◆プロボクシング▽スーパーウエルター級(69・8キロ以下)8回戦 ○緑川創(TKO5回2分44秒)浜島悠紀●(12日、後楽園ホール)

 元キックボクシング世界王者の緑川創(つくる、38)=EBISU K’s BOX=がボクシング転向3戦目を豪快なTKO勝利で飾った。プロ20戦目の浜島悠紀(29)=白銀=と対戦。

1、2回はじっくり相手の動きを見ながら、接近してジャブ、ボディーを確実にヒット。リーチの長い浜島のパンチはブロッキングで確実に交わすと、4回には右ストレートをクリーンヒット。そして5回、カウンターの右でダウンを奪い、そのままレフェリーが試合をストップ。A級(8回戦以上)昇格初戦を見事な白星で締めくくった。「うれしいです。ジャブも当たって冷静にできた。あまりパンチももらわなかった」と目尻を下げた。

 一昨年2月に「もう完全燃焼した」とキックボクシングから引退。しかし「ボクシングがやりたかったという思いもあったが、一番は子供に闘っている姿を見せたかった」と引退後に誕生し、来月2歳を迎える長男への思いが再びリングに向かうきっかけとなった。昨年10月のボクシングデビューから3連勝で2連続KO勝利。それでもボクサーとの完成度は「まだまだ。50パーセントぐらい」と自己分析する。

所属ジムの加山利治会長は「じわじわとボディーから攻めていって、最後は上で倒す。だんだん(ボクシングに)アジャストしてきた。年齢も年齢なんで早く上を狙わせたい」と期待する。

 歓喜に沸くロッカールームで愛息と笑顔で記念撮影した緑川。そして真剣なまなざしになり「子供にはただ勝っただけの姿ではなく、ベルトを巻いた姿を見せたい」と、決意表明した。

 戦績は緑川が3戦全勝(2KO)、浜島は11勝(4KO)8敗1分け。

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