地域住民の立場から地域福祉をサポートする「民生委員・児童委員」の普及、啓発活動のため、東京・墨田区で12日、山本亨区長が「一日民生委員」を務めるPRイベントが区役所で行われた。委嘱状伝達式の後、地元の小梅保育園の児童らを前に即興劇も披露。
民生委員・児童委員は地域の推薦などを受けた人を対象に、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員。全国約23万人、都内では約1万人、墨田区内には約200人が活動している。1917年に岡山県で誕生したのが始まりとされ、東京では翌18年に当時の東京府知事が渋沢栄一らの協力を得て「救済委員」制度を創設。36年に国の制度になり、5月12日は「民生委員・児童委員の日」になっている。
墨田区では毎年9月に喜寿・米寿の高齢者宅を訪問して相談に乗る支援のほか、子どもや子育て支援を専門に担当する主任児童委員による相談を積極的に受け付け。2024年11月には「保健」「子育て」「教育」の3つの機能が相互につながる複合施設「すみだ保健子育て総合センター」も開設し、官民一体となって地域福祉を充実させている。今回のイベントも、5月12日~19日までの民生委員・児童委員の活動強化週間に合わせて実施、区役所1階で活動を紹介するパネル展示も行っている。
一日民生委員として即興劇に加わった山本区長は「みなさん、演技が本当にお上手ですね」と言いながら、自らも熱演を披露。小梅保育園の児童らは観劇後、お礼の歌を披露すると、最後は子育てペンギンの姿をモチーフにした民生委員・児童委員の周知キャラクター「ミンジー」のシールをプレゼントされ、地域の交流と連携を深める1日になった。