◆大相撲夏場所2日目(12日、東京・両国国技館)

 西前頭筆頭・王鵬は関脇・霧島を突き出して連勝した。

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 今年になって一番、成長したのが王鵬だろう。

霧島の踏み込みも悪くなかったが、王鵬はそれ以上に低く鋭かった。左に動く霧島に対してかいな(腕)を伸ばして、緩めずに攻めた。立ち合いからの早い攻め。勝負所も十分に理解していた。

 昨年までの王鵬は淡泊だった。前にすぐに落ちてしまったり、簡単に押し出されてしまう場面が何度かあった。それが簡単に押されなくなった。前にも落ちない。そして勝負を諦めない力士に変貌(へんぼう)した。要因は下半身の粘りにある。初日の琴桜との一番もしぶとく攻めて粘って肩透かしで白星。大関候補といえる。

 3日目は横綱・豊昇龍との一番が組まれた。個人的には「(当たるのが)早いよ」と思っているが、仕方のないことか。豊昇龍の充実度も最高潮だが、安易な張り差しの立ち合いだと王鵬に足をすくわれる可能性もある。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

 〇…王鵬が霧島を突き出し、初日から2連勝を飾った。力強い突き押しで、たまらず回り込んだ相手を圧倒。「すごく充実している。いい状態で相撲を取れた」とうなずいた。新関脇だった春場所は6勝9敗と苦しんだが、今場所前は出稽古するなど追い込んだ。3日目は同学年で同期入門の豊昇龍戦。「自分の相撲を取って、自分の勝ち方ができればいい」と意気込んだ。

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