膝の手術から復帰3場所目の西幕下51枚目・矢後(押尾川)が東51枚目・峰洲山(鳴戸)を寄り切って白星スタートを切った。立ち合いから突き放して1度は引く仕草を見せたが、再び突き放して左を差して寄り切った。

「引いた? 相手が低かったので。(内容的には)初日としては良かったです」。

 右膝の状態と相談しながらの場所前の調整も今場所は番付発表前から本格的な稽古を開始したという。師匠の押尾川親方(元関脇・豪風)も「最後を自分を追い込む稽古ができていた」と認めていた。

 春場所後に鼻孔拡大の手術を受けた。鼻孔の形を整え、尾翼部分の皮膚の厚みを薄くして呼吸を楽にする効果があるという。力士仲間から勧められたもので、これも貪欲に白星を求める姿勢でもある。「今場所の目標は早めに勝ち越すことです」。元アマ横綱の未完の大器が少しずつ復活の階段を上っている。

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